デイリーアーカイブ Apr 22, 2025
SURLYからフロントラック装着を前提とした自転車「PACK RAT」が登場
アメリカの自転車ブランドには非競技用自転車ブランドが多くある。その中でもSURLYは道具性を重視したカラーや機能を搭載し、全車クロモリフレームを採用したブランドだ。
今回SURLYから新しく登場したPACK RATの一番の特徴は、フロントラックを装着するのを前提としたスポーツサイクルということだ。通常のスポーツサイクルではフロントキャリアを装着するのを想定した自転車は無いモデルや、数キロ程度の小さい荷物を積むのを前提としたモデルがほとんどだ。
フロントキャリアに大容量の荷物を積む場合の解決方法の1つに、フレームにフロントキャリアを装着し、前輪の操舵の影響を受けないようにする方法がある。パシュレーのDELI BIKEが良い例だろう。
http://diatechproducts.com/pashley/delibike.html
PACK RATは通常の自転車と同じくフロントフォークにキャリアを装着する方法となっている。フロントフォークの左右合わせて4つあるダボ穴にフロントキャリアを装着する方法のようだ。SURLYのクロスチェックに似たデザインだが、フレームサイズ38~50㎝までは26インチ(タイヤ幅2インチ)、52~58cmまでは650Bホイール(タイヤ幅48ミリ)サイズを採用しており、クロスチェックと同じ自転車ではないようだ。
フロントキャリアは24-PACK RACKが装着可能で完成車には標準装備されるとのこと。フロントキャリアの積載可能重量はなんと13.6kg。一般的なシティサイクルの前かごの積載重量は3~4kg程度なので、PACK RATはシティサイクルの前かごの2倍以上の荷物を積んでも大丈夫のようだ。
フロントキャリアの良さは荷物が見える安心感があり、PACK RATはフロントキャリアの良さを最大限活かした自転車とも言えるだろう。気になるのが限界まで荷物を積んだ時のハンドリングとダブルレッグセンタースタンドの装着の可否。特にダブルレッグセンタースタンドは思い荷物を積んだ時も車体が倒れないため、このような自転車に装着ができるかは非常に重要だ。
http://ride2rock.jp/blog/102106/
JR東日本のサイクルトレイン「B.B.BASE」が凄い所とは何か
東京と房総半島を結ぶサイクルトレイン B.B.BASEが2018年1月6日から運行を開始すると発表した。自転車を分解せず鉄道に積むことができるサイクルトレインは少しずつだが増えている、小規模の私鉄が採用している事例が多いが、JRでもJR四国・宇和海の一部列車でもサイクルルームが登場するなど、良い方向に動いている。乗車は全席旅行商品のため予約が必要だ。
http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/osirase/cycletrain/uwakai_cycleroom.pdf
サイクルトレイン B.B.BASEが凄い部分は、JRの中で本格的なサイクルトレインだということ。自転車を積むのなら多くのサイクルトレインが行っているが、自転車を積むことができる台数は少ないのが殆どだ。例えばJR西日本の観光列車「ラ・マル・ド・ボァ」には自転車積載スペースがあるが、スペースは8台のみで岡山~高松、岡山~琴平、尾道~岡山(上り)では利用できない。今回のB.B.BASEは自転車を99台積載することができる。日本のサイクルトレインの中でも、ここまで多くの自転車を積載できるサイクルトレインは珍しいと思う。
https://www.jr-odekake.net/navi/kankou/lamalledebois/
注意点としてはサイクルラックに積載可能な自転車は制限がある。スペック表を見ると折りたたみ自転車、マウンテンバイク、ママチャリやシティサイクル、電動アシスト自転車の積載はできないと思っていいだろう。期待されている電動アシストスポーツサイクルが普及しても、B.B.BASEには積載できないようだ。この部分は次代B.B.BASEに期待したい。
http://www.jreast.co.jp/chiba/bbbase/
ミニバンタクシーが広がれば自転車生活が広がると思う理由
街中を走っているタクシーといえばセダンタイプが一般的だが、2017年現在、タクシー専用車を販売しているトヨタ・日産にはセダンタイプのタクシー専用車は存在しない。トヨタ・ジャパンタクシー、日産・NV200タクシー共にミニバンタイプのタクシーとなっている。
http://toyota.jp/jpntaxi/
https://biz.nissan.co.jp/SPECIAL/NV200TAXI/
ミニバン型タクシーに近い形と言えばイギリスのロンドンタクシーが有名だろう。トヨタのジャパンタクシーはロンドンタクシーに似た形状だが、乗降性を追求しながら頭部のスペースを広くし、運転席に座ってもボンネットを見えるようにしないといけない・景観に合うように保守的なデザインを採用したので、ワンモーションフォルム(ボンネットとAピラーが続いた形状)はできないのを考えると、ロンドンタクシーに似せないようにするのは難しいだろう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%BC
因みにコンセプトカーとして、ミニバンタクシーを提案した会社がある。イタリアのイタルデザイン社はアルファロメオ・ニューヨークタクシーという次世代タクシーを提案している。
http://www.italdesign.it/project/new-york-taxi/
この時代のイタルデザインは、ミニバンの元祖と言えるコンセプトカー「ランチア・メガガンマ」を発表している。商用車シャーシのワンボックスカーとは違い、2000~2500CCエンジンを搭載した乗用車のランチア・ガンマの屋根を高くし、居住空間を向上したメガガンマは多くの会社の乗用車デザインに影響を与えているだろう。メガガンマに限らず、70~80年代のジウジアーロのコンセプトカーは、コンセプトカーというよりも預言車に近く、4ドアスポーツカー(ランボルギーニ・マルコポーロ、マセラティ・メディチ等)モダンデザインのレーサーレプリカオートバイ(MVアグスタ・2代目350S)、ミニバンタクシー(アルファロメオ・NYCタクシー)などを見ると、この時代のイタルデザイン社はいかに先見の明があるのかがわかると思う。
http://www.italdesign.it/project/megagamma/
ミニバンタクシーが広がれば、自転車生活が広がると思う理由
NV200タクシーやジャパンタクシーが、アルファードやノアなどの従来のミニバンタクシーと違うのは、通常のタクシーとして使用されるのを想定した設計ということだろう。従来のミニバンタクシーは、多人数乗車を目的とした利用に限定した使い方が多く、通常の街中でもあまり見ない。NV200バネットタクシーやジャパンタクシーはセダン型タクシーと同じ使い方を目的としているので、従来のミニバンタクシーよりも普及するだろう。
NV200タクシーはスーツケース4つを縦置きで積むことができ、ジャパンタクシーはスーツケース2つを横置きで積むことが可能なので、輪行袋に入れた自転車を積むことができる可能性は高い。タクシーに輪行袋を積むことができたら、観光や自宅に帰る場合などに役に立つだろう。このようなタクシーが普及したら、サイクリングの可能性が大きく広がるだろう。
NV200タクシーやジャパンタクシーは、車椅子を乗せることができる、室内が広くて楽に乗ることができる、沢山の荷物を積むことができるなどの様々な利点があるため、普及するのは確実だ。通常の日常生活や観光だけでなく自転車生活を送る人にも恩恵を受けることができるだろう。