デイリーアーカイブ Apr 2, 2025
E-Bikeや電動アシスト自転車に求められるヘッドライトを徹底解説
夜間走行を行う上で必需品であるヘッドライトは、非常に重要なパーツの1つだ。特にE-Bikeの場合、平均スピードが上がり、夜間走行も苦もなく走ることができるため、高性能なライトを装備するのが良い。しかし、単純に明るいだけのライトではいけない。ドイツ道路交通登録規則(StVZO)では、自転車用高輝度ライトの高角度照射は対向車や歩行者から眩しいため危険とされている。自転車用ライトは、ルーメンやルクスといった数字を参考にして選ぶのが多いが、実際にライトを選ぶ際は、数字だけでは見えない部分が重要だ。今回は、E-Bikeのヘッドライトで必要な基本性能を解説する。
配光性能が高いのは絶対条件
E-Bikeのライトで重要なことの1つが配光性能だろう。配光性能を簡単に言うと、光源から出た光を、路面にどう配るかということ。
一番わかり易いのがカットオフライン。自動車では、対向車が眩しくないようにするために、ヘッドライトの上方に光が飛ばないように設計されている。自転車のヘッドライトはカットラインが出ていない物が多いが、このようなライトは対向車や歩行者から眩しいという問題がある。
ライトの明るさに関しては、遠くまで照らすだけでなく、近くの前輪周辺も照らす必要がある。自転車用ライトだと、遠くを明るく照らすことができる代わりに、近くの前輪周辺が見えにくいタイプがある。夜間のロングライドで前輪周辺が見えないのは予想以上にストレスを感じる。遠くと近くの両方を照らすライトでないと、E-Bikeのナイトライドは楽しくないだろう。
雨天ライドでも安心できる光量が望ましい
ライトの光量に関しては、雨天ライドでも安心できる光量が望ましい。人力自転車の雨天ライドの場合、スピードを落として走るのが一般的だが、E-Bikeだと、雨から逃げるためにアシストモードを最強にして加速、若しくは減速させないで走ることが多い。そのため、通常の自転車用ヘッドライトの光量だと夜間の雨天ライドでは光量が足りず、E-Bikeのスピードでは非常に走りにくい場合がある。E-Bike用ヘッドライトは、雨天でも躊躇せず安心して走ることができる光量が望ましい。
ハイビーム、ロービームがあるのが希望
自動車やオートバイでは遠くを照らすハイビームと、交通量の多い市街地や対向車が来た時に対応するロービームに切り替えることができる。平均速度が人力自転車よりも速くなるE-Bikeだと、ハイビームとロービームが欲しくなる事がある。
日本市場では、ハイビーム、ロービームが装備されたE-Bike用ヘッドライトは非常に少ない。その一方で、海外ではハイビーム、ロービームが装備されたE-Bike用ヘッドライトが存在する。ポルシェ製E-Bikeに搭載されているヘッドライト「SUPERNOVA M99 MINI PRO HIGH BEAM」は、名前の通り自動車やオートバイと同じくロービームとハイビームを搭載したLEDライト。ロービームでは450ルーメン、150ルクス、ハイビームでは1150ルーメン、260ルクスを発揮する。また、ハイビームにはサスペンションフォークのダイブにより、ライトの照射位置がずれる問題に対応するため、フォークの動きを補うように、明暗の境界線上で光を増やすように最適化されている。
https://youtu.be/lfEYF11TsRI
E-Bikeのヘッドライトも自動車やオートバイのように、ヘッドライトオフ、ポジションライト、ロービーム、ハイビーム、ポジションライトからロービーム、ハイビームを自動で切り替えることができるオートが装備されているのが理想だろう。
E-Bikeで従来の電池式ライトを使う理由は?
