デイリーアーカイブ Oct 25, 2024

スーツケースに入る高性能折り畳み自転車 Caracle-SとPATTO BIKEの違い

走行性能とスーツケースに入る折り畳み性能を両立した折り畳み自転車というのは非常に少ない。走行性能を重視した折り畳み自転車は折り畳みサイズが大きくなり、スーツケースに入る折り畳み性能を重視した場合、走行性能が期待できない折り畳み自転車が殆どだ。そんな折り畳み自転車が多い中、Tech One Caracle SとPATTO BIKEは、走行性能とスーツケースに入る折り畳み性能を両立した貴重な折り畳み自転車で、個人的にはポスト海外ブランドの高級折り畳み自転車になると思っている。 Tech One Caracle SとPATTO BIKEはスーツケースに入ることを売りにした高性能折り畳み自転車という考えは同じだが、実際の自転車のコンセプトは違うので違いをまとめてみた。 車体設計の違い Caracle-Sは従来の折り畳み自転車に多い、ステム長が無い折り畳み式ハンドル、横に折れるリアサスペンション式フレームを採用している。タイヤサイズは20インチ(406サイズ)と20インチでも小さ目のタイヤを採用しており、タイヤ幅も1.5インチ(38ミリ相当)と太めで安定感重視となっている。 PATTO BIKEは、Brompton のようにリアスイングアームが前方にスイングし、ステム長はあるが、折り畳み不可能で引き抜き式のスレッドタイプのステム、フロントフォークにヒンジがあり折りたたむ方式を採用している。タイヤサイズは20インチ(451サイズ)と20インチでも大きめのサイズを採用しており、タイヤ幅は1-1/8インチ(28ミリ相当)と細めでスピード重視となっている。 折り畳み機構の違い スピード、長距離重視ならPATTO BIKE、安定性や乗り心地、折り畳み性能重視ならCaracle-Sか 個人的な意見としては両車とも純正状態で使用するのなら、スピードや長距離走行を重視するならPATTO BIKE、安定性や乗り心地、折り畳み性能重視ならCaracle-Sを選ぶだろう。 PATTO BIKEは動画を見る限り折り畳み方法が少し複雑だが、20インチでは大きめの車輪に細いタイヤ、ステム長があるためポジションを詰めやすい車体設計、ドロップハンドルで前多段変速モデルが売られていて、改造しなくてもスピードや長距離走行性能重視のモデルを簡単に手に入れることができる。 Caracle-Sは純正状態でのドロップハンドルモデルや前多段変速モデルは無い一方、素早く行える折り畳みや、タイヤの太さやリアサスペンションが装備されている乗り心地や安定性は高い。スピードや長距離性能をあまり求めないのならCaracle-Sは魅力的だろう。 両車とも問題になるのが販売数や情報量の少なさ Tech One Caracle SとPATTO BIKEは、スーツケースに入ることを売りにした高性能折り畳み自転車で、価格は10万円台前半で購入できるというお買い得な折り畳み自転車だ。個人的には10万円台前半で購入できるTern・Dahon・Brompton・Birdy Classicなどの16~20インチクラスの折り畳み自転車を買うのなら、間違いなくTech One Caracle SかPATTO BIKEを買うが、ここで問題になるのが情報量の少なさだ。 Birdy(旧名のBD-1時代を含む)・DAHON・Brompton等はすでに様々なユーザーが所有しておりたくさんの情報がある。情報量の多さはその車種のメリットやデメリットがわかり対処法も見つけることができる。また、これらの折り畳み自転車ブランドは全国の販売店で購入することが可能だ。 Tech One Caracle SとPATTO BIKEは、最近発売されたため情報量が少なく販売店も少ない。情報量と販売店の少なさは大きなデメリットで、真っ先に解消しないといけないだろう。 スーツケースに入る世界最小20インチ折りたたみ自転車 CARACLE-S スーツケースに入る20インチ(451)折り畳み自転車 PATTO BIKE SC451

