デイリーアーカイブ Jan 16, 2025

ボスフリーハブ/スプロケットまとめ 今でも購入できる部品を紹介

一般的な自転車は、漕ぐのを止めた時に後輪だけが回るフリー機構を採用している。このフリー機構はスプロケット(リアギア)と一体化したボスハブと、フリー部分がハブと一体化したカセットハブの2種類がある。2018年現在、ボスハブは一部の低価格自転車にしか採用されていない。シクロライダーではボスフリーハブは推奨しておらず、自転車紹介時は一部例外を除き、4万円以上の自転車にボスフリーハブを採用した自転車は紹介しないようにしている。今回はボスフリーハブの欠点と今でも購入できるボスフリーについて紹介しよう。 ボスフリーハブの欠点 ボスフリーハブの欠点は主に2つある。1つは部品の選択肢が少ないことと、車軸が歪む可能性があることだ。 スプロケット・変速レバーなど部品の選択肢が少ない 現在主流のカセットフリーハブは規格を変えつつあるが、7~11段まで様々な種類がある。またディスクブレーキやスルーアクスルといった新しい規格を採用した物もある。一方、旧式なボスフリーハブは部品の種類が少ない。スプロケットは7段までの物が殆どで変速レバーの選択肢も少ないのが実情だ。 https://www.cyclorider.com/archives/20176 車軸がゆがんだり、折れたりする ボスフリーハブは構造的な問題で、車軸に力が加わると車軸がゆがんだり折れやすい問題がある。ボスフリーハブの車軸は筆者も折ったことがある。因みにカセットフリーハブでこのようなことは起こっていない。 これは構造的な問題と言われている。ボスフリーハブはカセットハブと比べて、体重を支える位置が狭いのと、支えている位置が少ないので強い荷重がかかった場合、折れてしまうようだ。 仮にボスフリーハブの車軸が折れた場合、車軸を交換する必要がある。車輪を簡単に脱着できるクイックリリースハブを使用している穴あきシャフトの場合、頑丈で穴がない車軸に交換して強度アップする方法もある。この方法は上級者向けなのでシクロライダーでは紹介しない。 ボスフリー関連の部品 今では珍しい部品となったボスフリーハブやボスフリースプロケット。もはや絶滅しつつ状態だが、今でもボスフリー関連の商品は売られている。今回は2018年現在、ボスフリー関連の商品を紹介する。 ボスフリースプロケット ボスフリースプロケットは、現在は主流ではないためギア比の選択肢が非常に少ない。現在、低価格帯のシティサイクルに装着されるシマノ。シマノより趣味層向けで買いやすいENE CICLO。マニアックなユーザー向けのIRDがある。 SHIMANO シマノ製ボスフリーの殆どは低価格帯の自転車に使われるものしか無い。 MF-TZ500-6/MF-TZ500-6-CP:6速 14-16-18-21-24-28T CPはチェーンプロテクター付き   MF-TZ500-7/MF-TZ500-7 CP:14-28T 14-34T 14-16-18-20-22-24-28T 14-16-18-20-22-24-34T CPはチェーンプロテクター付き ENE CICLO ENE CICLOのボスフリースプロケットは、クラシックなスポーツ自転車にも使える製品をラインナップ。取り外し工具はParkTool FR-1.3または、Super B TB1045を推奨。シマノ製工具 TL-FW30のご使用は推奨致していないとのことだ。取扱はヨシガイ。 SR-5S-28N:5段用/¥2,200 貴重な5段変速用ボスフリースプロケット。旧モデル(SR-5S)の後継モデルで、各ギア板に変速ポイントが設定されチェーンの移動がスムーズになった。スチール製。 ●14T、16T、20T、24T、28T ●重量:440g SR-6SN-24:6段用/2,200 SR-6S-28Nと同じく、各ギア板に変速ポイントが設定されている。スチール製。 ●14T、16T、18T、20T、22T、24T ●重量:420g SR-6SN-28:6段用/¥2,200 SR-6S-24Nのギアを軽めにしたボスフリースプロケット。 ●14T、16T、18T、21T、24T、28T ●重量:420g SR-7S-25:7段用/¥3,200 こちらも現代のスプロケットと同じく、各ギア板に変速ポイントを設定。ボスフリーハブでは珍しく13Tを設定。スチール製。 ●13T、15T、17T、19T、21T、23T、25T ●重量:440g SR-7S-28:7段用/¥3,200 SR-7S-25のギア比を軽くしたバージョン。 ●13T、15T、17T、19T、21T、23T、25T ●重量:460g IRD 衰退しつつあるボスフリーの中で多種多様なラインナップがあるのがIRD。価格は高価だが、全体的なデザインも綺麗で趣味用の自転車に使うのには合っているだろう。取扱は東京サンエス。 ディファイアントフリーホール(5段) スタックハイト:29.2mm 13-24T:13, 15, 17, 20, 24 13-28T:13, 16, 20, 24, 28 13-32T:13, 16, 20, 24, 32 14-28T:14, 16, 20, 24, 28 ディファイアントフリーホール(6速) スタックハイト31.5mm 13-24T:13, 15, 17, 19, 21, 24 13-28T:13, 15, 18, 21, 24, 28 ...

