デイリーアーカイブ Dec 24, 2024
電動自転車バッテリーで緊急時も家電が使える――アレティ、「チャリパワー」発売へ
家電メーカーのAreti(アレティ、本社・東京都中央区)が手掛けるキャンプギアブランド「キャンキャンパー」は、電動アシスト自転車用のバッテリーを電源として活用できる新型インバーター「チャリパワー(ivt2499)」を開発した。最大500W(瞬間最大1,000W)のAC100V出力を備え、USBポート(USB-AおよびUSB-C)も搭載。災害時の応急電源はもちろん、キャンプや車中泊など、外出先での電源確保にも有用な新製品として注目を集めている。
アレティによれば、「チャリパワー」はパナソニック、ヤマハ、ブリヂストンという国内大手メーカー製の電動自転車用バッテリー(いずれもリチウムイオン電池対応)を自動認識し、スイッチなどの手動切り替えを必要としない設計を実現。特許出願中で、利便性が高く、新たな防災ツールとしての可能性が評価されている。従来、災害時の持ち出し電源といえば大型・重量級のポータブル電源が主流だったが、「チャリパワー」は小型・軽量で非常持出袋に収まるサイズ感。万一の避難時に自転車で移動しながら電力供給源を確保することができる。
すでに応援購入サービス「マクアケ」でのプロジェクトは目標額を大幅に上回って成功。ユーザーからは「ありそうでなかった」「革新的なアイデア」といった声が寄せられ、期待の大きさがうかがえる。これを受けて、12月13日から公式サイトでの予約受付も開始した。
「チャリパワー」は多様な利用シーンに応える。USB-Cポートによる急速充電機能でスマートフォンのバッテリー不足も即座に解消。夜間の電源なしサイトで電気毛布や調理器具を使ったり、車中泊で朝にコーヒーを淹れたりすることも可能だ。静音性に優れ、燃料が不要なため、騒音や排気ガスの心配もない。
また、国内大手3社のバッテリーにはBMS(バッテリーマネージメントシステム)が搭載されており、発熱リスクを抑制。「チャリパワー」本体にも最大・最低電圧保護機能を備え、安全性を重視した設計となっている。
電動アシスト自転車をまだ所有していない人でも、自治体によっては購入補助金や助成金制度が利用可能な場合がある。これを機に、電動自転車と「チャリパワー」を組み合わせれば、災害時の備えからレジャー時の快適性向上まで、一石二鳥のメリットを享受できる。
アレティは、「チャリパワー」を通じて、電動自転車ユーザーやアウトドア愛好家に新たな価値を提供。従来なかった災害・防災分野での活用を含め、暮らしに密着した電源ソリューションの可能性を切り拓く考えだ。
キャンキャンパー公式ストア|家族で楽しむためのキャンプ用品 – Cancamper
イオンバイク、低価格・簡単操作の新型電動アシスト自転車を発売 クロスタイプとタウンタイプの2モデル展開
イオン株式会社は、同社グループの自転車専門店「イオンバイク」において、シンプルな操作と求めやすい価格を実現した新たな電動アシスト自転車ブランド「WILLGO」を立ち上げ、その第1弾となる「WILLGOクロス電動アシスト自転車」と「WILLGOタウン電動アシスト自転車」を12月17日(火)より順次発売する。本州・四国のイオンバイク約259店舗およびオンラインショップ「イオンバイクモール」にて取り扱う。
近年、電動アシスト自転車は通勤・通学や買い物など、日常の移動手段として幅広く普及し、利便性が評価されている。一方、高額なモデルが多く、操作に複数のモードやボタンが必要なケースも多かった。
新ブランド「WILLGO」は、本体価格8万円(税込8万8,000円)と手が届きやすい水準を実現。さらに、バッテリーの電源スイッチのみで簡単に走り出せるシンプルな仕組みを特徴とする。モード切り替えなど複雑な操作は不要で、購入したその日から気軽に電動アシスト自転車生活を始めることができる。
「WILLGOクロス」は、スポーティーなフレームデザインに使い勝手の良いフロントバスケットを標準装備し、街乗りから軽いサイクリングまで対応可能。27型タイヤと6段変速付きで、軽快な走りを実現する。
