デイリーアーカイブ Nov 14, 2024
20万円台の貴重なMTBタイプのE-Bike「NESTO X-VALLEY E6180」をインプレ その実力を検証
モーターとバッテリーの力で、オフロードも楽々と走行できるE-MTB。そんなE-MTBは、従来のマウンテンバイクよりも高価格のモデルが多く、前後にサスペンションを搭載したフルサスE-MTBだと、安いモデルでも40万円を超え、60万円台が一般的と250CCのオートバイと変わらない価格だ。
そんなE-MTBの中で、お手頃価格で購入できるのがNESTO X-VALLEY E6180だ。
NESTOはマルキンやコーダブルームといったブランドを持っている日本の自転車会社「ホダカ」の1ブランド。NESTOには、本格的スポーツモデルで自転車専門店で取り扱うプレミアムモデルと、お手頃価格でホームセンターなど幅広い所で取り扱っているスタンダードモデルの2種類があり、X-VALLEY E6180はスタンダードモデルに入る。価格は29万9000円(税抜)。
30万円以下と本格的なE-MTBではお買い得価格のX-VALLEY E6180。どのようなE-Bikeなのかインプレッションしよう。
NESTO X-VALLEY E6180のコンセプトとは
今回、ホダカのマーケティンググループマネージャーから、X-VALLEY E6180のコンセプトを解説してもらった。ここで紹介しよう。
今回、メインターゲットは「50代以上男性」と設定しています。X-VALLEY E6180は決して競技志向という切り口でとらえておりません。
「マウンテンバイクなどスポーツバイク黎明期に遊んでいた方が年齢を重ね50代となり、時間的にも経済的にも余裕が生まれたことでeバイクに注目している」という実際の購入層のニーズを取引先へのリサーチでつかんだからです。
いい物を購入したいという層、日本ブランドを好む層に向けて魅力的な製品を提供する必要が弊社にはあると考えてeバイク開発を行いました。
また、コンセプトは「孫と一緒に乗れる自転車」を掲げました。MTBタイプを選んだ理由は弊社のマウンテンバイク開発のノウハウを生かせるだけでなく、ターゲットを見据えた際に好適だったからです。
太めタイヤ・サスペンション付きであることで、バイクの安定感や乗り心地を高められます。さらにアシストによって、旺盛な好奇心を持つ大人世代が体力的な不安なくアクティブに体を動かすことができ、ひいては元気な孫と一緒に走ることもできると考えました。
注)NESTOのX-VALLEYシリーズには今回紹介したE-Bikeの他にも、ジュニアMTBのX-VALLEY KIDシリーズがある。
NESTO X VALLEY E6180の車体をチェック
最初に、X-VALLEY E6180のデザインをチェック。近年のE-MTBの主流と言えば、バッテリーを車体に内蔵したインチューブタイプが主流だが、X-VALLEY E6180は、バッテリーを車体外付けにした従来型を採用した。フレームに使われているパイプはNESTOのMTB「TRAIZE」シリーズに使われている物を使用しているとのこと。
近年のE-MTBでは珍しく直線的なデザインで比較的スッキリとしたデザインとなっているが、これは一般的な人力MTB用のパイプに加え、バッテリーのデザインがコンパクトで余分なラインが無いのもあるだろう。
因みに、フレームのダウンチューブよりもバッテリーのほうが幅が広いため、泥がバッテリーにかかりやすいため注意。E-Bikeのバッテリーは防水機能はあるため、機能面で特に問題はないが、汚れを取るのが面倒だろう。
E-Bikeは車体が重いため、スタンドの装着は重要。スタンドに関しては車体にスタンド装着用の穴があるため装着可能だ。
ディスプレイはSC-E6100。クロスバイクなどに使われている大画面タイプのディスプレイ。転倒などによる破損の可能性が高いE-MTBでは、SC-E7000といった小型ディスプレイを装着する場合が多い。カジュアルライド向けのX-VALLEY E6180では、ディスプレイが大きくて見やすいSC-E6100のほうがベストかもしれない。
ドライブユニットはShimano STEPS E6180。日本市場のShimano STEPSではミドルグレードにあたり、定格出力250W、最大トルク60Nmを発揮する。ホイール径は27.5インチでリムはチューブ無しで運用できるチューブレスレディリムを採用。タイヤ幅は2.8インチと太いプラス規格。ハブは前後ともブースト規格となっている。
舗装路からトレイルライドまでテストを実施
今回、X-VALLEY E6180は舗装路からトレイルまで幅広い所を走ることにした。
