デイリーアーカイブ Oct 26, 2024

アップハンドル・スポーツバイクは流行するか?

2016年では、公道仕様ロードバイクと原付の衰退を偶々的中してしまったが、2017年はどういう物が流行するかと考えたら、アップハンドル・スポーツバイクが流行する可能性はあるのではないかと思う。 GIANT Escape RX4はGIZAプロムナードハンドルローライズ+TOGSを装着し、1日300キロ走り、Escape RX3はVenoメトロポイントハンドルバーを装着して、ブルホーンバーでは体験できなかったダートでも安定したハンドリングとハンドル位置に満足している。 最終的にRX3/RX4にこのようなハンドルを装着したのは、手首を拗じらないでハンドルを握ることができるのと、グリップを握る前後方向に自由があるので、その日の体調や気分、道路条件に容易に快適で安全に走ることができるため装着している。 日本ではアップハンドルをスポーツバイクに装着するのは馴染みがないが、ヨーロッパのトレッキングバイク/ライトツーリングバイクでは、ドロップハンドルが絶滅状態なのに対しアップハンドルを採用している。自転車部品ブランドのSATORIのサイトを見ると、様々なハンドルがあるのがわかる。 http://www.satoribike.com/pro.php?m=l&f=2&cid=8   日本では行うことができないが、セミオーダーメイドKOGA SIGNATUREでは、ツーリングモデルのセミオーダーを行うことが出来る。ハンドルバーを選択する時、フラットバーやマルチポジションバーに混じって、アップタイプのトレッキングハンドルのKOGA THE BIRD/KOGA TOURINGがあり、英語でTouring Handlebarと明確に書いてある。 https://www.koga.com/en/koga-signature 最近ではSURLY Troll/OGRE/ECRのようにオフロードツーリングモデルにアップタイプのハンドルみたいなベントしたハンドルを装着する自転車や、マウンテンバイクでオフロードツーリングをするのにアップハンドルを装着する例もある。 http://ja.surlybikes.com/bikes/ogre アップハンドルだけでなく、アップハンドル専用モデル「Rivendell Clemsmith Jr」が日本にも輸入されている。輸入元のBLUE LUGのサイトを見ているとそれなりに売れているみたいで、在庫処分セールを行う可能性は無い雰囲気だ。 https://www.cyclorider.com/archives/16307 アップハンドルの種類 ここでは単純にアップハンドルと言っているが、アップハンドルと言っても様々なのがあり、アップハンドル専用の古典的な自転車に採用されていたクラシックタイプ、ヨーロッパで多く見られるトレッキングバイクタイプ、アメリカのMTBツーリングで見るダートツーリングタイプが存在する。 注目すべきなのはアメリカ系ダートツーリングタイプ。SURLYのMOLOCO BARのように、ダウンヒルポジションやGPSなどを装着する部分が組み合わさったマウンテンバイク用アップハンドルが存在している。Velo OrangeのCasey's Crazy Barや、Jones BikeのH-Barsもダートツーリングタイプに入るだろう。 http://ja.surlybikes.com/parts/handlebars/moloko_bar http://www.jonesbikes.com/h-bars/ https://store.bluelug.com/velo-orange-casey-s-crazy-bar-silver.html アップハンドルの選び方はドロップハンドルやフラットハンドルと比べると非常に難しい理由 フラットバーやドロップハンドルでは、選び方が確立されていて形状もだいたい同じなのに対して、アップハンドルは非競技用部品のため多様な考えで作られている。そのため様々な形状が存在している。自分が気にするのはだいたいこんな感じ。 ハンドル幅 ライズ(どれだけハンドル位置が上がるか) スィープ角度(どれだけハンドルが絞られるのか) ステム装着位置とブレーキレバーの位置 グリップ装着位置の長さ 従来のドロップハンドルやフラットハンドルには無い数値が登場し、従来のスポーツ自転車のポジション設定の感覚が通用しない。自分は日東B302AA、GIZAプロムナードハンドルローライズ、Veno メトロポイントハンドルバーの3つを使ったことがあるが、ハンドルを交換すると走りが激変し同じハンドリングにならない。日東B302AAだと、ステム長を短くしないとハンドリングが安定せず、ステムを短くしてもやや神経質になる。GIZAは落ち着いたハンドリングにマウンテンバイク風味の操作性を持っている。Venoはハンドリングは非常に落ち着いているが、ライズが非常に少なくアップライト感は無いといった感じだった。(装着車種はGIANT Escape RX) また、同じハンドルでも別のジャンルの自転車に装着するとハンドリングが変わる。かつてBianchi Lupo(シクロクロス車)にBeam プロムナードハンドルを装着したら、ハンドリングが過敏で扱いにくかったのに対し、メリダのカラハリ570(26インチMTB)に装着したらハンドリングが安定した。 世界的な例や日本でのショップでの改造を見る限りでは、アップハンドル・スポーツバイクの需要はあるだろう。ただ安易にハンドルを交換しただけではマトモに走れないので、色々な情報や実践を行い開拓しないといけないのが最大の問題だ。  

