デイリーアーカイブ Jan 13, 2025
【未発売車種】ブリヂストン・プロトタイプ3輪自転車を試乗した感想
2018年4月25日、東京都小平市にあるブリヂストン技術センター・Today館で、開発中の新型三輪車に試乗するイベントに参加した。今回のイベントは、開発者の解説・ブリヂストン技術センター・Today館の駐車場をコースにして2週するタイムトライアルや試乗が行われた。今回、この新型三輪車がどういう自転車なのか解説していきたい。
ブリヂストン・プロトタイプ3輪自転車はどういう自転車か?
ブリヂストン・プロトタイプ3輪自転車は、左右スイング式の前2輪セミリカンベントの設計を採用した自転車だ。前2輪はサスペンションが無いリジッドとなっている。今回の3輪自転車の試乗イベントでは、直線での試乗、特設コースを2週するタイムトライアル、空いている場所で初期モデルの試乗を行うことができた。
自分はリカンベントを購入した経験はなく、試乗したリカンベントは自転車は豊田トライクとTartaruga Type-Fの2種類しかないのを考慮してほしいが、試乗した感想は、「直線をまともに走るのすら難しい」と思った。プロトタイプ3輪自転車を試乗した人を見ると、乗りこなせない人と乗りこなせる人に分かれていたが、開発関係者によると自転車に乗り慣れている人ほど乗りにくく、逆に自転車に乗っていない人は乗りこなしているとのこと。因みに、今回試乗したプロトタイプ3輪自転車は、意図的に乗りにくくセッティングしたと言っており、とある開発関係者の1人は「あの状態では自分も乗りこなせない」と語っていた。個人的には、乗りやすくした仕様にも乗ってみたかった。
素人ながら、乗りにくいと思った理由は3つある。前2輪がサスペンションが無いリジット仕様となっており、路面が僅かに斜めになっていると、反応してハンドルがとられそうになる問題が1つ。サドルが車体と連動して左右スイング式となっていて、ハンドルが取られると車体も斜めに傾くが、体も一緒に傾くため車体をまっすぐに戻そうとして、ハンドルに頼ろうとするが真っ直ぐに戻らないのが2つ。車体がどこまで傾かせると倒れるのかわからないため、挙動に敏感になりすぎてまっすぐ走るのが難しいのが3つ目だ。
開発者いわく、コーナーを曲がる時はリーンアウト(自転車の傾きに対して上半身をアウト側にずらす姿勢)ぎみにして曲がるのがコツと語っていたが、プロトタイプ3輪自転車のように、前に脚を伸ばした乗車姿勢は、サドルにしっかりと座って運転する乗り物と体に染み込んでいたため、リーンアウトを意識して運転しようとしても運転できなかった。
素人ながら改善を考えるのなら、車体が斜めになっても車体が中心に戻りやすい機構を採用するのがいいのではないかとおもう。例えば、ドライブトレインとサドル部は傾かせない設計にしてステアリングユニット周辺を傾かせるとか、スイングユニットに車体が傾いても戻りやすい機構を搭載するのがベストだと思う。
プロトタイプ3輪自転車と豊田トライクとの違いは?
