デイリーアーカイブ Oct 26, 2024

KGモーターズと大阪大学、自動運転開発で共同研究契約を締結

KGモーターズ株式会社と国立大学法人大阪大学大学院基礎工学研究科は、2024年4月9日に超小型モビリティ「ミニマムモビリティ」に特化した省電力かつ高効率な自動運転用データ収集システムと、ミニマムモビリティへの搭載を想定した自動運転手法の開発に係る共同研究契約を締結しました。 ミニマムモビリティは、1人乗りセンターポジションで走る楽しさを追求した小型の電気自動車で、楽しさ、気軽さ、エコを追求した次世代のチョイ乗りモビリティをコンセプトに開発されています。KGモーターズは、持続可能でエネルギー効率の高い移動手段として、ミニマムモビリティの普及を目指しています。 今回の共同研究では、堀井講師のこれまでの研究成果を活かし、マルチモーダル情報統合処理や生成AIをはじめとする機械学習技術を用いて、ミニマムモビリティの自動運転化を加速させます。具体的には、ミニマムモビリティに特化した省電力かつ高効率な自動運転用データ収集システムの開発と、ミニマムモビリティへの搭載を想定した自動運転手法の開発に取り組みます。 この研究により、KGモーターズは超小型モビリティ自動運転市場における技術的リーダーシップを確立すると共に、持続可能な社会を実現するための基盤を築きます。また、大阪大学との緊密な連携により、最新の研究成果を実用化し、日本国内外でのモビリティ革新に寄与することが期待されます。 両者は、この共同研究を通じて、自動運転ミニマムモビリティの開発に向けて、確かな一歩を踏み出しました。MaaS(Mobility as a Service)を通じたシェアリングや自動運転による新たな公共交通システムの構築を目指す、未来の持続可能な交通の実現に向けた重要な取り組みとなります。 KG Motors(KGモーターズ) (kg-m.jp)

ホンダ 新型「フリード」をホームページで先行公開

Hondaは5月9日に、2024年6月に発売予定の新型「FREED(フリード)」に関する情報を、特設サイトにて先行公開しました。 フリードは、本田技研工業が生産・販売するコンパクトミニバン型の小型乗用車で、モビリオの後継車として開発されました。「運転しやすいサイズでなおかつ室内空間にもゆとりあるコンパクトミニバン」というコンセプトのもと、ミドルサイズミニバンでは少々大きすぎると考えている顧客をターゲットにしています。 初代モデル(GB3/4/GP3型)は、2008年に発売され、スタイリッシュなデザインが特徴です。当時、同クラスの車種が女性向けの可愛らしさを強調していたのに対し、フリードは上級ラージミニバンにも通じる男性的なデザインと1クラス上の内装が与えられ、父親でも堂々と乗れる初めてのコンパクトミニバンとして人気に。コンパクトミニバンながら男性的で上質なコンセプトは現在も引き継がれています。 新型フリードのグランドコンセプトは、「"Smile" Just Right Mover("スマイル" ジャスト ライト ムーバー)」。人びとの暮らしに寄り添う「ちょうどいい」クルマとして、日々の暮らしに笑顔をもたらすことを目指して開発されました。また、2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載し、スムーズで力強い走りを実現しています。 新型フリードは、FREED AIR(フリード エアー)とFREED CROSSTAR(フリード クロスター)の2タイプが設定され、それぞれの個性が際立つデザインとなっています。 エクステリアデザインは、シンプルかつ上質なデザインの中に、信頼感とクルマとしての使い勝手の良さを感じさせるスタイリングとしました。フリード クロスターは、アウトドアにも似合うタフなデザインが特徴です。 パッケージングでは、現行モデルの特長である取り回しのしやすいボディーサイズや使い勝手の良い室内空間を維持しつつ、水平基調でノイズレスな視界とすることで、開放感のある室内を目指しました。シートアレンジもさらに使いやすさを追求し、3列目シートの軽量化や収納性の向上により、使い勝手が良く、明るく、広い荷室空間を実現しています。 インテリアデザインは、使う人がゆったりとした気持ちになれる空間を目指し、大容量の収納や取り出しやすさを追求したトレーの配置、リアクーラーの採用やリアクォーターガラスの面積拡大など、快適性を高めています。フリード エアーは安心を感じられる空間、フリード クロスターはアクティブさを表現したデザインとなっています。 車体サイズから見て、ライバルといえるのはトヨタ・シエンタ。シエンタが手頃な価格と、親しみやすいエクステリア、収納力を重視した3列目シートなのに対して、フリードはシエンタよりも高級感、清潔感を重視したエクステリア・インテリアに、人が乗るのを重視した3列目シートやアウトドア重視のグレードを用意。旧型でもシエンタとフリードは車体サイズやエンジンの排気量は同じでも、車体のコンセプトは違っていましたが、新しく登場するフリードも同じようです。 フリード先行情報|Honda公式サイト

