デイリーアーカイブ Apr 19, 2025

自転車の世界ではあまり言われないが前後重量配分は重要だろう

自転車の世界で重要なことを言うのは少ない。例えば電動アシスト自転車の駆動方式の違いや、前後重量配分はあまり聞かない。特に前後重量配分について理解している人の殆どは、設計関係とインストラクターの人ぐらいで、自分みたいな素人が書くのはあまり無い。まずは自動車やオートバイの世界での前後重量配分を見てみたい。 自動車の例 自動車の世界で前後重量配分は、スポーツカーは50:50がベストといわれている。ただ、そのような前後重量配分も、どんな車でも拘ってしまうと上手くいかない例がある。 当時のホンダのアナウンスでは、このレイアウトのお陰で、前後の重量配分が50:50に出来、スポーティーなハンドリングが可能になったと言っていますが、実はFFの場合、前輪荷重を小さくするのは、危険なことでもあるのです。 車が加速する時は、必然的にフロントが浮き気味になりますが、FFの場合、下手に前輪荷重を軽くすると、その浮き上がりから、加速時にスリップを起こしてしまうのです。 事実、その軽い前輪荷重のお陰で、特に雨の日の発進時は、必ずスリップを起こしたもので、トラクションコントロールは不可欠な装備でした。   ホンダ・インスパイア/ アキュラ・ビガー ( 自動車 ) - 消え行くアメリカ車たちを追って - Yahoo!ブログから引用。前輪に荷重がかからないとタイヤがグリップしないFF車で、前輪に荷重がかからないFFミッドシップを採用したホンダ・インスパイア/ビガー。コメント欄で「友人が雨の日に事故でインスパイアを廃車にしてしまいまった。」と書いている。 オートバイから見る前後重量配分の重要性 自分はオートバイの免許は無く、教習所の体験でもまったく心が動かなかったので、乗る気は無い。ただ、牧歌的で排気量が小さくこじんまりとした第2次バイクブームよりも、世界を相手にした日本の大型オートバイを高校生が乗る第1次バイクブームが過激で面白いのでナナハン世代の記憶を作ってまとめている。今回はナナハン世代の某氏の話を使い、オートバイの前後重量配分の重要性を書いてみたい。 (ナナハン時代のオートバイについてはナナハン世代の記憶で。) ナナハン世代では4サイクル大排気量のオートバイが非常に人気だったが、価格の安さで2サイクルのオートバイもあった。その中で、2サイクル市販レーサーで有名だったヤマハは、この時代に市販ロードレース用オートバイTR-3/TD-3の公道仕様として登場させたオートバイのRX350/DX250を登場させた。 ヤマハ・TR-3 http://www.tz350.net/r5-tr3_conversion.htmから ヤマハ・RX350 装備重量160kg 36ps http://www.motorcyclespecs.co.za/model/yamaha/yamaha_rx350_sport%2070.htmから 70年代前半唯一の2サイクルレーサーレプリカのRX350は、前傾姿勢で乗るオートバイの設計だった市販ロードレーサー「TR-3」を公道用にするために、基本的な車体設計は同じのままで、前傾姿勢で乗るセパレートハンドルから、法規的な問題でCB750Fourのようなアップライトなハンドルに変更するなど乗車姿勢が変わった。某氏いわく、この後に乗ったW1スペシャルやCB500Four、XS650E、TX500と比べるとパワーは低いが、発進時に荒っぽくスロットルを回すとウィリーするというオートバイだったとのこと。 因みにMr bike bgでは、さも有難るオートバイでナナハンキラーと呼ばれていたと言っているが、TX500やCB500Fourなどに乗っていた某氏曰く、そこ迄速くなく所詮350CCとのこと。 ホンダ・ドリームCB500Four(48馬力・装備重量201kg) http://www.motorcyclespecs.co.za/model/honda/honda_cb500_four%2071.htmから引用 ヤマハ・XS650E(53馬力・185kg) http://www.motorcyclespecs.co.za/model/yamaha/yamaha_xs-2%2072.htmから引用 http://www.motorcyclespecs.co.za/model/yamaha/yamaha_tx500%2073.htmから引用 ヤマハ・TX500(48馬力・182kg) これらのオートバイと比べても、RX350はエンジン搭載位置などがやや後ろにあり、重量配分が後ろよりにあり、ウィリーしやすい理由も分かると思う。 前後重量配分が悪い例で一番わかりやすいのが、カワサキ・SS500 マッハ3。開発時のコンセプトがウィリーしやすく、ゼロヨンで速いというのを実現するために、最終的には非常に乗りにくいオートバイとして有名になった。そのため1973年付近の上野オートバイ街では、乗りやすくて速くて燃費が良いCB750FOURやCB500FOURが沢山あり、人気車で容易に購入できない価格なのに対して、マッハ3はまったく見ず、たまに見ても1クラス下の350CC車と同価格の現役不人気車となった。 カワサキ・SS500 Mach3 http://www.motorcyclespecs.co.za/model/kawasaki/kawasaki_h1%20500%2070.htmから 自転車の重量配分はどのように考えるべきか 「自転車は、乗車時は前後重量配分は少し後ろより、立ち漕ぎ時は前後重量配分は真ん中となる。」 これは、マウンテンバイクの初心者向け講習で聞いた話。この話を思い出すと、これは、マウンテンバイクだけでなく、多くの自転車でも言えることなのでは無いかと思う。因みに、自転車の前後重量配分を実測した人(車種不明)によると、人が乗った状態で、前:後=36:64との意見がある。また、自転車工学の専門書では、前後のバランスは45;55がベスト、50;50以上前に荷重が偏ると危険との意見もある。 参考:醤油29リットル 「自転車の前後重量配分」・カーボンだからできる、自分で作る自転車 2 : 自由大学 なんで、このようなことを書いたのかというと、前後重量配分は、荷物の積載や乗車姿勢、前後タイヤの極端な減り方の違い、前輪が落ち着かない、アップハンドルが通常のスポーツ自転車にあわない理由、ストライダがやたらとふらつく理由、リアセンターが短いほど良いという考えの間違いの全てに理由が説明がつくため。まずは、後ろに積みすぎる荷物をどうやって効率よく分散できるかからこの理屈を使って考えてみるつもりだ。