スーツケースに入る20インチ(451)折り畳み自転車 PATTO BIKE SC451

スーツケースに入れることができる折りたたみ自転車といえばTech 1 Caracle Sが有名だが、サイクルモード2014ではPATTO BIKEがスーツケースに入る20インチ折り畳み自転車として展示されてあった。サイクルモード2015では試乗車があり、今回一番安いSC451に乗ってみた。 フレーム、フロントフォークはアルミ製を採用している。DAHONやBromptonなどの欧米の折りたたみ自転車は、大柄な人に合わせた車体設計が多くハンドルからサドルまでの距離が長い折りたたみ自転車が多い中、PATTO BIKEは比較的身長が低い人にも合う折りたたみ自転車だ。折りたたみ自転車では珍しく通常のスポーツ自転車らしくステムは突き出ていて、角度調節機構付きステムが標準装備されていて、ノーマル状態からポジション調整の自由度が高い。   フロントフォークはヒンジ機構がついたタイプで、この機構があるので小さく折り畳みすることができるようだ。 https://www.youtube.com/watch?v=siYQBgzpaVE ブレーキはPROMAXのロードバイク用キャリパーブレーキ。ブレーキシューの固定方法がナットなのを見るとあまり大したものではないようだ。クランクはシングルで56Tと小径車専用の大型タイプを採用している。リアスプロケットは8段でロードバイク用か?タイヤはKENDA 20”×1-1/8"(28-451)で、20インチでも車輪径が大きい451タイプでロードバイクに近いくらい細い。 PATTO BIKEをサイクルモードで乗ってみた感想は、折り畳み機構が無いミニベロに近いと思ったこと。ステム長がない折りたたみ自転車特有の前タイヤの接地感が薄い走りでは無く、ステム長があるため、折り畳み機構が無くタイヤが小さいミニベロのように比較的自然な走りをする。タイヤが細いため安定性よりも舗装路のスピードを出すことを重視するロードバイク寄りの折り畳み自転車だ。 ダメなのはブレーキ。フラットバータイプのブレーキレバーなのにブレーキの効きが悪いため、PATTO BIKE SC451を購入したら最低でもブレーキシューは真っ先に交換したほうが良い。またオプションの輪行袋はハンドルが飛び出ていて車体からキャスターが出ているため、車体の一部が露出した転がし輪行タイプのためJRの規定違反で輪行不可のため、規則に合った新たな輪行袋が必要だろう。 スーツケースに入る折り畳み自転車の中でロードバイク寄りの走りをするPATTOBIKE。やや高価といえば高価だが、このクラスだと他の折り畳み自転車もこのぐらいの値段になるし、純正ドロップハンドルモデルもあるので貴重なモデルだろう。 参考サイト:PATTO BIKE PATTO BIKE SC451のスペック フレーム:アルミフレーム フロントフォーク:アルミフォーク ブレーキ:PROMAXロードバイク用デュアルピボットタイプキャリパーブレーキ クランク:シングル。56T スプロケット:シマノ 8速 ロードバイク用? タイヤ:KENDA 20”×1-1/8"(28-451)  

