デイリーアーカイブ Apr 20, 2025

自転車の新たな可能性が見える電動アシスト3輪セミリカンベント TOYODA TRIKE

Velo Tokyo 2016のWebサイトでTOYODA TRIKEという自転車ブランドが出展するとあった。TOYODA TRIKEは新たなモビリティを作ると言われているコンセプトモデルを出展・するとWebに掲載していたTOYODA TRIKE。どういう自転車なのか、二子玉川に行ってTOYODA TRIKEを見てきた。 TOYODA TRIKEは前2輪・後ろ1輪の電動アシストセミリカンベントとなっている。トレッドが狭い前2輪と珍しい構造を採用しているが、前2輪機構以外も従来の自転車では無い設計を採用している電動アシスト自転車となっている。今回はTOYODA TRIKEを見たり試乗した感想を書いてみたい。 前2輪連動サスペンションフォークシステムという機構 トレッドが狭い前2輪の3輪車で有名なのはスクーターだろう。日本ではヤマハ・トリシティ、海外ではピアジオ・MP3、ジレラ・FUOCO、アディバ・AD TRE、プジョー・METROPOLIS(日本未発売)で前2輪機構を採用している。 LMWテクノロジー実証テスト - バイク・スクーター・ LMW | ヤマハ発動機株式会社では、前2輪にしたことにより、グリップ力が上がり安定性が上がる、前2輪のため1輪が滑りそうになっても、別の1輪がグリップする安定性の高さを特徴としている。 TOYODA TRIKEは前2輪がチェーンを介して連動するサスペンションシステムを搭載している。片方の車輪などが段差を捉えたとき、他方の車輪を押し下げる力が直ちに働いて両輪が常に均一に路面を捉えるとのこと。バンクするだけの前2輪システムというわけではないようだ。 ボルトオン方式のサブフレームを採用 フレームには自転車では珍しいボルトオン方式のサブフレームを採用している。これはフロントヘッド周辺部分、シートポスト周辺の白色のフレーム部分がボルトオンされている。このため用途に応じて変更ができるとのことだ。 Webサイトには書いていないが、注目する部分としてアシストユニットと車体を繋ぐアダプターもボルトオン方式を採用していることだ。その理由は後に解説する。 自動車のような直進安定性 独創的なスタイリングが気になり真っ先に試乗した(恐らく一番最初に試乗した)。Velo Tokyoのコースは狭く、直進安定性しか体験できなかったが、自動車のような直進安定性を感じた。ハンドルを握る時の感覚が、今までの自転車に乗ったことがないくらいリラックスしていてるのがわかり驚いた。個人的には一般公道で乗ってみたい。 海外展開は容易な可能性が高い理由 アシストユニットは、ディスプレイ等を見る限りヤマハ・PASシリーズを採用している。PASシリーズの電動アシストユニットは日本国内向けの物だが、TOYODA TRIKEはアシストユニットと車体を繋ぐアダプターにボルトオン方式を採用している。 このため、アシストユニットを搭載するスペースに入れることができれば、他会社のアシストユニットを比較的簡単に搭載することができるのでは無いかと思う。ヤマハ・PWシリーズやSHIMANO・STEPS等の海外用のアシストユニットを搭載できれば、海外展開は容易な可能性が高い。 海外展開について書いているのは、車体価格が高価なためなのもある。話を聞くと車体価格は30万円に抑えたいと言っていた。A2B Hybrid 24が税抜価格29万円するのを考えれば、世界的にも類を見ない独創的な電動アシスト自転車が30万円で買えるのは安い。 電動モペッドのようなユーロ系電動アシスト自転車 A2B Hybrid24を試乗してみた しかし日本国内では30万円の電動アシスト自転車を買う層は少ないだろう。このような高価な電動アシスト自転車が多く売れるのはヨーロッパ市場ぐらいなのではないかと思う。海外用のアシストユニットを搭載し海外で売るのは絶対考えないといけないだろう。 サドルの背もたれは個人的には別体式のほうが良いと感じた理由 TOYODA TRIKEのサドルは専用品で小さい背もたれが付いている。背もたれが小さいため、バックパックを装着していても乗ることができ、小さい背もたれでも安心感がある。ただ、背もたれ付きサドルは、サドルに不満を感じた時に他のサドルに交換するのができなくなる。個人的な意見としては、サドルと背もたれは別体式にすればサドルの選択肢が幅広くなると思う。但し背もたれを別体式にするとコストがかかる問題がある。 自転車を支える取っ手が欲しい 原付スクーターには駐輪時にスタンドをかけるために車体に取っ手があるが、自転車は車体が軽いためそのような取っ手は必要ではないことが多い。TOYODA TRIKEは車体が重いため、駐輪時に車体を出すなどを行う時、持ち上げるのが難しいため取っ手が欲しい。 屋根付き自転車のベース車両として理想的な自転車と思う理由 乗車姿勢が低いリカンベントは屋根を装着するモデルがある。日本ではかつて存在したTartaruga Type-Rがキャノピーシステムをオプションで存在していた。 屋根を装着すると、必然的に重心が上がり不安定になると思われるが、前2輪機構のため屋根付きによる不安定な問題も解消されるのでは無いかと思う。 電動アシスト3輪セミリカンベントのTOYODA TRIKEは、ただの面白い自転車ではなくて新たな可能性を持ったモビリティだと自分は感じた。一般公道で試乗できる機会があるのなら真っ先に行くつもりだ。 未来へ踏み出す新しいモビリティ 豊田TRIKE株式会社 https://www.cyclorider.com/archives/24167

