デイリーアーカイブ Feb 3, 2025
E-Bikeのバッテリーが切れないで上れるか!?スペシャライズド Turbo VADO SLインプレ 柳沢峠ヒルクライムテスト編
E-Bikeに乗っていて気になるのが、バッテリーの電池切れだ。E-Bikeは自転車なので、電池が切れても走ることができるが、できるだけ電池切れを起こさずに走りたいもの。E-Bikeの電池切れテストを試す方法と言えばヒルクライムのサイクリングで、E-Bikeの実力を調べるために、シクロライダーでもヒルクライムテストを行っている。
今回のE-Bikeヒルクライムテストで使う自転車は「Specialized Turbo VADO SL 4.0」。SpecializedのクロスバイクタイプのE-Bikeで、Specialized製の軽量ドライブユニット「Specialized SL1.1」を搭載。従来のクロスバイクよりも軽量なドライブユニットやバッテリーを搭載し、車体を軽く作ることで、平均的なE-Bikeと比較して40パーセント軽量なのを売りにしている。車体重量は公式では公開されていないが、15キロほどだと思われる。価格は36万3000円(税込、以下同)。
今回E-Bikeのヒルクライムテストを行ったのは柳沢峠(やなぎさわとうげ)。山梨県甲州市にある柳沢峠は、国道411号(青梅街道)が通り、青梅街道の最高地点として知られている。標高1472メートルで関東有数のヒルクライムコースで知られている。
テストを行うコースは、青梅駅からスタートし柳沢峠まで行くルート。自転車NAVITIMEで調べた所、総距離約58キロ、獲得標高1618メートルと、それなりにハードなコースとして知られている。また、このコースは、E-クロスバイク「Corratec E-POWER SHAPE PT500」でもテストを実施している。
シクロライダーを読んでいる読者の中で気になるのが、ヒルクライム中にバッテリーが切れるかどうかだろう。E-Bikeのバッテリー容量はWhで決めるのが一般的で、数字が大きいほどバッテリーの容量が大きくなる。一般的なE-クロスバイクは400Whから500Whサイズのバッテリーを搭載しており、これはバッテリー切れを発生させにくくするためだ。
一方、Turbo VADO SLに搭載されているバッテリー容量は320Whと、一般的なE-Bikeよりもバッテリー容量が少ない。しかし、車体重量16キロ以下の軽量系のクロスバイクタイプのE-Bikeのバッテリー容量は、ヤマハ YPJ-Cが60Wh、FUJI MOTIVATORが200Wh、BESV JF1が252Whのため、Turbo VADO SLは軽量系E-Bikeの中ではバッテリー容量は一番大きい。但し、VADO SLのバッテリーは内蔵式でユーザーが車体から外すにはできないため注意が必要だ。
因みにTurbo Vado SLには、オプションでボトルケージに装着するレンジエクステンダーを用意している。レンジエクステンダーの容量は160Whで、合計で480Whとなる。今回のヒルクライムテストではレンジエクステンダーを使用せず、内蔵バッテリーのみの320Whでのテストとなる。
また、Turbo VADO SLには、スマートフォンでモーターアシストを調節する「MISSION CONTROL」を搭載している。これは、3種類のアシストモードがあり、各モードでは最大出力およびアシストの持続力の両方を調整できる。
標準の設定では、ピークパワー/アシストは、TURBOモードが100/100、SPORTモードが60/60、ECOモードが35/35だ。
また、Turbo VADO SLは、バッテリーの状態や長期の使用を考慮して意図的にパワーを下げる時がある。バッテリーの残量が15パーセント以下になると、Turbo Vado SLはモーターのパワーを自動的に75パーセントに落とす。残量が10パーセントではパワーを50パーセントに、残量が5パーセントでは25パーセントに落とすとのこと。
今回のヒルクライムテストでは、ピークパワー/アシストを、TURBOモードが100/100、SPORTモードが65/65、ECOモードが40/40に変更。SPORTモード、ECOモードをそれぞれ5パーセントアップさせたのは、長いヒルクライムでもパワーを少し持たせて速く走りたいのと、パワーが足りないと感じて、アシストモードを上げないためだ。
また、MISSION CONTROLアプリでは、車体に搭載されているファームウェアのバージョンを確認できる。今回使用したTurbo VADO SLは、バッテリーが2.4.11、モーターが44.6.18、ディスプレイが26.B.0だ。
Turbo VADO SL 青梅~柳沢峠ヒルクライムテスト
今回のテストは午前5時5分に青梅駅からスタート。Specialized Turbo VADO SLには、メーター等のディスプレイが無いため、スマートフォンのMISSION CONTROLアプリを使用することとなった。MISSION CONTROLアプリには航続距離表示が無く、バッテリー容量のみの表示だ。
