デイリーアーカイブ Nov 16, 2024
只見線全線開通で注目の只見町 E-Bikeで走るとどんな感じ?イベント「TAGOKURIDER MEETING」で走ってみた
2011年7月に発生した新潟・福島豪雨で被災し、一部区間が長年に渡って不通が続いていたことで知られているJR只見線。その只見線が2022年10月1日、ついに全線再開通することとなった。
只見町は福島県西南にある町。町の中央に流れる伊南川や只見川の清らかな流れと、面積の94パーセントを占める豊かな森林資源に恵まれており、日本でも屈指の豪雪地帯の1つとして知られている。江戸時代には南山御蔵入と呼ばれる幕府直轄の地に編入され、戦後は只見川を利用した電源開発事業が大々的に実施され、一大電源地帯として脚光を浴びるという歴史を持っている。近年に関しては、映画「アライブフーン」のロケ地や「峠 最後のサムライ」の舞台としても注目を集めている。
只見町は只見線全線開通に向けて様々な取り組みを行っており、その中にはE-Bike「FANTIC ISSIMO」を活用したプロジェクトも行っている。このプロジェクトは、只見駅や町内各所からの楽しい移動手段を確保し、持続的な地域振興として町内観光、2次交通の主役としてE-Bikeを活用するためのプロジェクト。
只見町は10月22日(土)、23日(日)に、FANTIC ISSIMOを観光資源として活用するキャンプを軸にしたイベント「TagokuRider Meeting vol.3」を開催する。これは、壮大な景観で有名な田子倉ダムでのポップアップショップや、「ただみの森」キャンプ場でのBBQ、只見スキー場ヒルクライム、只見を巡るツーリングラリーなど、オートバイやE-Bikeユーザー向けのイベントとなる。
今回、8月20日(土)、21日(日)に、プレイベントとして開催されたTagokuRider Meeting vol.2に、E-Bikeで参加した。
只見線を使用して只見に行く
只見に行く方法でメインと言えるのが自動車だろう。しかし、今回は軽量E-BikeであるSpecialized Turbo Vado SL(まとめ記事)を使い、あえて鉄道を使うことにした。
鉄道を使う場合、注意したいのが運行本数が少ないということ。2022年10月に全線開通した只見線は小出から会津若松まで全線を運行するのは1日に僅か3往復。只見線を使わないで移動するには、会津鉄道会津線の会津田島駅から只見駅をつなぐツアーバス(URL)がある。こちらを使う場合、輪行での移動は非常に難しく、バスの本数も1日2往復しかない。そのため、公共交通機関で行く場合は余裕を持った移動を心がけたい
只見駅には土産品や飲み物の自動販売機周辺から歩く範囲内には、ヤマザキショップなどのコンビニやスーパーがある。どの店も19時頃になると閉店するので、キャンプを楽しむ人は早めに買い物を済ましておこう。
只見町観光スポットをE-Bikeで巡る
TagokuRider Meetingは、様々なイベントが用意されているが、只見町内のスポットを巡りながら、只見町内を一周する「只見町 RIDE & RIDE」がある。このコースは、元はオートバイ向けのコースだが、その気になればE-Bikeでも走ることができると語っていた。
このコースは、好きに走っても問題ないが個人的にお勧めしたいのが、「ただみ・ブナと川のミュージアム」「河井継之助記念館・山塩資料館」「ふるさと館田子倉」を最初に訪れて、只見町に関する見識を深めたほうが、後々訪れる場所が面白く見えるだろう。
ただみ・ブナと川のミュージアムは、只見町のブナと自然をテーマにした常設展示、映像の上映、只見町に生息する動植物の標本を展示しているミュージアム。只見町には、ブナの天然林が400平方キロメートルほど存在しており、国内最大規模と言われている。
只見町のブナをもっと見てみたい人は、只見駅から片道22キロほどの所にある「癒しの森 ブナの遊歩道」(URL)がお薦め。初心者向け(入門コース)の「癒しの森」と、中級~上級者向けの「恵みの森」の2つのコースがあり、気軽に只見のブナ林を散策できる。