舗装路ではE-MTBらしく、モーターアシストを積極的に使って、走ることになる。この価格帯のE-MTBでは、Bosch Performance Line CX(定格出力250W、最大トルク85Nm)やShimano STEPS E8080(定格出力250W、最大トルク70Nm)といった高トルクユニットを搭載していないが、スペックの割に加速感が良い。
スペックを見た限りでは、このようなE-MTBではもっと重ったるい加速をすると思うので意外だった。また、乗り心地も安くて硬いタイヤにある跳ねるような感覚も無い。
加速感や乗り心地が良い理由はタイヤだろう。NESTOは他社の自転車と比較して高いタイヤを装着しているモデルが多い。X-VALLEY E6180には、MAXXIS IKON+ 27.5x2.8と定価1万円のタイヤを装着しており、この価格帯のE-Bikeでは非常に良いタイヤを装着している。
ちょっとした林道を走る場合、2.8インチと太いタイヤのグリップ力のお陰でリラックスして走行できる。2.8インチのセミファットタイヤは、このような道では過剰に感じるかもしれないが、過剰なゆとりは様々な所で安心感に繋がる。
そして、E-MTBライドの楽しみであるトレイルだ。登山靴で普通に歩くとずり落ちる程度の少しぬかるんだ上り坂は、MAXXIS IKON+タイヤのグリップ力で、上りきれる確率が高い。この道はハードテールE-MTBでは、上るのが難しいがタイヤのグリップ力で助けられている。
カーブを曲がる感覚は、外付けバッテリータイプのE-MTBではきちんとカーブを曲がることができる。2017年から2018年に登場した、400Wh以上の大容量外付け式バッテリーを採用したハードテールE-MTBにあったトラックでカーブを曲がるようなハンドリングは無い。
あの時代のハードテールE-MTBの多くは、サイクルツーリズムレベルの筆者でも、下りは乗ってきたE-MTBを投げ捨てて人力MTBで下りたいと思うほどのハンドリングだったが、NESTO X-VALLEY E6180に関しては、そのような感覚は無いのが嬉しかった。但し、現在主流のフレーム内蔵式バッテリー(インチューブタイプ)のほうが、倒し込みやすいのは言うまでもない。
X-VALLEY E6180が外付けバッテリーを採用しつつカーブが曲がりやすいのは、バッテリーが417Whと小型なのと、バッテリー位置を車体中心部近くに装着しているのもあるだろう。
搭載されているドライブユニット「STEPS E6180」。定格出力250W、最大トルク60Nm。オフロードライドを行うには、パワー、トルクは最低限必要なレベルだ。
30万円台後半のE-MTBに搭載されているShimano STEPS E8080(定格出力250W、最大トルク70Nm)よりもパワー、トルクは少なく、オフロードでも安定して可変アシストを行う「eMTBモード」を搭載したBosch Performance Line CX(定格出力250W、最大トルク85Nm)等と比べてはいけないが、E-MTBらしい、モーターパワーを多用したトレイルライドを行うことはできる。
サスペンションはSR SUNTOUR XCM32 100ミリトラベル。SR SUNTOUR製サスペンションの中でも、XCMはカジュアルMTB用で、木の根を超える時などではサスペンションがしなる。このあたりは価格なりと言った所。ジャンプや木の根をのり超えるような本格的なE-MTBトレイルライドを行うのなら、別のE-MTBが良いだろう。
20万円クラスのE-MTBなら購入選択肢に入るNESTO X-VALLEY E6180
E-MTBの世界は、人力MTBよりも車体が重くパワフルな走りを楽しむため、従来の人力MTBと比較して太いタイヤや剛性が高い部品を採用するのが一般的だ。
しかし、20万円台のE-MTBは、コストの関係で人力MTBの感覚でパーツチョイスを行っている事が多く、剛性不足による不安間、タイヤが細すぎてぬかるみでリアタイヤが滑る、後々のチューンナップで障壁になることが多かった。
NESTO X-VALLEY E6180は、いま主流の剛性が高いブースト規格、太いタイヤでグリップが高く滑りにくいセミファットタイヤと、20万円台のE-MTBの基本を抑えている。また、外付け式バッテリーでありながら、きちんと自然にカーブを曲がれる性能をもっているのも良い。
但し、NESTO X-VALLEY E6180は、これ以上、走行性能を上げられる伸び代は少ない。
まず、X-VALLEY E6180の走行性能は、標準装備されているMAXXIS...