エアロに拘る競技用ロードバイク TREK Madone9のブレーキシステム

https://www.youtube.com/watch?v=NOl7tytbOnc 競技用の乗り物は、競技の分野に極限まで特化している物が殆どだ。レーシングカーの多くは普段での使用は不便で、長期間の使用は適さない物となっていると言われている。 自転車の世界も、レーシング用モデルは素人から見ても極限まで競技用に特化している。一番良い例がTrek Madone9。Madone9は多くの部分をエアロ化している。特に面白いのはワイヤーが殆ど見えず、フロントフォークに装着されたブレーキが、フロントフォークと一体化しているように見えるほどだ。 気になるのはステアリング構造で、中に入っているワイヤーやブレーキはどのようにして干渉しないで曲がることができるのかで、実際はこのような感じとなっている。 TREK MADONE9 ブレーキシステム pic.twitter.com/d6IlWHBMoC — 丸山 拓己@FFWD注文待ち (@mtgtr860821) 2016年5月28日 ステアリングは、フレームにからくり的な仕掛けを備えることでワイヤーが干渉しないようになっている。公道用として見ると、このようなからくり機構は整備が大変そうなので、メカニックサポートがある競技者が乗るのが一番なのではないかと思う。

トゥクリップをハーフクリップ化して楽に走らせる

自分にあった部品がない場合、部品を加工して自分に合わせたほうが良い。今回は通常のトゥクリップを加工してハーフクリップ化を行った話をまとめてみた。 ハーフクリップ風トゥクリップにした理由 トゥクリップはベルトを使う通常のトゥクリップと、ベルトが要らないハーフクリップの2つがある。ベルトが要らないハーフクリップは、つま先を出しやすい利点があるが、ハーフクリップにも欠点はある。 ハーフクリップの多くはトゥクリップよりも小さいため靴を選ぶ問題がある。比較的大きめのトレッキングシューズだと、小さいハーフクリップは入りにくい。 また、ハーフクリップはペダルを踏む位置の前後長が短く、ペダルの踏む位置が合わない問題がある。ペダルの踏む位置は多少前後するだけで、足の使う筋肉が変わる。ハーフクリップの多くは、通常のトゥクリップと比べると、拇指球の位置が変わってしまい、トゥクリップのほうが踏み位置が比較的広く、自然に使える。 そこで、トゥクリップをハーフクリップ風に使うが、上下逆にしてペダルを踏む場合、トゥクリップが地面にあたる欠点がある。トゥクリップを使用したくない場合もあり、このような場面では、非常に不快とのこと。 そこで、トゥクリップの上部を切り、ハーフクリップ風にしたところ、欠点が消えて乗りやすくなったようだ。 良い自転車が欲しいのなら、最終的には自分で考えるしかない。楽に走ることを考えるには常識としている例だけでなく、経験や効果を想定し、時には常識から外れて自分にあったものを作り上げる必要がある。このハーフクリップ風トゥクリップが良い例だろう。