柳沢峠まで走るこのコースの特徴は、平地が殆どなく上り坂がメイン。青梅駅から奥多摩駅までは緩やかな上りだ。Specialized Turbo VADO SLは、最大出力240W、最大トルク35Nmと、一般的な定格出力250WクラスのE-Bikeよりもパワー、トルクが少ない。奥多摩駅まではピークパワー/アシストが40/40のECOモードで走ることにした。
このモードはBosch Active Line PlusのTOURモードやShimano STEPSのNORMALモードよりもアシストが弱いが、人力自転車の不快な部分を削るような感覚で走る感覚で走行できる。因みにE-Bike通では気になる所のアシストカット速度に関しては、きっちり時速24キロでカットされる。
5時34分にハイキングで降りる人が多い事で有名な御嶽駅に到着。緩やかな上りを殆ど上っていたが、車体の軽さとフラットにアシストを行う特性により、緩やかな上りで時速24キロ付近で走行しても、失速しにくい。体感の疲労は定格出力250WクラスのE-Bikeよりあるが、緩やかな上りでも平地の追い風で人力自転車を漕いでいる感覚で、E-Bikeだと感じさせる。バッテリー残量は95パーセントだ。
E-Bikeは長距離ヒルクライムでも、人力自転車と比較して非常に気が楽なのが特徴だが、軽量E-Bike「Turbo VADO SL」でも同じことが言える。ただ、定格出力250Wの一般的なE-Bikeと違うのが、平地ではスピードを無視して走っていたこと。
定格出力250WのE-Bikeは、平地はアシストがよくかかる時速20キロ前半で走行している事が多い。これは、時速24キロを越えると重い人力自転車に変わるため、体力を余分に消耗するためモーターで楽々走ったほうが良いため。
一方Turbo VADO SLは、アシストが弱いため脚を少し使っている感覚があるが、車体が軽く、フラットに時速24キロまでアシストを行うため時速24キロを越えても、車体が重い人力自転車に変わる感覚が感じない。そのため、アシストが少ない時速24キロ以上で走行することもあった。
午前6時20分に奥多摩駅に到着。体力面に関しては、脚は使ってるが全く問題ない。バッテリー残量は86パーセントだ。
奥多摩駅から奥多摩湖までの道は、坂が続き、トンネルが登場する。そのため、このエリアは人力自転車ではあまり走りたくない場所だ。E-Bikeだと、このように走るのが嫌な場所はアシストを強くして素早く走るのが一般的だ。
Turbo...
ポラールから、サイクリング等スポーツに対応したスマートウォッチ「Vantage V2」を発表
ポラール・エレクトロ・ジャパンは10月16日、プレミアムマルチスポーツウォッチ「Polar Vantage V2」(ポラール ヴァンテージ ブイ ツー)を発表した。
ポラールは、1982年に世界ではじめてトレーニング用心拍計モニター装置を開発したことで知られている会社。Polar Vantage V2では、心拍数計測とパワー計測、加速度センサーなどから得られる情報を基にパフォーマンスを数値化する機能や、脚力の回復状況をテストできる機能を新たに搭載。カラーはブラック、グリーン、グレー・ライムで、希望小売価格は6万9800円(税抜、以下同)。胸ストラップ型心拍センサー「Polar H10」とのセットは、希望小売価格7万5800円となる。以下、プレスリリースから。
Vantage V2は、心拍数計測に加えてパワー計測を使い、トレーニング効果や回復レベルを可視化します。新設計のアルミニウム合金素材ボディを採用することで、より安定したGPSの受信が可能になり精度が向上、また重さも52gとトレーニング時に気にならない軽量性を実現しました。バッテリーは、トレーニング時にGPSや心拍計測などの全機能を使った場合は最大40時間、心拍計測をオフ・GPSの記録間隔を変更できる省電力設定にした場合は最大100時間の連続使用が可能です。堅牢性(耐衝撃、防水、防塵など)では、ミルスペック「MIL-STD-810G」に準拠しています。
新機能の「ランニング パフォーマンス テスト」は、徐々にスピードを上げていくビルドアップ走を行い、最大有酸素スピード(MAS)、最大有酸素パワー(MAP)、最大酸素摂取量(VO2max)を計測します。時計画面に表示されたスピードに合わせて走り、表示されるスピードは時間がたつにつれ少しずつ早くなっていきます。表示されるスピードについていけなくなると計測は自動で終了し、MAX、MAP、VO2maxなどの数値をフィードバックします。テスト結果によって、心拍ゾーン、スピード、パワーゾーンが最適化(更新)され、より現状の能力に合ったトレーニングを行うことができます。Vantage V2でパワー計測が可能なため、フットポッドなどのセンサーは不要です。