折り畳み自転車の部品をスチール化して耐久性を上げる方法がある

一般的に折りたたみ自転車に採用される部品は、安価なモデルでは重いスチール製を採用し高級モデルになればなるほど、軽量なアルミ製の部品を採用している。 折りたたみ自転車は折りたたんで持ち運びを行うため、アルミ製部品等の軽量な部品を採用しているモデルほどありがたられる一方で意図的にスチール製の部品に変更するユーザーもいるようだ。 折り畳み自転車にはスチールパーツが、、、: Theっ学健究所!壱元亭 上記のブログの内容を書いている人は、西DAHON(DAHON SPEED P8タイプ改)、スピママGTR(DAHON SPEED P8改)、パナソニック・ビーンズハウス改、ルイガノMVF、オモイヨWW(パナソニック・レマイヨW改)、トーエイ・ランドナー、BSユーラシアスポルティーフ、オールメッキフレームロードバイク、ステンレスフレームロードバイク、片倉シルク・ピストR1-R、GT Finale(フラットランドBMX)と多種多様な自転車を持っていて、さらに多くのオートバイも所有している。 参考:http://replica2st.la.coocan.jp/Motorcycle/MotorCycle.htm ブログの内容を見ていると、街乗り用のDAHONはステム・シートポストを敢えてスチールパーツに交換しているとのこと。理由はアルミパーツだと可動部分の摩耗が進んでしまい、ガタツキが進行したり、ポスト径が痩せて締まらなくなるとのこと。 DAHON系の折りたたみ自転車は、折りたたむ時にステムやシートポストを動かす必要がある。アルミ素材はスチール素材と比べると柔らかいため、摩耗しやすいのも理解できる。 折りたたみ自転車の部品をスチールパーツを使用して摩耗を減らす方法は、DAHON系統の自転車だからこそできる芸当だと思う。他の量産折りたたみ自転車はスチールパーツを採用しているモデルの多くはできの悪い車体が殆どで、高価なモデルになるとスチールパーツを採用していないのが殆どになるからだ。個人的に気になるのはスチール部品が摩耗に強いのなら、フレームもスチール製のほうが折りたたみ時の摩耗に強いのではないのではという仮説も生まれてくる。

Tern Link N8の直進安定性が予想以上に高い理由を考えてみる

Tern Link N8に乗り、早速輪行旅をしてきた。 今回の輪行旅で初めてTern Link N8を長時間走らせたが、一番驚いたのが小径折りたたみ自転車としては安定性が高いということ。 小径自転車としては、ハンドルの動きに対して過敏に動く感覚が少ない。勿論大径車と比較すると大径車のほうが良いが、予想以上に直進安定性が高いので驚いた。 個人的には街乗り用小径車として使用しているAsama Betaよりも安定性が高い。Link N8に乗った後はBD-1スタンダードフレームはもう乗りたくないと思うほど。 前にDAHON・OEMモデルのCBAナクレに乗ったことがあるが、Link N8ほど安定しているわけでは無かった。そこでLink N8の安定性が高い理由を考えてみた。 安定性が高い一番の理由はフロントフォークか? Link N8はDAHON系統の折りたたみ自転車となっている。DAHON系統の折りたたみ自転車はステムの突き出しは無いのが特徴となっている。 殆どの自転車にはステムの突き出しがあり、ステムの突き出しが短くなるとステアリングの切れ角が大きいと言われている。 そのようなことを考えると、ステムの突き出しが無いDAHON系統の折りたたみ自転車のハンドリングは最悪の部類に入るはずだが、Link N8は小径折りたたみ自転車としてはフラつきにくく比較的安定しているハンドリングとなっている。 身長が高いのでやや前傾姿勢で乗れるので前輪に荷重がかかりやすい等の要因を考えたが、乗車姿勢ならDAHON OEMのナクレでも同じような乗車姿勢だった。   Link N8の写真を見て気づいたのががフロントフォーク。 参考:自転車のジオメトリー ~フォークオフセット&トレイル長~ | 京都の中古自転車・新車販売 サイクルショップ エイリン フォークオフセットが大きいと直進安定性が高いと言われている。 Link N8のフロントフォークを見た限りでは、フォークオフセットが通常の自転車よりも大きいように見える。 これは、Link N8だけでなく、DAHON・Tern等の一部の折りたたみ自転車でも、フォークオフセットが大きいフロントフォークを搭載した自転車を見ることが出来る。 出典:自転車屋徒然日記 DAHON IMPULSE D6 参考写真のDAHON IMPULSE(2015)。殆どの折りたたみ自転車のフォークオフセットの参考として。Link N8と比較するとフォークオフセットは少ないように見える。 直進安定性が高い折りたたみ自転車が欲しいのなら、Link N8のようにフォークオフセットが大きい自転車を選ぶのがベストだろう。 しかし折りたたみ自転車はフォークオフセットなどの具体的な数値は書かないのが一般的なので比較するのが難しい状況となっている。