近年さまざまな話題となっている「モペット(ペダル付き原動機付自転車)」とはどのような乗り物なのか解説

近年、問題となっているのがペダル付き原動機付自転車「モペット」を、登録なしや無免許運転する事例でしょう。モペッドは、原動機付自転車と同等の乗り物でナンバー登録や免許が必要な乗り物ですが、日本ではあまり知られていない乗り物です。そもそもモペットとはどのような乗り物でしょうか。 モペットとはどのような乗り物か モペット (moped) とは、日本ではペダル付きのオートバイを指す総称です。Motor(モーター、原動機)とPedal(ペダル)を組み合わせた造語であるモペットは、エンジンや電動機の動力だけでなく、人力でペダルを漕ぐことでも走行できる、ユニークな乗り物として知られています。年配の方の中には、「バタバタ」や「ペケペケ」といった愛称で呼ぶ人もいるでしょう。 モペットの歴史は古く、1900年代初頭にヨーロッパで登場しました。当初は、自転車に小型のエンジンを取り付けた形態が主流でしたが、次第に専用設計のフレームを採用するようになりました。日本では、第二次世界大戦後の復興期に、安価で実用的な交通手段として普及し始めました。 日本でのモペットの歴史 日本におけるオートバイの歴史は、1898年に柴義彦がアメリカから輸入し、組み立てて製作した車両の写真が最古の記録として残されています。しかし、日本の純国産オートバイ第一号として広く認識されているのは、1909年に島津楢蔵によって製作された「NS号」です。このNS号は、400ccの4ストローク単気筒エンジンを自転車をベースに製作したフレームに搭載した車両で、ペダルが付いていました。 その後、オートバイエンジンの高出力化と重量増加に伴い、本格的なオートバイ用のフレームが開発され、小型の後付けエンジンとは別のカテゴリーで発展していきました。日本では、太平洋戦争前には自転車取付エンジン式のオートバイ開発は広まりませんでしたが、戦後になると状況が一変します。 太平洋戦争後、旧日本軍から放出された発電用エンジンを自転車に取り付けた車両が登場し、やがて小さなメーカーから専用の自転車用取付エンジンが発売されるようになりました。1948年には年間販売数が2,000台、1949年には10,000台ほどに達するほど、自転車用取付エンジンの人気が高まっていきました。 https://youtu.be/hliMY4d5fvI?si=VWHG3TUPGeogyI0s 現在まで続くメーカーの中では、本田技術研究所(現・ホンダ)が1948年に50ccのホンダA型を発売し、1952年には「カブ 取付エンジン F型」を発売するなど、早くから自転車用エンジンに注力していました。また、鈴木式織機(後のスズキ)は、1952年にパワフリー(36cc)を発売し、後継機種のダイヤモンドフリーやミニフリーシリーズ(50cc他)を1959年まで販売しました。当時オートバイも販売していたブリヂストンタイヤ(現・ブリヂストン)も、1954年に50ccの富士精機製エンジンを用いた取付エンジンを発売するなど、各社が自転車用エンジンの開発に力を入れていました。 しかし、日本の自転車用取付エンジンは、重積載用の実用型自転車に取り付けられて過負荷で酷使される事例が多く、振動や高速走行によってフレームや車輪に過大な負荷がかかり、破損事故を引き起こすことがありました。また、性能向上の許容度が低いという欠点もあったため、1960年頃までには完成車型モペットの普及によって徐々に廃れていきました。 1957年、日本初の完成品ペダル付きオートバイであるタス・モーペッド7HFが発売されました。翌1958年には、スズキがペダル付きのスズモペットSM-1(50cc)を発売し、同年に発売されたホンダ・スーパーカブの大ヒットにより、原動機付自転車の主流はペダル付きからペダルなしへと急速に移行していきました。 「モペット」という造語は、スーパーカブに代表されるビジネスバイクにも流用され、山口自転車の山口・オートペット、ヤマハ発動機のヤマハ・モペット、川崎重工業(現・カワサキモータース)のカワサキ・ペット、スズキ・セルペットなどの車名に用いられました。1961年をピークとする「モペットブーム」は、これらアンダーボーンフレームのビジネスバイクの流行を指しています。 その後も50ccのスクーターやビジネスバイクを含めた原動機付自転車のブームはたびたび訪れましたが、足漕ぎペダルが付いていることを特徴とするモペッドは、日本の法規において利点を活かすことができず、広く普及することはありませんでした。 モペッドと電動アシスト自転車は何が違うのか   この投稿をInstagramで見る   Nick | Enduro & Supermoto(@_nick_de_)がシェアした投稿 電動アシスト自転車が人気を集める一方で、従来からあるモペットとの違いについて疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。ここでは、モペットと電動アシスト自転車の主な違いについて解説します。 まず、法的な定義に目を向けると、モペットは道路交通法上、原動機付自転車(第一種・第二種)に分類されるのに対し、電動アシスト自転車は自転車に分類されます。動力源に関しては、モペットは原動機(内燃機関またはモーター)を主な動力源とし、ペダルは補助的な役割を果たします。