デイリーアーカイブ Oct 30, 2024
破産したハイテクEバイクメーカー「ヴァンムーフ」 複数の企業が買収に名乗りを上げている状況
オランダで破産を宣告されたハイテクEバイクメーカー「ヴァンムーフ」は、複数の企業が買収に名乗りを上げているとのことです。
Vanmoofと言えば、スマートなデザインとハイテクを売りにしたEバイクで知られており、同社は新型コロナウイルス感染症の影響により売上を伸ばし、2021年9月に1億2800万ドル(日本円で約160億円)の資金調達を実施。同社は世界で最も資金調達したEバイク企業であると謳っていました。
しかし、2020年4月に発表したEバイク「S3」と「X3」で、配送中に発生した傷や損傷、故障など様々なトラブルが発生し、保証期間中の修理・交換費用のコストや、低価格で最大3年間の無料メンテナンスと、盗難にあったバイクが2週間以内に回収できなかった場合の代替モデルを用意するプラン「Peace of Mind保証」による多額の損失による影響で、2023年7月17日に破産しました。
ヴァンムーフの管財人として選出された2人は、既に複数の入札があったことを、オランダのメディア「BRIGHT.NL」が報じています。
Meerdere bedrijven bieden op VanMoof: redding nabij? - Bright
入札の期間は金曜日に終了し、多くの企業が入札し、最終的にはステークホルダーとの協議が行われる予定とのことです。現在、名前を公表しているのは、micromobility.com社のみで、同社は非拘束的なオファーを提出したとのことですが、同社が買収を完了するための資金を持っているのかどうかは明確ではありません。他にも複数の企業が、ヴァンムーフの買収に意欲を示したとどの企業が他に興味を示しているのかは現段階では公表されていません。
噂では、世界最大のプライベートエクイティファンドの一つであるKKRが興味を持っていると言われています。同社は昨年、オランダの大手自転車企業であるアクセルグループを買収している。但し、アクセルグループに関しては、2023年7月の報道で、経営危機に陥ったヴァンムーフに対して資本注入を拒否しています。KKRはヴァンムーフの買収に関してのコメントは行っていません。
他にも噂されているのが大手自転車企業である台湾ジャイアントとアメリカのトレックも買収先として名前が挙がっていますが、両企業もコメントしていません。ドイツからの関心に関する噂もありますが、どの企業に関するものかは明らかではありません。
ヴァンムーフを再スタートする場合は、数千万ユーロが必要だと言われていますが、そのような状況でも、複数の企業が買収に名乗りを挙げているのは、ヴァンムーフにブランド力があるという事だと思われます。ヴァンムーフのオーナーは今後の情報に注視する必要があります。
関連リンク
Ride the future with our Electric Bikes | VanMoof
モトパリラ カーボン 未来的なデザインを採用したモンスターEバイク
Eバイクのブランドには、かつてはオートバイブランドだったのがEバイクブランドとして復活した所が存在する。イタリアのモトパリラもその1つだ。
モトパリラは、1946年に創業したイタリアのオートバイメーカー。小排気量の高性能オートバイを製造していたことで有名だったが、1967年に終了。2017年にEバイクブランドとして登場した。
その中でもカーボンは、モーターサイクルの世界と自転車の世界をひとつの製品に融合させるのをコンセプトにしたEバイク。車体デザインはサドルとフレームが一体となった未来的なデザインで、26×4.7インチの大径ファットタイヤや、独特のデザインは、従来の自転車やオートバイとは、Eバイクとは逸脱したデザインで、スーパーEバイクと呼べる物の1つだろう。
モノコックカーボンフレームはアルミ補強要素付きで、ブレードフォークも同様にカーボン製でアルミ補強要素が組み込まれている。中央フレームは、固体から加工されたアルミ製部品が組み立てられて構成。スイングアームは、板金と鍛造された溶接部品から成り立っている。