フラットハンドルにポジションを増やす「TOGS」を紹介

フラットハンドルの自転車の欠点はハンドルを握る場所が1つしかないことだ。それに加えハンドルを握ると手首が不自然になってしまい、長時間乗るのはしんどい時がある。それらの問題を解消するため、バーエンドバーというものがある。 しかし、バーエンドバーはハンドル左右に装着するため、実際に握った場合、腕が広がってしまい力が入りにくい問題がある。 今回紹介するのは「TOGS」親指を引っ掛けてハンドルを握ることで腕に力がはいり、パワフルに走れるようになる部品だ。 部品が小さい ハンドル内側に装着する部品で、通常のバーエンドバーよりもはるかに小さくスペースを取らない。装着しても比較的邪魔にならないし、バーエンドバーとの組み合わせもできるだろう。 握ってもブレーキをかけやすいようになっている バーエンドバーはハンドルの両端に装着するため、バーエンドバーを握った場合ブレーキをかけることができない問題がある。しかし、TOGSの場合はTOGSを握ったところでもブレーキングができる位置関係となっているため、バーエンドバーより安全性能は高いだろう。 実際に使用した例 今回、Escape RX4にTOGSを装着してみた。TOGSはマウンテンバイク等の真っ直ぐなフラットハンドルに装着するのがベストに見えるが、Escape RX4はGIZAプロムナードハンドル・ローライズを装着しているため、若干逆ハの字になっている。 それでも、親指を引っ掛けることが可能で使うことはできる。親指をTOGSに引っ掛けた状態だと引きつけやすくて力が入る。引きつけを行う場合でも、バーエンドバーだとブレーキがかけられない問題があるが、TOGSならブレーキもかけることができ、シフトも簡単にできるのでバーエンドバーよりも使えるだろう。麦草峠に行った時TOGSを使ってみたが、TOGSを親指にかけて力を入れると、力が入るのが明確にわかり、個人的にはバーエンドバーよりも使えると感じた。 プロムナードハンドルにTOGSを装着すると、2つのポジションを得ることができる。TOGSを握る位置は前傾姿勢になりパワーを出せるポジション。TOGSが無いハンドル端部に近いポジションは、アップライトな姿勢で視界が良くコントロールしやすいポジションとなっている。上り坂やスピードを出したい場合はTOGSを使い、従来のポジションは下りのコーナーや街中、スピードを出さない場合と分けることができる。外観もバーエンドバーを装着するよりも見た目がすっきりする。 (TOGSを装着しているが、この写真では殆どわからない) プロムナードハンドルでパワーと安楽さを両立できるが、フラットハンドルのマウンテンバイクでも、ポジションを増やすことができる効果があるTOGS。コンパクトなのでバーエンドバーと両立できるアイデア商品で個人的にはお薦めの一品だ。 TOGSには樹脂製とカーボン製の物がある。カーボン製に関しては、オープンエンドとなっており簡単に装着することができる。

