デイリーアーカイブ Oct 27, 2024

小径折りたたみ自転車は通常のミニベロよりも走りが劣る理由

世の中では、よく折りたたみ機構がついた折りたたみ自転車と、折りたたみ機構がない小径車と走行性能を同じに考えて論じる人がいるが、折りたたみ自転車と小径車の走行性能はまったく違う。 自分は買い物用小径車のAsama Betaを持っている。20インチ7段変速で、フレームデザインはルイガノMV1風で4万円クラスの小径車だ。 自分はAsama Betaで、伊勢神宮、焼津、静岡を走ったことがあり、1日80-100キロを走ったことがあるがギア比が低いのと乗り心地が硬いぐらいで、特に不満はなかった。 一方、折りたたみ自転車のLunk N8は、幕張からサイクリングロードを経由して銚子に行く約100キロのコースを走り、次の日に霞ヶ浦を走る計画を立てたことがある。 この時、ゴール地点の銚子まで残り30キロほどで走るのが嫌になり、霞ヶ浦を走る気が起きず電車で浜松町まで戻り、伊豆大島を走ることにした。 4万円クラスの小径車は7万円クラスの小径折りたたみ自転車より走りが良いという事例だが、なぜこのようなことが起こったのか。 折りたたみ自転車のLink N8の場合、元気がある時は走りが良いと思ったのに対して、元気がない時はペダルを踏んでも走らなく感じ力が逃げているようにも思えた。恐らくフレームの設計なのではないかと思う。 https://www.cyclorider.com/archives/17965 いくら、今の折りたたみ自転車が良いと言われていても、折りたたみ機構をつけないといけない折りたたみ自転車は、折りたたみ機構で重量が増したり、剛性が下がる恐れを考えたら、走りを重視するのならできるだけ試乗したり、折りたたみ自転車を買うのはやめたほうがいい。 ただ、折りたたみ自転車は折りたたみ機構があるおかげで、行動範囲が広がる。折りたたみ自転車は車載や輪行がしやすいため、よくできた折りたたみ自転車は日常生活や旅行などで役に立つ。これがあるから自分は折りたたみ自転車を持っているのだ。

折りたたみ自転車に軽量シートポストを付けると曲がる事例があるようだ

折りたたみ自転車は、折りたたみ機構を備えるため通常の自転車ではあまり見ない部分に高負荷が加わる場合がある。 一般的な折りたたみ自転車のシートポストは、通常の自転車よりも長い。小さく折りたたむためフレームが小さくなるので、長いシートポストを装着しないといけないからだ。 そのため必然的にシートポストが長く、シートポストの重量も重くなるため、軽量な社外品のシートポストに交換する人も居る。しかし軽量な社外品シートポストに交換したらシートポストが曲がる事例があるようだ。 最初は、LiteproブランドのDAHONシートポストを装着して早々に曲がり、FF-Rブランドのシートポストの耐久テストや、DAHON純正のシートポスト、社外品のLitepro・FF-Rのシートポストについて考察している。 http://hashirin.com/archives/1704664.html DAHON以外の事例としては、Bromptonに社外品のアルミ製シートポストを装着し、曲がりや折れが発生。純正スチール製シートポストに交換した例もある。 http://bicitermini.com/b/2017/01/06/14174/ 個人的に気になったのがBromptonに社外品シートポストを入れるということ。Bromptonは、DAHON等の折り畳み自転車と比較するとシートクランプ部分の位置が低く、他の折りたたみ自転車よりもシートポストの突き出しが長くなる。 そしてシートポスト径が他の折りたたみ自転車とあまり変わらないため、テコの原理で考えれば普通の折りたたみ自転車よりもシートポストに高負荷が加わるのは否定できない。因みにBromptonの純正シートポストはスチール製で素材的にアルミよりも強度が高いのが特徴となっている。一部にチタン素材を採用した、限定のスーパーライトモデルですらスチール製シートポストを採用しているようだ。 社外品の折りたたみ自転車用の軽量なシートポストは、モノによっては曲がりやすいと考えたほうが良いと思う。折りたたみ自転車のシートポストは純正でも高価なため、社外品に交換しても取っておいたほうが良いだろう。自分も折りたたみ自転車のTern Link N8を持っているがシートポストの交換はしないつもりだ。