一方、「WILLGOタウン」は、乗り降りしやすいフレーム形状と大型バスケットを備え、日常的な買い物やお出かけに最適な1台。リアキャリアは最大積載重量27kgとなっており、幼児同乗器を取り付けることも可能(ドレスガードなど別売りパーツが必要)。荷物の積み下ろしや子どもの乗せ降ろし時にはハンドルストッパーが働くため、転倒リスクを抑え安全性を高めている。
両モデル共通で採用するリアモーター駆動は、後輪へ直接トルクを伝え、力強いアシストを実感できる設計。6段変速により、勾配や路面状況に応じてペダリングを調整しやすい。さらにバッテリー電源オンと同時にライトが点灯し、日中でも他車や歩行者から視認されやすくなることで、安全性の向上にも貢献する。
「WILLGOクロス」はマットブラック、マットホワイト、マットブルーの3色展開。「WILLGOタウン」はマットグレー、マットブラック、マットベージュの3色を揃える。いずれもバッテリーは36V・6Ah(25.2V換算で約8.5Ah相当で216Wh)を搭載し、「クロス」は1充電あたり約29km、「タウン」は約28kmの走行が目安だ。
自転車通販はイオンバイクモール | 人気メーカー充実のサイクルショップ
ヤマハ発動機 欧州市場でEバイク用共同開発プラットフォーム「PW-LINK」を発表 2輪駆動や電動パワステにも対応
ヤマハ発動機は、欧州主要eバイクメーカー向けに新たな共同開発プラットフォーム「PW-LINK」を発表したCAN-Open通信規格を用いた統合的な環境を構築し、データ交換を通じた各種機能の融合やOEM(相手先ブランド)メーカーとの緊密な連携を目指す。
https://youtu.be/lH_3byY1zMA
同社はこれまで、マウンテンバイク(MTB)やグラベル、アーバンといったカテゴリーを中心に、欧州の主要eバイクメーカーへパワーユニット(eキット)を供給してきた。高トルクでスムーズな加速性能や信頼性が高く評価され、ヨーロッパ市場で確固たる地位を築く。同社はこのノウハウを活かし、さらなる市場拡大と製品差別化を狙う。
PW-LINKは、複数のOEMパートナー企業とヤマハ発動機が共同で、新世代のeバイク性能を「共創」する場となる。CAN-Open規格に準拠した電子データシート(EDS)交換をはじめとする標準化された開発環境を整備。これにより、OEMメーカーはヤマハが保有する高度な技術資産を必要に応じて取り込み、自社のコンセプトに沿ったeバイクモデルを効率的に生み出すことができる。
具体的には、ヤマハ側がパワーユニットの基本性能や信頼性に関わるコア領域を統制しつつ、OEMはその上に先端的なソリューションを自由に付加できる仕組みとなる。デュアルドライブや電子パワーステアリング、セキュリティ機能などヤマハの先行技術を基盤として活用することで、開発期間の短縮やコスト削減が期待される。
EDSファイルの交換により、OEMパートナーはIoT接続、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)、GPSトラッキング、電子・自動変速、スマートロック、スマートライトなど、外部の革新的ソリューションを容易に統合可能となる。これら拡張機能を柔軟に組み合わせることで、各メーカーは単なるeバイクを超えた「ライフスタイル提案型」や「高度なセキュリティ・安全性を重視した」モデルなど、ユーザーの多様なニーズに即応できる独自性の高い製品を開発できる。
ヤマハはこうした協調戦略によって、次世代eバイク市場における存在感をさらに高める考えだ。従来、eバイク市場はモーターやバッテリーなどの基本性能競争が中心だったが、今後はコネクテッド機能や安全性、多用途性など、さらなる付加価値による差別化が成長のカギを握るとみられる。
同社はPW-LINKを「共に未来を創り上げる」ための礎と位置づけ、パートナー各社と相互補完的な関係を深める方針。これにより、ユーザーにとっては、より先進的な機能と洗練された乗り心地が期待でき、またOEMメーカー側は、ビジネス拡大の新たなチャンスを手にすることができる。
ヤマハのPW-LINKによる取り組みは、欧州eバイク市場のみならず、グローバルな技術共有と発展に影響を及ぼす可能性がある。新たな共創型のエコシステムが、電動モビリティの未来を一段と豊かで多様なものへ変えていく契機となりそうだ。
YAMAHA PW-LIMK New Generation System - Yamaha Motor