ブリヂストンのプロトタイプ3輪自転車を見て、真っ先に思い浮かぶのが豊田トライクだろう。今回のイベントで複数の開発関係者と話すと豊田トライクは全員が知っており、開発の参考として試乗したと語っていた。どうやら様々な3輪自転車に試乗し、敢えて他社と被らない機構にしたとのことだ。
https://www.cyclorider.com/archives/21024
今回の試乗ではブリヂストンのプロトタイプ3輪自転車と豊田トライクを比較しようと思ったが、ブリヂストンのプロトタイプ3輪自転車は現時点では市販化は不明。市販化目前の豊田トライクとは比較できないため、ブリヂストンのプロトタイプ3輪自転車が様々な欠点を解決した場合と仮定して豊田トライクと比較してみる。
豊田トライクとプロトタイプ3輪自転車の大きな違いは前2輪機構だと思う。豊田トライクは自立せず停車時に足をつく必要があり、通常の自転車の乗りやすさにプラスして積載性などを加えた3輪自転車だ。一方、プロトタイプ3輪自転車は自立して停車時は足をつく必要が無いという特徴を持っている。
プロトタイプ3輪自転車が目指す所は、次期型のミンナでは無いかと思う。ミンナとは、ブリヂストンの前2輪型3輪自転車で、誰でもあんしん自転車というキャッチコピーで売られていて、自転車が運転できない人のための自転車として知られている。ミンナの商品紹介サイトでは警告が載っており、ミンナは時速は5km以下の低速での利用を推奨している。時速5kmでは歩きよりは少しマシなレベルだ。せめて時速10km以上出すことができれば良いのではないかと思う。
今回のイベントで一番凄いのは、一般客にプロトタイプの自転車を試乗させたことだと思う。市販化が不明瞭な乗り物を公開して一般ユーザーに試乗するイベントは事故のリスクが高い。実際に関係者と話した所一部の人から事故の危険性などで反対意見があったとのこと。今回のイベントでは事故が無く好評の内に終わったので、今後もこのようなイベントを行ってほしい。
低価格サイクルウェアブランド Saitoimportのすべて
一昔前はサイクリングウェアと言えば、高価なブランド物のサイクリングウェアしか無かったが、今ではAmazonを中心に低価格のサイクルウェアが沢山売られている。様々なブランドから安価なサイクリング用ウェアが売られているが、その中でも個人的に信頼しているのがSaitoimportだ。なぜ、SaitoImportを信頼しているのかと言うと、商品解説がきちんと書いてあるのと、実績があるからだ。
SaitoimportのサイクルウェアはAmazonか楽天市場で購入することができる。Saitoimportの公式Webサイトによると、Amazonでの販売がメインになっているとのこと。アマゾンプライム会員の場合、お急ぎ便が無料なのでAmazon経由で購入するのがベストだろう。
(楽天でサイトウインポートの商品を見る)
春夏用サイクリングウェア
SaitoImportの春夏用サイクリングウェアは比較的低価格で購入することができる。長袖サイクルジャージの場合は税込み2,980円(2018年4月27日現在)と、気軽に購入することが可能だ。サイクルウェアのカラーリングは単色のシンプルなのが特徴で、サイクルジャージの場合は黒・ネイビー・ライトグレーと比較的地味な色から、赤・ブルー(水色に近い)・オレンジ等明るい色まで様々な色がラインナップされている。サイクリングタイツは黒のみとなっている。
サイクルジャージ(長袖・半袖・袖なし)
春夏用の薄手の生地を採用した、3,000円以下で購入することができる低価格のサイクルジャージ。有名ブランドみたいに高機能なのは無いが、フルオープンファスナーや背中に3つのポケットが装着されており、裾にはシリコンの滑り止めが付いているなど、基本的な機能は装備されている。日本サイズのセミリラックスフィットとのことで、レース用サイクルジャージのようにピッタリとしたジャージが欲しい場合は、ワンサイズ小さめの物を選ぶのが良いとのことだ。
バッド付きメッシュインナーパンツ
ストレッチ素材を採用したズボンの下に履くタイプのサイクリング用インナーパンツ。GEL入りパッドを採用しており衝撃吸収性能が高いのが特徴で、パッドの厚みに関しては厚めの意見が多いようだ。
3Dパッドサイクリングタイツ春夏用