ロードバイクにアップハンドルをつけるという変な自転車が生まれる理由

自転車カスタムの中でも理解不能なカスタムの一つはアップハンドルを装着したロードバイクだ。 引用:http://ratio-c.jp/neocot Ratio and CのN7は、ロードバイクに無理やりアップハンドルを搭載した自転車だが、ドロップハンドルの装着を前提としたロードバイクにアップハンドルを搭載してもマトモな自転車はできない。 https://www.cyclorider.com/archives/17705 上記の記事にあるRivendell Clem Smith Jrのように本物のアップハンドルの自転車は、ロードバイクよりも鷹揚とした車体となっているのがわかるだろう。 自転車やオートバイなど2輪車の世界では、ハンドルは車体設計を決める重要な部品だ。オートバイの世界では、オフロードオートバイはややアップした幅広のハンドルを装着するのに対し、スポーツ走行を楽しむオンロード用オートバイは幅が狭く低めのハンドルを採用する傾向にある。 もっとも、時代によってはオンロード用のオンロードでも、幅広でアップしたハンドルを採用する事例もある。高校生が大型オートバイに乗る1970年の第1次バイクブームではCB750FOURや650W1スペシャルのような大柄なアップハンドルを装着したオンロード用オートバイが流行した時代があった。そのため、幅広のアップハンドルが似合わないオートバイ(ヤマハ・スポーツRX350やXS650等)まで装着するを得なかったとのこと。 https://www.cyclorider.com/archives/14044 70年代にレーサースタイルを標準装備したオートバイは国産車には存在しなく、一部の外国車の特権だった。MVアグスタ350Sが良い例だろう。 引用 MV Agusta 350 S Ipotesi, Classic Italian Motorcycle MVアグスタ350S:某氏の弟が嘗て乗っていたオートバイ。70年代の日本車にはフル装備されて無かったセパレートハンドルやキャストホイール、テールカウルをフル装備している。70年代前半の日本唯一の2サイクルレーサーレプリカ、ヤマハ・RX/DXシリーズよりもレーサー風のスタイルとなっている。新車価格は約30万円とCB500FOURよりも安いため、外車入門用オートバイの扱いだった。 引用:Honda CB 500 Four - Wikipedia アップハンドルを装着した70年代のオンロードバイクだが、コンチネンタルハンドル等の低めのハンドルに交換すると雰囲気が変わり本質が見える。現役時代では高校生・警察・プレスライダー御用達のドリームCB500FOURはアップハンドルが標準装備されているが、写真のように低めのハンドルに交換すると、スポーティなオンロード用オートバイという本質が見えてくる。 ロードバイクにアップハンドルをつけるという変な自転車が生まれるのは何故か ロードバイクにアップハンドルをつけるという変な自転車が生まれるのは、カッコだけしか見ないからだと思う。オートバイで言うのなら、ドコドコと振動が出るバランサーシャフトが無い古典的2気筒エンジン、ハイバックシート、アップハンドルをつければ、どんなオートバイでもハーレーに見えると思っているのと同じだろう。 写真のオートバイはNorton Commando Hi-rider。古典的2気筒エンジン、ハイバックシート、アップハンドルがついているが、誰もがCommando Hi-riderを見てハーレーみたいなアメリカンスタイルのオートバイと思う人はいないだろう。因みにこのCommando Hi-riderは変な改造車に見えるがカタログモデルのようだ。 参考としてアメリカンスタイルのオートバイを挙げてみる。写真のオートバイはHaley Davidson 883。 アップハンドルのロードバイクという謎な自転車が出るのは、恐らくカッコだけ見て似ているようにみえるためだと思う。Norton Commando Hi-riderとHaley Davidson 883では明らかに車体のデザインが違うため容易に区別できる。 しかし、自転車のデザインは区別しにくく似ているように見えるため、本質を無視してハンドルを交換して見た目だけカスタムを行ってしまうのだと思う。特にRivendellのようなアップハンドル車はBlue Lugに立ち寄った時以外は見かけたことが殆どない。 ロードバイクにアップハンドルを付けて、アップライトな姿勢で乗りたいのなら、ドロップハンドルやブルホーンハンドルでアップライトなステムのポジションで乗るのがベスト。それでもアップハンドルを装着したいのならVeno メトロポイントハンドルバーしかないだろう。 https://www.cyclorider.com/archives/17104