一方、電動アシスト自転車は人力(ペダル)を主な動力源とし、電動モーターはアシスト機能として働きます。 最高速度については、モペットは第一種で30km/h未満、第二種で60km/h未満に制限されているのに対し、電動アシスト自転車はアシスト動力の上限が24km/h未満に設定されています。排気ガスに関しては、モペットは内燃機関を使用する場合は排出しますが、モーターを使用する場合は排出しません。電動アシスト自転車は電動モーターを使用するため、排気ガスは出ません。 運転にあたっては、モペットは原付免許(第一種)または普通自動二輪免許(第二種)が必要ですが、電動アシスト自転車は免許不要です。ヘルメットの着用については、モペットは義務付けられているのに対し、電動アシスト自転車は努力義務となっています。また、モペットはナンバープレートの取得と掲示が義務付けられ、自賠責保険への加入も必須ですが、電動アシスト自転車はナンバープレートも自賠責保険も不要です。 道路の通行ルールに関しては、モペットは車道の左側を通行し、歩道の通行は原則禁止されています。電動アシスト自転車も車道の左側を通行しますが、一定の条件下で歩道の通行が可能です。二人乗りについては、モペットは一定の要件を満たせば可能ですが、電動アシスト自転車は原則禁止されています。 モペッドを運転する際に必要な物は?   この投稿をInstagramで見る   LesDérailleursparis Bastille(@lesderailleursparis)がシェアした投稿 日本では、モペットの登場初期は軽車両扱いで運転免許が不要でしたが、1960年(昭和35年)の道路交通法施行以降は、16歳以上を対象とする原動機付自転車免許が必要となりました。一方、ヨーロッパでは長らく許可証取得や車両登録のみで運転できる国が多かったものの、2013年1月からは欧州連合 (EU) 加盟国全てで、設計上の最高速度が25km/h超45km/h以下のモペッドの運転にAM運転免許が義務づけられるようになりました。 日本の公道でモペットを運用するには、国土交通省が定める道路運送車両の保安基準に基づいて、ヘッドランプ、ホーン、リアリフレクター、ナンバープレート、ナンバープレートランプ、リアビューミラー、スピードメーター、テールランプ、ブレーキランプ、ターンシグナルランプなどの装備を取り付けることが義務付けられています。ただし、最高速度が20km/h未満の車両については、スピードメーター、テールランプ、ブレーキランプ、ターンシグナルランプの装備は免除されます。 電動モペットの登場で問題となった違法走行   この投稿をInstagramで見る   IRVLABS(@irvlabs)がシェアした投稿 エンジン仕様のモペットはオートバイや電動アシスト自転車の登場により、ほぼ絶滅している状況に近いほど衰退しています。その一方で、躍進しているのがモーターとバッテリーを使用した電動モペットですが、日本では、この電動モペットが違法走行している事例が多いことで問題となっています。 モペットはエンジンやモーターを始動せずにペダルのみで走行する場合でも、原動機付自転車の扱いとなるため、ヘルメットの着用が義務づけられ、車道を走行しなければなりません。しかし、モペットの認知度が低いことや、電動タイプのモデルが電動アシスト自転車と見分けがつきにくいことなどから、無免許運転や歩道走行などの交通違反が後を絶ちません。警察は、こうした違反行為に対して厳しく取り締まっています。 モペットは、原動機付自転車という位置づけであるため、運転には原付免許が必要で、ナンバープレートの装着やヘルメットの着用も義務付けられています。しかし、一部のユーザーの中には、こうした基本的なルールを軽視する傾向が見受けられます。 ニュースでよく聞く「まさか切符を切られるほどとは」という違反者の言葉からは、モペットに乗ることの責任の重大さに対する認識の甘さが透けて見えます。彼らは、モペットが気軽な移動手段だと考えているのかもしれません。しかし、公道を走る以上、他の車両や歩行者の安全に配慮し、交通ルールを遵守することは運転者の義務です。 また、モペットを自転車だと思い込んでいるユーザーが多いという指摘もあり、これは、交通ルールに対する理解の浅さを物語っています。電動モペットは自転車に似た外観が多いですが、法律上、モペッドは紛れもなく原動機付自転車であり、自転車とは全く別の乗り物です。 そして、違法モペットに乗ることのリスクは計り知れません。ナンバープレートを付けずに運転するということは、保険にも加入していないということを意味します。万が一、歩行者との事故を起こせば、道交法違反と重大な過失行為を問われ、高額な賠償金の支払いを命じられる可能性があります。しかも、その賠償責任は自己破産をしても免れることはできないのです。 同時に、行政や警察、メーカー、販売店も、モペッドの適正利用を促すための取り組みを強化する必要があります。例えば、ネット通販の際に、ナンバープレート申請の重要性を強調したり、購入者に申請を義務付けたりするなどの措置が考えられます。また、モペッドの正しい乗り方や交通ルールについての教育を徹底することが求められます。 警察による取り締まりは、こうした違法行為を抑止し、事故を未然に防ぐための重要な活動です。モペッドをめぐる問題は、単なる交通ルール違反の問題にとどまらず、より深刻な社会問題であることが分かります。