足首までカバーするロングタイプのレーサーパンツ。春夏用の薄手生地を採用しているため普通のレーサーパンツに近いタイプだ。レーサーパンツに装着されているパッドはゲル入りやや厚めの3Dパッドが付いている。他のSaitoimportのサイクルウェアと同じように、ややゆとりがある設計となっており、きつめのレース仕様が欲しい場合は小さめのサイズが良いとのこと。
パッド付きサイクリンググローブ
パッド入りの半指タイプのサイクリンググローブ。手のひらの部分には低反発タイプのパッドが付いている。GELパッドタイプと比較するとパッドは薄いとのことで、GELパッドタイプのサイクリング用グローブを愛用している人は、注意が必要だろう。カラーは赤・青・グレーの3色がラインナップされている。
秋冬用サイクリングウェア
春夏用のサイクリングウェアは、比較的条件が緩いため低価格品でも満足できる場合が多い。しかし、秋冬用のサイクリングウェアに関しては、防寒性能の差があるため有名サイクルウェアブランドの物と比較すると劣る。かつて、SaitoImportのウインドブレークジャケットと、パールイズミのウインドブレークジャケットを比較したことがある。防寒性能に関してはパールイズミのウインドブレークジャケットのほうが上だと実感した。しかし、パールイズミ等の有名ブランドの冬用サイクリングウェアは高価なため、試しにSaitoImportの冬用サイクリングウェアを購入して、何かしらの防寒対策をプラスすれば一般的な冬の寒さは乗り切れる事は多い。
https://www.cyclorider.com/archives/16942
冬用ウインドブレークサイクルジャケット
風が当たる前面に防風素材を採用したウインドブレーク素材を採用し、背中側は湿気を逃がすために通気性がある素材を採用して体の熱を外に逃がす構造となっているサイクリングジャケット。裏地は裏起毛素材を採用している。ブランド物のサイクリングジャケットと比較すると、ウインドブレーク素材がややゴワゴワしており、背中全面に通気性が高い素材を採用しているが、有名ブランドのウインドブレークジャケットと比較すると低価格で購入できるので、試しにウインドブレークジャケットを体験するのはベストだろう。寒いと思ったら、ウインドブレーカーを羽織る等の対策をすればいいだろう。
裏起毛サイクリングジャケット
裏起毛生地を使用した秋冬用のサイクルジャケット。SaitoImportの説明文によると適応気温は10度前後から15度とのことで、ウインドブレークジャケットを使用するにはやや暖かい気候で使う場合はベストと思われる。SaitoImportの冬用サイクルウェアは黒やグレー等の地味な色しかないが、裏起毛サイクリングジャケットは、明るい白1色のみとなっている。
ウィンドブレーク3Dパッドタイツ
ウインドブレークジャケットと同じように、風の当たる前面には防風素材を採用し冷気の侵入を防ぎ、後方は通気性のあるフリース素材を採用することで、熱気を外に逃がす構造となっている。ストレッチ素材を採用しておりで動きやすく、裏地は保温性を高めるためにフリースを採用している。パットはゲル素材入りの3Dパッドを採用。カラーリングは4色あるが、ラインの色が変わるだけで基本的には黒色と考えるのが良いだろう。
日本のモビリティを変える3輪電動アシスト自転車 T-TRIKE(豊田トライク)を評価する【E-bikeインプレッション】
近年の電動アシスト自転車業界では、多くの会社がスポーツモデルを中心に力を入れているが、一部の企業では実用性を重視した電動アシスト自転車に力を入れている所が存在する。前2輪電動アシスト自転車を製造する豊田トライクも其内の1つ。安定性と積載性の高さを売りにした豊田トライクは、発売前から様々な事業所から引く手あまたとのこと。
この豊田トライクは、静岡県の下田でシェアサイクル用の自転車として一般ユーザーでも乗車することができる。今回、下田にある豊田トライクに乗車したインプレッションをまとめてみた。
取り回しは重量を考えるとあまり良くない場合もある理由
豊田トライクの全長・全幅は一般的な電動アシスト自転車と変わらず、車体重量は30kgと多少重い程度。
ハンドルを握った状態での押し歩きは、前2輪機構のおかげで安定性が高いため、押した状態は比較的安定してに移動できるが、ハンドルやサドルを握った状態で車体を持ち上げることは難しい。そのため、車体を持ち上げたい場合でも、ハンドルを動かして移動しないといけないため、非常に狭い路地で車体を持ち上げてUターンしようとするような場面では大変だと思う。