「サイクル パフォーマンス テスト」は、1時間を全力で走り切ったときに出せる平均パワー(FTP)と、VO2max、パワーウェイトレイシオ(W/kg)を計測します。設定した時間(20、30、40、60分)、ロードバイクなどの自転車に乗り続けます。計測には別売りのパワーメーターが必要になります。
「脚力回復度テスト」はジャンプを3回行うことで、脚の回復度を数値化します。プロのアスリートでもトレーニング前にジャンプの高さを測って、回復度を確認しますが、これをVantage V2で計測することができるようになりました。
そのほか、スマートフォンの音楽再生コントロール機能や、ウェブサービス「Polar Flow」上では様々なテストで計測したデータを一括で分析できるサービスを追加しました(Vantage V2ユーザのみ対応)。
Vantage V2の開発テストには、ポラールのオフィシャルグローバルアスリートで世界トップクラスのレーシングドライバー、バルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)氏が参加しました。ボッタス氏は、トレーニングの時間確保が難しくなる本格的なレースシーズンが始まるときにVantage V2をテストし、次のように述べています。「トレーニングの時間を確保し、睡眠をしっかりとって身体を回復させることは、パフォーマンスを向上させるために重要なことです。しかし、忙しい生活を送っていると、この時間を確保することが非常に難しくなります。そのため、より効率的にトレーニングするために必要なデータとツールが必要になります。Polar Vantage V2 は、この条件を満たしてくれるため、トレーニング時間の確保が難しい時期でも活用することができました」
Polar Vantage V2に新たに搭載された主な特徴は以下の通りです。
■ランニングのパフォーマンスを計測できる「ランニングパフォーマンステスト」
■ロードバイクなどの自転車のパワーデータなどを計測できる「サイクルパフォーマンステスト」
■脚の筋力の回復度を計測できる「脚力回復度テスト」
■スマートフォンの音楽再生コントロール機能
■週間トレーニングサマリーの表示
■ウォッチ画面を使いやすい仕様にカスタマイズ
■ウェブサービス「Polar Flow」にVantage V2ユーザ専用のデータ分析サービスを追加
■省電力設定によるウルトラロングバッテリー 最大100時間(心拍計測オフ+GPS2分間隔記録)
■ミルスペック「MIL-STD-810G」に準拠した堅牢性
■3色10LED(グリーン・レッド・オレンジ)、4フォトダイオードに進化した、心拍計測センサー「Polar Precision Prime™センサー」
■100m防水「WR100」
<Polar Vantage V2製品概要>
製品名
Polar Vantage V2
色
ブラック、グリーン、グレー・ライム(M/Lサイズ)
バッテリー
24時間心拍計測使用で最大7日間
高精細記録によるトレーニング連続使用で最大40時間
(GPS1秒毎、心拍計測オン)
省電力設定によるトレーニング連続使用で最大100時間
(GPS2分毎、心拍計測オフ)
操作
カラータッチディスプレイ+5ボタン
重さ
52g(リストバンド含む)
サイズ
直径47mm×厚さ13mm
防水
100m防水(WR100)
希望小売価格
単体69,800円(税別)、H10心拍センサーセット75,800円(税別)
発売日
2020年11月5日
セット内容
単体:Polar Vantage V2、USBケーブル、スタートガイド
H10セット:Polar Vantage V2、Polar H10、USBケーブル、スタートガイド
<Polar Vantage V2 交換ベルト概要>
種類
カラー
サイズ
希望小売
価格(税別)
交換ベルト
ブラック、グリーン、グレー・ライム、
ホワイト、レッド、ローズ・プラム
2サイズ同梱
(M/L、S)
4,980円
Sサイズ用
ハーフベルト
ブラック、グリーン、グレー・ライム
S
1,680円
関連リンク
Polar Vantage V2
クランクブラザーズからチューブレスタイヤ修理用ツールが登場
パーツブランド「Crankbrothers(クランクブラザーズ)」の日本での販売元を務めるライトウェイプロダクツジャパンは10月9日、チューブレスタイヤ修理用ツールの新製品を発表した。
今回発表された「シガー」は、携行用チューブレスタイヤ専用パンク修理キット。タイヤプラグツール(針状のツール)はストレージケースのフタも兼用している。CO2用アダプター、ボトルケージ台座に対応したブラケットもセットし、チューブレスタイヤの修理アイテムがコンパクトに携行できる。価格は3500円(税抜)。
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