電動アシスト折り畳み自転車「ハリークイン PORTABLE E-BIKE」を解説

自動車ブランドの自転車や、ルノー・ライトシリーズなど超軽量折りたたみ自転車を売りにしているGic。近年では電動アシスト仕様の折りたたみ自転車の販売も行っている。有名なのが「TRANS MOBILLY」ブランドのULTRA LIGHT E-BIKEがあるが、ハリークインブランドから電動アシスト折りたたみ自転車「PORTABLE E-BIKE」が登場した。サイクルモード2018で試乗できたので、インプレッションも行う。 PORTABLE E-BIKEについて解説   ハリークインの折りたたみ自転車と言えば、ブロンプトンのデザインを模した折りたたみ自転車が有名だ。デザインはブロンプトンに似ているこの折りたたみ自転車は、折りたたみ時のサイズはブロンプトンよりも大きい。 PORTABLE E-BIKEもブロンプトンの設計をオマージュしているが、一番の特徴は電動アシスト自転車だということ。海外ではブロンプトンの電動アシスト自転車版が存在するが、ハリークインのPORTABLE E-BIKEは、電動アシストブロンプトンの設計をオマージュしているわけではないようだ。 https://www.cyclorider.com/archives/19177 電動アシストブロンプトンではバッテリーは、前方に装着されたバッグに搭載されていた。しかし、ハリークイン・PORTABLE E-BIKEはフレームに綺麗に収まるようデザインされている。駆動方式は前輪インホイールモーターだ。 PORTABLE E-BIKEは転がし輪行ができるためバッテリー容量も大きい、ULTRA LIGHT E-BIKEは車体を軽くして気軽に持ち運べるように、24V/2.8Ahのお小型バッテリーを搭載しているが、PORTABLE E-BIKEには36V/7Ahの大容量バッテリーを装備。航続距離も最大80kmほどと長く走れるようだ。公称重量は約12.9kgだが、本体重量はバッテリー、ペダルを除いているため注意が必要。価格は税抜き135,000円。 ハリークイン PORTABLE E-BIKEのインプレッション サイクルモード2018で、ハリークイン PORTABLE E-BIKEに試乗することができた。この電動アシスト折りたたみ自転車は、ブロンプトンに似たスタイリングを採用しているため、ブロンプトンに似た乗車姿勢だ。ハンドルとサドルの距離が長いため、一般的な16インチ折りたたみ自転車と比べて、大柄な人でも楽な乗車姿勢で運転できる。 ハンドルにはアシストスイッチが装備。電池消費は数字ではないシンプルな方式だ。ドライブユニットは前輪インホイールモーターを採用。アシストはタイムラグがあり、アシストを常に維持しながら走行するのが向いている。アシストのセッティングは同じ前輪インホイールモーター方式を採用した「Benelli MiniFold16」や「Qi Cycle EF-1 Pro」のほうが、タイムラグが少なく、こちらのほうがアシストの爽快感があるだろう。 Qi Cycle EF-1 Pro Benelli MiniFold 16 一方、ハリークイン Portable E-bikeにも利点がある。それは重量。本体重量はバッテリー、ペダルを除いて12.9kg。バッテリーの重量を除いているため正確な重量がわからなかったため、バッテリー込の重量を聞いてみた所14kgを切るとのこと。軽量なバッテリーを装備しているため、転がし移動や持ち運びは電動アシスト折りたたみ自転車の中では楽だろう。メーカーはバッテリー込みの重量を書くべきだろう。最長航続距離80kmを実現しつつバッテリー込みの車体重量が14kgを切るのはアピールポイントになるのだ。 2018年12月6日追記 メーカー公式Webサイトによると重量は14.6kg。本家ブロンプトンの電動アシスト自転車版が16.6kg、Qi Cycle EF-1 Proが15.8kgと考えると、電動アシスト折りたたみ自転車で15kgを切るのはアピールポイントになるだろう。 http://www.gic-bike.com/hq-portable_lp/hq-portable.html https://www.cyclorider.com/archives/17120