アシストの感覚は必要十分レベル
豊田トライクにはヤマハ製PASタイプの一般車用アシストユニットを採用している。一般車用のアシストユニットは、早めにシフトアップして、ややのんびり漕ぐとアシストが強くかかる特徴を持っているが、豊田トライクの場合、通常のPASユニットと比較すると必要十分だが、アシストパワーにゆとりがないと思った。理由は不明だが、考えられるのは以下の3つだ。
車体重量が重い
クランクセンサーの設定がセミリカンベントに合っていない(http://www.jbpi.or.jp/report_pdf/as1.pdf参照)
サドル位置が合っていない(今回乗ったモデルはサドルの上下調整ができなかった)
豊田トライクは積載重量100kg以上を売りにしているが、この状態で100kg以上の荷物を積載したら相当しんどいと思う。ギアはネクサス・インター5内装5段変速を搭載しており、ギアを積極的に切り替えて走る必要がある。
完成度が非常に高いシンクロシステム
豊田トライクの特徴として有名なのが「シンクロシステム」というサスペンションだろう。左右2輪をチェーンで連結し、前2輪を連動させることで片輪が上昇すると一方の片輪が下降するシステムだ。豊田トライクのWebサイトの説明によると「今までにない安定性で、自転車事故の最も多い、段差の斜め上がりや濡れた路面でのカーブにおける転倒を防ぐ」と書いてある。
実際に豊田トライクで、荒れた舗装路が多い下田の町中を走った感想を書くと、フロントは雲の上に乗っているかのような乗り心地で、路面のドタバタを感じさせなかった。歩道の段差を通過してもサスペンションが柔らかいため、衝撃が殆ど無いのに通過すること。従来のサスペンションではできなかった、道路上の小さな突起すらサスペンションがいなしてしまう。サスペンションはやわらかいが上下に揺すられる感覚はなく、直進安定性も通常の自転車よりも高い。横揺れによる頭の揺れが無いため、下手な自動車よりも乗り心地は良いのではないかと思う。また、前カゴにペットボトル飲料を入れてポタリングをしたが、ペットボトル飲料がカゴの中で暴れることはなかった。イメージとしてはスカイフックサスペンションに近いと思う。
左右独立サスペンション「シンクロシステム」の凄い所は、歩道に安全に上がることができることだ。通常の自転車で歩道の段差に上がる時、できるだけ歩道と垂直に上がるように入らないといけない。しかし豊田トライクはそのような事を考えなくても段差に上がることが出来る。写真の状態でも豊田トライクは安全に段差に上がることができるが、通常の自転車では確実に転倒するだろう。このような事が可能なのも、段差をなめるようにいなしてくれるシンクロシステムのおかげだ。
シンクロシステムは砂利道を走行する時も安定性を発揮する。一般的に車輪径が小さい小径車で砂利道を走ると、車輪が砂利にとられそうになる。豊田トライクのシンクロシステムはこのような砂利道すらサスペンションがいなしてくれる。乱暴にUターンをしてもサスペンションのおかげで安定して走ることができる。
豊田トライクの欠点
豊田トライクで気になる点はそれなりにある。シンクロシステムに慣れてしまうとラフな運転をしてしまうため、安定性を重視してリアタイヤはもう少し太いほうが良いと思う。豊田トライクショップ山陽では、通信販売で購入できるらしいが、Tektro製油圧ブレーキやシンクロシステムなど、通常の自転車よりも独特の構造を採用しているため、実店舗での購入がベターだ。
New Bike 🖤
Pezzewol🎀さん(@pezzewol)がシェアした投稿 - 2018年 2月月18日午後12時33分PST
豊田トライクは、イスに座るような乗車姿勢のため、お尻に加重がかかりやすい。豊田トライクは一般車タイプのコンフォートサドルが装備されているが、Electra Townie等の分厚いサドルを採用したほうが、楽に乗れるだろう。
完成度は非常に高い豊田トライク
豊田トライクは2018年4月26日現在、正式に販売されていないが、乗った限りでは完成度は非常に高く、いつ発売されてもおかしくない作りだろう。気になるのはアシストユニットのパワー感だけだと思うが、まだ販売されていないため実際に乗って確かめてほしい。
「CycleTrip」でT-TRIKE SYNCHRO OMEGA Longを借りて乗ってみる
https://www.cyclorider.com/archives/24167