シクロライダー特集 ヤマハYPJ-Rから見る電動アシスト自転車の可能性

ヤマハ・YPJ-Rの衝撃 日本で電動アシスト自転車と言えば、買い物用の自転車が殆どで、趣味用の電動アシスト自転車も街乗りや軽いサイクリングにしか使用できない物が殆どだった。その一方自転車に大金を投入できるユーザーが多いヨーロッパ圏では、マウンテンバイクやトレッキングバイク、クロスバイクの電動アシスト自転車が登場している。電動アシスト自転車用ユニットも、Yamaha、Panasonic、Shimano、Impulse、TransX、Bafang、Continental、Boschなどが参入している状況で加熱している。特に気になるのはBoschで、ナビゲーションシステムや時速45キロ出すことができる「S-Pedelec」用のアシストユニットをラインナップするなど、ヨーロッパ圏では多くの会社が装着しているようだ。 電動アシスト自転車に調べているうちに、電動アシスト自転車は乗物世界のルールを変えると確信し、日本では殆ど見ないと言ってもいい(ヨーロッパ圏では既にそれなりにサイトが多くある)電動アシスト自転車専門ブログ(Cycloassist.com)まで立ち上げた。 今回登場したヤマハYPJ-Rに試乗した限りでは、現在日本で購入できる電動アシストスポーツ自転車としてみた限りではトップだろう。自分は電動アシスト自転車は所有していないが、海外の電動アシスト自転車事情を調べたり、色々な自転車イベントやレンタサイクルで電動アシスト自転車を乗ってみているが、殆どの日本の電動アシスト自転車は不満があるものが多かった。脚力とアシストが合わせられない前輪駆動のため実際のアシストパワーは少ないBSデュアルドライブを採用し、アシスタDXを超えられないアルベルトe。アシストの有無のメリハリが強くアシスト無しでは長距離走行は辛いヤマハ・PASシリーズ(Pas Brace XL)やパナソニック(ハリヤ)などの日本型のセンターユニットタイプ。ワンテンポ遅れてアシストがかかり重量配分が悪く日本の道路条件には不向きな雰囲気があるBESV LX1。バネを踏んづけたような踏み心地で時代遅れとなっているサンスター技研の電動アシストユニットを採用したヒルチーター等、電動アシスト自転車は街乗り限定だが、ヤマハ・YPJ-Rは電動アシスト自転車は街乗りだけではない新たな可能性を作ると感じた。 電動アシスト自転車の新たな可能性とYPJ-Rの問題点 ヤマハ・YPJ-Rの登場は、電動アシスト自転車の新たな可能性を増やすことになった。電動アシスト自転車から見たら高い基本性能とわずか500gちょっとのバッテリー重量は、もう1つバッテリーを購入して持っていけば長距離を走れる可能性ができた。荷台にバッグをつけ充電器と予備バッテリーを入れれば長距離ツーリングの提案もできる。ヨーロッパ圏ではYPJ-Rに装着されているアシストユニットは、既にヨーロッパ圏ではマウンテンバイクに装備されているモデルが多い。これを上手く使えば普通の人でも楽しめる林道サイクリングツアーができたり、河川敷にあるようなオフロードオートバイコースで電動アシストMTBを走らせるようにして集客できるなど、新たな発想が生まれるだろう。 高性能な電動アシスト自転車は乗ることを諦めている人や不安な人、抵抗している人たちが自転車に乗るきっかけを作ることができ、新たな世界を作ることもできるが、一番の大きな問題はYPJ-Rがロードバイクのコンセプトで作ってしまったことだろう。グラベルロードのように多少の実用性を加味すれば、荷台にバッグをつけ充電器と予備バッテリーを入れれば長距離ツーリングの提案ができるなど、電動アシスト自転車に新たな付加価値を作ることができたが、実用性が無いロードバイクのコンセプトで作られたYPJ-Rは、従来の感覚で他の自転車と比べられてしまうことになってしまったのが最大の問題点だ。ただ、YPJ-Rの年間販売台数は1,000台と少なく、購入できるコンセプトバイクのような物で、今後マウンテンバイクやクロスバイクが登場する可能性があると思えば、YPJ-Rはこれでありなのかもしれない。個人的にはYPJのフルサスMTBを期待していて、もし登場したら購入したいと思っている。 https://www.youtube.com/watch?v=OVuhpfz8-vw 【先行予約受付中】YAMAHA(ヤマハ) YPJ-R (ワイピージェイアール)posted with カエレバ楽天市場で探すAmazonで探すYahooショッピングで探すヤフオク!で探す シクロライダー・シクロアシストの関連エントリー (電動アシスト自転車インプレッション)ヤマハ YPJ-Rに乗ってみた | シクロアシスト ヤマハ・YPJ-R特集 | シクロアシスト 原付並みに速く走れるヨーロッパの電動アシスト自転車規格「S-Pedelec」とは何か | シクロアシスト 海外で採用されている電動アシストユニットをまとめてみた(センターユニット編) | シクロアシスト 実際のアシスト力はどうなのか? アルベルトeに試乗した 10年以内に原付はさらに売れなくなり、電動アシスト自転車がモビリティの中心になる