24インチホイールを採用したファットバイク KHS 4Season ATB300SF

税抜き8万円で買えるモデルが存在するKHSのファットバイク「4Season」シリーズ。そんな4Seasonシリーズの中でも独特なモデルがATB-300SF。通常のファットバイクの車輪径は26インチなのに対し、ATB-300SFは通常のファットバイクよりも車輪径が小さい24インチを採用している。子供用ファットバイクなどで24インチを採用したファットバイクや、小規模なブランドから24インチファットバイクは出ていたらしいが、マスプロダクションで大人用24インチファットバイクが買えるのは貴重だろう。 マウンテンバイクの世界では、26・27.5・29インチと様々な車輪径が存在している。一般的に車輪径が大きいと段差の乗り上げが容易だが、ハンドリングは軽快でなくなる。逆に車輪径が小さいと段差の乗り上げは難しくなるのに対して、ハンドリングは軽快になる。また、車輪径が大きいとフレームを小さくするのが難しくなるらしく、小柄な人が29インチマウンテンバイクに乗る場合は苦労するとのこと。 また、最近のマウンテンバイクは車輪径だけでなくタイヤ幅によって車輪の直径が変わる。右のCharge Cooker Maxiは26インチファットバイク(26×4.0)で、左のGT PANTERAは27.5ミッドファット(27.5×2.8)。車輪径はGT PANTERAのほうが大きいが、写真では実際の車輪径は拮抗しているのがわかる。下のブログ記事によれば、ファットバイクでも最大サイズの26×4.8インチだと、29インチマウンテンバイクよりも車輪径は大きくなるようだ。 http://ysroad.co.jp/shinjuku/2016/01/05/7039 ATB-300SFの24インチファットバイクの利点は、車輪が小さくなるためフレーム形状を小さくしやすくすることが可能で、ハンドリングも軽快になるのではないかと思う。ただ、24インチファットバイクのタイヤは非常に少ない。ファットバイクに限らず24インチ車はホイールやタイヤ関連の部品が少ない問題があるので、この問題を解決しないと普及しないだろう。 http://khsjapan.com/products/atb-300sf/  

700Cロードバイクを650Bホイールを装着しツーリングバイク化する方法(TREK PILOT・SURLY PACER編)

近年流行している車輪サイズといえば650Bがある。今ではマウンテンバイクでは安価なエントリーモデルまで650Bを採用し、最近では一部のグラベルロードやクロスバイクにも採用する動きがある。 グラベルロードなどで650Bを採用するモデルもあるが、オンロード用650Bモデルは非常に少ない。また高価な自転車を購入したくなく、手持ちの自転車で手っ取り早く650Bホイールを体験したい人もいるだろう。 今回紹介するのは、700Cロードバイクに650Bホイールを搭載するという方法。最近流行の650Bホイールを搭載するのを前提としたグラベルロードではなく、従来型のツーリングロードバイクに650Bホイールを装着する方法だ。 TREK PILOT・SURLY PACERに650Bホイールを装着するにはどうすればいいか http://www.bikeman.com/bikeman-blogs/650blog/1773-2007-trek-pilot-21-650b-conversion 写真の自転車はTREK PILOT。写真では650Bホイールに38ミリタイヤ、泥除けを装着しているが、元は700Cのロードバイクだ。 http://www.bikeman.com/bikeman-blogs/650blog/1897-surly-pacer-650b SURLY PACERの650B仕様も発見した。フロントフォークはSURLY PACER純正ではなくボントレガー製のようだ。 TREK PILOT、SURLY PACERの650B仕様は、TEKTRO R-556キャリパーブレーキに交換されている。TEKTRO R-556はアーム長が55mm~73mmと、通常のロードバイクに採用されているキャリパーブレーキ(ショートアーチ、ロングアーチ)よりもアーム長が長い。650B化により700Cよりも車輪のサイズが小さくなったため、ブレーキの位置を下げるために装着したのだと思う。 車体はロードバイク用だがTREK PILOT・SURLY PACERはロングアーチキャリパーブレーキを装着したツーリングモデルとなっている。競技用ロードバイクよりも隙間が大きい形状のため、ショートアーチブレーキを装着した競技用ロードバイクでは650Bホイールを装着するのは難しいのではないかと思う。ただ、SCOTT SPEEDSTER S50に650Bホイールを装着した人もいるらしい http://www.balance-bicycle.com/gallery/scott-speedset-s50-650b-conversion 一番下のリンクは、ロードバイクの650B化が気になる人に650Bコンバージョン化ガイドが書いてあるWebページだ。英語で書いてあるが翻訳ソフトを使えば分かるレベルで書いてあるだろう。 http://www.bikeman.com/bikeman-blogs/650blog/1771-650b-conversion-guidlines