歴史好きなら、河井継之助記念館・山塩資料館とふるさと館田子倉は抑えておこう。河井継之助記念館・山塩資料館(URL)は、江戸時代末期(幕末)の武士、越後長岡藩牧野家の家臣である河井継之助が只見で最期の地として知られている。継之助が亡くなった村医矢沢宗益の家を記念館内に見ることが可能だ。
ふるさと館田子倉(URL)は、田子倉ダム建設により湖底に沈んだ田子倉集落の記憶を後世に残すことを目的に、皆川弥(わたる)が自宅を改装し、私設の資料館として開設した資料館。かつての田子倉集落の記録や、只見川電源開発に只見の歴史、只見線に関する展示を行っている。展示スペースは広くないが、往時を偲ばせる写真などが展示され、良い部分も悪い部分も別け隔てなく紹介しており、只見の歴史を知るには訪れるべき所の1つ。
只見駅近くにある只見スキー場は、TagokuRider Meeting限定でスキー場ヒルクライムを体験できる。但し元々はオフロードバイク向けのコースで、下は大きい石がたくさんありオンロード用E-Bikeで楽しめない。
実際に走行した限りでは、一番上に行くことはできず途中で引き返すこととなった。E-Bikeで走るのなら最低でもE-MTBは欲しい所だ。
一般の水力発電所では日本最大級の出力を誇ることで知られている田子倉ダム(URL)。遊覧船の発着所やテイクアウトコーナー、お土産コーナーなどがあり、只見観光やドライブコースの休憩場所として知られている。
自転車で行く場合、只見駅から田子倉ダムに行く場合、長い上り坂を走ることになる。このような所を上るのなら自転車よりもE-Bikeで楽しんだほうが良いだろう。
TagokuRider Meetingでは、ただみの森キャンプ場でナイトパーティーを実施
TagokuRider Meetingでは、ただみの森キャンプ場を使ってナイトパーティーも実施する。ナイトパーティーでは只見町のソウルフードで有名なマトン(羊肉)を腹一杯食べることができるだけでなく、只見の米焼酎「ねっか」も楽しめる。他にも只見町に本社工場を置く、会津工場が製造する、鋳鉄調理器具「会炉」のBBQグリルのレンタルや、ゲストを招待しての音楽パフォーマンスも予定している。
ねっか(URL)は只見にある米焼酎の製造・販売を主に行う会社。フランスで開催されたKura Master2022や、TWSC(東京ウィスキー&スピリッツコンペティション)2022で金賞を獲得するなどの高い評価や、輸出用清酒製造免許を取得し、輸出限定の日本酒を製造している。
今回のナイトパーティーでは、ねっかの米焼酎は評判が高かった。米で作ったワインのような味で、焼酎らしい匂いが無く上品な味で、気に入ったので帰る際に駅近くのヤマザキショップで1本購入したほど。
ねっかにはテイスティングルームがあり、そこでねっかのお酒を試すことができる。自転車でティスティングを行うと飲酒運転になるので注意。但し、農作業が始まると、留守にする場合があり閉まっていることがあるようだ。
只見エリアをE-Bikeで走るのは楽しいか?
今回、只見エリアをE-Bikeとサイクルトレーラー(バーレー・トラボーイV2)を使用してサイクリングを楽しんできた。只見エリアは基本的に道は広く、比較的交通量が少ないため走りやすいエリアと言えるだろう。
アップダウンは多く、特に只見駅から田子倉ダムまで行く場合、長い上り坂を走る必要がある。厳しいトレーニングを行うのならともかく、観光を楽しみたいのならE-Bikeがベスト。バッテリーの消費は大きいので、大容量バッテリー(最低でも300~400Whクラス)のE-Bikeじゃないと楽しめない。
今回走行したコースは、元々オートバイ用のコースとなっている。全工程を走行すると70キロぐらい。E-Bikeで走るだけなら1日だけで良いが、見学時間などを考えると2日に分けて走行したほうが楽しめるだろう。
只見エリアをE-Bikeで楽しむ場合、殆どの人は自動車に載せてカーサイクリングを行うだろう。駐車場に関しては、只見駅近くに町営無料駐車場(Google Maps)があるが、気になる場合は只見町インフォメーションセンターで確認を行ったほうがいいだろう。
只見町の宿泊施設はどのくらいある?