ベネリの折りたたみE-Bike「ZERO N2.0シリーズ」に新色が登場 アウトドアイメージのサンドベージュとシティ向けのスモークブルーを用意
プロトは10月29日、Benelliの折りたたみ自転車タイプのE-Bike「ZERO N2.0シリーズ」に、新色が登場した。
ZERO N2.0シリーズは、20インチの折りたたみ自転車タイプのE-Bike。車体は一般的なフレーム横折れ式を採用し、バッテリーは荷台に装備されているのが特徴だ。
ZERO N2.0FATは、2.4インチ幅のブロックタイヤを採用したモデル。太めでゴツゴツしたタイヤは、オフロード風の雰囲気を持っている。今回、新たにアウトドアイメージがある新色「サンドベージュ」が登場した。価格は15万8000円(税抜、以下同)。
フレーム:BENELLI ALUMINUM 6061
フロントフォーク:BENELLI ALUMINUM リジッドフォーク
重量:19kg
ブレーキ:TEKTRO MD-M300 機械式DISK(160mm・160mm)
ギア(前):BENELLI 52T
ギア(後):SHIMANO TOURNEY 外装7段変速
フロントホイール:BENELLI MD SM 20リム
リアホイール:BENELLI MD SM 20+インホイールモーター
タイヤ:チェンシン(CST) 20×2.4
ドライブユニット:BAFANG リアインホイールモーター(定格出力 250W、最大トルク不明)
アシスト方式:リアインホイールモーター
バッテリー:36V 7.8Ah
充電時間:約4~6時間
アシストモード:4段階
航続距離:最長65km
ZERO N2.0は、Benelli ZERO N2.0FATのタイヤ幅を1.75インチと細くし、新たに泥除けを装備したコミュータータイプ。新たに新色でスモークブルーが登場した。価格は14万8000円。
フレーム:BENELLI ALUMINUM 6061
フロントフォーク:BENELLI ALUMINUM リジッドフォーク
重量:18.5kg
ブレーキ:TEKTRO...
FANTICからファットタイヤのE-Bike「FAT INTEGRA」が登場 販売店も公開
サインハウスは11月6日、FANTIC製E-Bikeの日本販売店を公開した。また、それに合わせてファットタイヤのE-Bike「FAT INTEGRA」の販売も開始した。
FANTICは1968年に創業したイタリアのオートバイメーカー。1975年にはファクトリーチームを結成し、モトクロスレースやトライアルレースにも参戦を行い、ヨーロッパにその名を轟かせた事でも知られている。2015年からE-Bike のラインナップを行い、2018 年には、ヨーロッパのEマウンテンバイク誌「E-MOUNTAINBIKE」でデザイン・イノベーションアワード2018を獲得した。
日本では、公道走行不可の欧州仕様のE-MTB「XF1 INTEGRA」シリーズと、公道走行可能の「ISSIMO」シリーズを展開している。公道走行不可のE-MTBは、斜度のある山道を軽々登って行くことが可能になることから、全国のコース運営会社、スキー場等のリゾート観光業各所からの試乗申込やプロショップ契約を結ぶ販売店が拡大しているとのこと。
新たに登場したファットタイヤのE-MTB「FAT INTEGRA」は欧州仕様のファットタイヤのE-MTBで日本での公道は不可。本国のスペックでは、定格出力250W、最大トルク90Nmの「Brose S」ドライブユニットを搭載し、630Whの大容量バッテリーを搭載した。車体はアルミフレームに、ファットバイク用のRock Shox Blutoフロントフォークを採用。コンポーネントはSRAM SX Eagleで価格は50万円(税抜)。
FAT INTEGRAの情報公開に合わせて、FANTIC E-Bikeの販売店リストも公開された。
関連リンク
FANTIC E-Bike