こちらの製品はサイズ別に設定されている。Lサイズは身長185-200cm、股下長92-100 cm向け。Mサイズは身長170-185cm、股下長82-92 cm向け。Sサイズは身長160-170 cm、股下長74-82 cm向け。
VeeRubberの26″x4.7インチタイヤが採用されており、フロントハブとリアハブは、Moto Parillaによって開発された固体から加工されたアルミ部品で構成、リムは、直径80 mmの26インチアルミリム。
フロントブレーキディスクは、Moto Parillaによって開発された熱処理鋼製で、直径380 mm。フロントブレーキディスクホルダーもMoto Parillaによって開発されたビレットアルミ製。リアブレーキディスクは、直径203 mm、6穴の熱処理鋼製で、これもMoto Parillaが開発しているとのこと。
フォークはカーボン棒(ブレード)、並行四辺形レバーシステムで構成されており、ハンドルステムは、Moto Parillaが開発したビレットアルミ製。ハンドルバーは、直径31.8 mm、長さ780 mm、ライズ15 mmのErgotec Low Riser。
サドルは、イタリアで製造された本革製で、開発はMoto Parillaが手掛けた。ペダルはM-Waveのブラックフラットフリーライドペダルで、スチールピンと加工アルミボディが特徴。クランクセットは、170mmブラケットと48歯チェーンリングを持つBafang製。
モーターはBafang MMG.320.48Vで、最大速度により3つのバージョンがある。ディスプレイはMoto Parillaブランドの860c、ブレーキはMagura MT4ブレーキシステムまたはMagura MT7ブレーキシステム。トランスミッションは、Enviolo Sportiveの変速機を使用。バッテリーは840 Wh(48V – 17.5 Ah)、充電器は48V – 2Aのものが付属する。価格や日本での展開は不明だ。
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Moto Parilla ebike
観光特化系電動キックボードシェアリングサービス「Route」立命館大学と連携し、鳥取砂丘での実証実験を開始
株式会社Workplaysは、2023年8月1日から鳥取砂丘で電動キックボードシェアリングサービス「Route」の実証実験を開始します。この取り組みは、立命館大学経営学部の徳田昭雄教授と岡部周平教授のゼミとの連携の下行われます。
「Route」は観光特化型の電動キックボードシェアリングサービスで、山陰地方の観光地での使用を想定し、"あなたの旅をもっと自由にする観光インフラをつくる"というミッションのもと2022年11月よりサービスを展開しています。地方観光における移動の問題を解決し、訪れた人々がより多くの場所を訪れやすくなるように支援します。
今回の鳥取砂丘での実証実験では、鳥取砂丘の東側、西側、多鯰ヶ池周辺を周遊する新たな観光インフラとして電動キックボードの導入を行います。鳥取砂丘の広大な敷地内にポート(駐輪場)を設け、観光客が砂丘を周遊するための新たな手段として電動キックボードを活用してもらうことを目指します。
実証実験では、鳥取砂丘周辺での移動の便利さ、地方観光地での導入の影響、観光地での最適な利用価格、安全性やヒヤリハットの発生の有無などを検証します。そして、新たな観光コンテンツとしての電動キックボードの可能性を試します。
この取り組みは立命館大学との共同プロジェクトの一環であり、PBL(課題解決型学習)として、「学生と実務家による新しい価値の共創プロジェクト」と位置づけられています。これにより、電動キックボードがただの移動手段ではなく、より多くの人々が体験したくなる魅力的な移動手段となるように、大学生視点での検証を行うことができます。
鳥取砂丘での実証実験結果を踏まえて、2023年7月1日に施行された改正道路交通法に基づく「特定小型原動機付自転車」としての展開を目指します。同時に、若年層を中心に電動キックボードの正しい理解を深めてもらい、安心して利用してもらえるようにするための啓発活動も計画しています。
関連リンク
Route(ルート)| 山陰の観光型電動キックボードシェアリングサービス (routeride.jp)