只見町の宿泊に関しては基本的には旅館、民宿が多い。ゲストハウスに関しては只見町移住体験者向けのORAHOのみとなっている。
その中でも「森林の分校ふざわ」(URL)は、廃校となった小学校を利用し、元教室を改装した宿泊施設。今回、宿泊はせず玄関周辺を少し見て回ったが、かつて学校だった雰囲気を残していると感じた。こちらでは、宿泊だけでなく釣りやブナの森の散策体験などが行える(予約必要)。また、レンタサイクルでFANTIC ISSIMOが2台設置されており、ISSIMOに乗って松坂峠を越え、「癒しの森 ブナの遊歩道」へ行くことも可能だ。
ホテルを希望するのなら季の郷 湯ら里(URL)がある。こちらもレンタサイクルでFANTIC ISSIMOが用意されている。宿泊者でなくても日帰り温泉が用意されているので一汗流しての休憩や、お土産物売り場もあるので、ちょっとした休憩ついでにお土産物を購入するのも一つだろう。
只見町にあるキャンプ場は、ただみの森キャンプ場(URL)のみとなっている。こちらは、オートバイ向けの場合は1泊900円から、フリーサイトの場合1泊2000円+入場料(1人400円)からで宿泊可能。車を近くに停めておくことができるオートサイトや、割安な価格で宿泊できるバンガロー、シャワー、トイレ、エアコン、キッチン、ガスレンジ、冷蔵庫などを完備したコテージを用意している。
また、TagokuRider Meeting Vol.3では、大人数で宿泊可能な古民家を借りて貸し切りました。 リーズナブルな価格で利用する予定となっているようだ。
「自然首都」をキャッチフレーズにしているほどの、秘境と言われている只見。公共交通機関の便が悪く、近隣に高速道路も無いため、日帰りなどでちょっと気軽に訪れるには難しい場所と言えるだろう。一方で、ブナの森や河井継之助記念館・山塩資料館などの見どころが多くあるので、最低でも1泊2日で時間をかけて回ってみるのがお薦めだ。
TagokuRider Meeting vol.3は10月22日(土)、23日(日)に開催予定。イベント参加費やイベントスケジュールは近日公開予定。
関連リンク
TagokuRider Meeting vol.3 開催案内 | MOTORISTS
只見線ポータルサイト (tadami-line.jp)
只見町公式ホームページ|福島県 (tadami.lg.jp)
観光|只見町公式ホームページ|福島県 (tadami.lg.jp)
只見町インフォメーションセンター 公式サイト (tadami-net.com)
ヤマハ発動機、欧州市場にてヤマハブランドのE-Bikeを発表 欧州市場初の完成車市場参入
ヤマハ発動機は、欧州市場にてヤマハブランドのE-Bike3台を発表。欧州市場で初めて完成車市場に参入する。
https://youtu.be/QHu9LDl62fA
ヤマハ発動機は1993年に世界初の電動アシスト自転車システムを発明したことで知られている。日本市場の場合、モーターの供給からシティサイクルモデルのPASと、スポーツモデルのYPJの2種類の完成車を販売を実施。北米市場ではモーターの供給と日本国内でのYPJシリーズに相当するモデルを販売している。
欧州市場に関しては、今までは他のE-Bikeメーカーにドライブユニットを供給していたが、今回の発表で欧州市場初の完成車販売を行う。
欧州市場で販売するモデルは、マウンテンバイクタイプはフルサスペンションEーMTBの「MORO 07」、グラベルロードタイプ「WABASH」、クロスバイクタイプ「CROSSCORE RC」の3モデル。基本的に車体やモーターなどの部品構成に関しては、日本市場、北米市場と同じで、アシストの法規関連を変更しただけだと思われる。
関連リンク
Yamaha Motor (yamaha-motor.eu)
YAMAHA YPJ-MT Pro 2023年モデル登場 最新型モーター「PW-X3」を搭載してビッグチェンジを実施
ヤマハ発動機は9月30日、YPJ-MT Pro 2023年モデルを発表。12月下旬に発売する。
「YPJ-MT Pro」は、スポーツ電動アシスト自転車「YPJシリーズ」のフラッグシップモデルとして登場したフルサスE-MTB。メインフレームの上下がそれぞれ2本に分かれた構造で、車体剛性と最適な重量バランスを実現する「YAMAHA Dual Twin® Frame(ヤマハ デュアル ツイン フレーム)」を採用していることで知られている。
https://youtu.be/dhX5VE2WfvA
2023年モデルでは、ドライブユニットを新型の「PW-X3」に変更。YAMAHA PW-X3は、2021年9月に国外向けで発表された、ヤマハ製E-Bike用ドライブユニットのフラグシップモデル。ドライブユニットの設計を一新し、旧型のPW-X2と比較して、大幅な小型・軽量化を実現し、コンパクトになったことでグラウンドクリアランスを確保し、オフロードでの走破性を向上。広いケイデンス範囲で85Nmのモータートルクを実現したと謳っている。
スイッチはリモートコントロールタイプを採用し、より扱いやすいコンパクトサイズとしたことで走行中でもスムーズにアシストモードの切り替えが可。メーターは、オフロード走行に必要な機能に絞り込み、バッテリー容量とアシストモードが一目で分かるカラーLEDインジケーターを採用したコンパクトタイプ。スイッチは、BluetoothまたはANT+を通してサードパーティーのサイクルコンピューターとの接続が可能で、給電機能のついたUSBポートも備えている。
フロントサスペンションは、アウターケースの剛性をさらに高めた「ROCKSHOX LYRIK SELECT」を採用。ドライブトレインは、「SHIMANO M8100 XT 12sp」を搭載した。価格は74万8000円(税込)。
関連リンク
YPJ-MT Pro - スポーツ電動自転車 | ヤマハ発動機 (yamaha-motor.co.jp)
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