日本市場でもE-Bike用ヘッドライトは数が少ないながら存在する。E-Bike専用ライトを使用すると、従来の電池式ライトには戻れなくなるが、E-Bikeで従来の電池式ライトを使う理由はあるだろうか。
E-Bikeで従来の電池式ライトを使う理由の1つが、配線が必要ないこと。E-Bike用ヘッドライトは、車体に装着されている内蔵電池を使うため配線を行う必要があり、初心者が配線を行うのは難しい。しかし、電池式ライトなら配線しなくても直ぐに装着して使うことが可能だ。
また、一部のE-Bikeではドライブユニットにライト装着用の端子が無いモデルもある。この場合も電池式ライトを選ぶ必要がある。
また、Specialized Turbo Levo SLのように、ヘッドライトを装着することはできるが、搭載されているバッテリー容量が少なく、オフロード走行用の非常に明るいヘッドライトを装着するとバッテリー容量が足りない例もある。
E-Bikeのヘッドライトは電池式ではなく、配線を使用したE-Bike専用ヘッドライトが主流となるだろう。また、電池式ライトもE-Bike用ライトと同程度の性能を求められるだろう。
ミニバイク風デザインで注目のE-Bikeブランド「ROCKA FLAME」
2021年10月13日から14日に、TRC東京流通センターで行われた「CYCLEFES TOKYO 2021」。数ある出展者の中でも、気になるブランドをピックアップする。
今回、紹介するのはROCKA FLAME。ROCKA FLAMEはイエローソウルクリエイションのブランドで、元々はアパレル関係ブランドだが、E-Bike事業に参入したことで知られている。このブランドの電動アシスト自転車の一番の特徴はデザインに振っているということ。現在販売されている電動アシスト自転車は70年代のミニバイクを連想させる「MAKAMI」「FUMA」の2モデルを展開している。
このタイプの電動アシスト自転車は、いくつかのブランドがライバル車を展開しているが、ROCKA FLAMEの強みは、日本の交通法規に適合し、型式認定を取得している、価格は21万8000円(税込)と、比較的手頃な価格で販売していること、そして、跨ぎやすいステップスルーフレームを採用したモデル「FUMA」を展開していることだろう。
モーターはBAFANG製リアインホイールモーターで定格出力350W。バッテリーは36V 10.5Ahの378Whで、シート下に装備している。
専用オプションも豊富にあり、特にシートは、カラーシートからシンセティックレザー、本革まで用意している。シンセティックレザーのタイプは、クロコダイルタイプまで用意されている。ライトはオプションで、オートバイのような大型LEDライトがオプションで用意されている。自転車という自由度を生かして、フロントはゼッケンプレートを装着して、小型LEDライトを装着するのもいいだろう。また、オートバイ風のデザインを生かして、ダートトラッカーのようにサイドゼッケンプレートを装着するなど、外装カスタムを提唱したら面白いかもしれない。
ROCKA FLAMEの電動アシスト自転車は跨ってみたが、意外と大柄だと感じた。筆者は身長183センチメートルあり、座った感覚では、両足の脚付きはややベタ足ぎみだが、ハンドルとサドルの長さが比較的長めに入り、車体やホイールが重く、跨った状態でハンドルを動かすと普通の電動アシスト自転車よりも重いため、自転車が大柄に感じるのだろう。「MAKAMI」「FUMA」では大柄で乗りにくい人には、2022年に登場予定のBMXスタイルの電動アシスト自転車「HAYATE」をオススメしているとのこと。HAYATEは車体中心部にモーターではなくバッテリーを搭載し、すっきりとしたスタイリングを実現したのを売りにしている。
ROCKA FLAMEの電動アシスト自転車は人気のようだ。これは、従来の自転車を購入する層を狙っているのではなく、かつて存在したホンダ・ズーマーやホンダ・マグナ50といった、かつてのお洒落な原付を求める層に合致しているのだろう。お洒落系の原付は死に絶えたが、電動アシスト自転車はスピードもそれほど出す、ヘルメット着用も任意なので髪も傷まず、ヘルメットも軽い。カッコよくて楽に走れる自転車が欲しい人には、候補に入るブランドだろう。
関連リンク
ROCKA FLAME:http://www.yellowsoul.jp/
シナネンサイクルがE-Bikeに参入予定 MOTINOVA製ドライブユニットを日本初搭載
2021年10月13日から14日に、TRC東京流通センターで行われた「CYCLEFES TOKYO 2021」。数ある出展者の中でも、気になるブランドをピックアップする。
今回、紹介するのはシナネンサイクル。シナネンサイクルは自転車の製造から、小売り店舗「サイクルプラザダイシャリン」を展開している自転車会社で知られている。
今回注目するのは、シナネンサイクルが展開予定のE-Bike。展示されていたE-Bikeは街乗り向けマウンテンバイクやトレッキングバイクのイメージに近いモデルだ。
搭載されているモーターはMOTINOVA VOLANS。MOTINOVAは中国・香港にあるE-Bike用ドライブユニットを製造する会社。スペックは定格出力250W、最大トルク65Nm。モーターのデザインは20万円台のE-Bikeで使う物の中ではスマートな部類に入るだろう。
今回、MOTINOVA VOLANSを搭載したE-Bikeに乗ることができた。場所の関係で短時間しか乗車することができなかったが、モーターノイズはほぼ無音のBOSCH ActiveLine Plus(定格出力250W、最大トルク50Nm)よりもあるが、Shimano STEPS E6180(定格出力250W、最大トルク60Nm)よりも遥かに静かだ。
パワー、トルク感はBosch ActiveLine PlusやShimano STEPS E6180よりも強く感じる。また、Benelli TAGETEに搭載されていたBAFANG M400(定格出力250W、最大トルク80Nm)のように発進時に唐突にアシストを出すわけでないのも良い。20万円台前半のE-Bikeに搭載するドライブユニットとして考えると、よく出来ていると感じた。電池容量や充電時間に関しては不明だ。
シナネンサイクルは、E-Bikeの販売だけでなく、MOTINOVA製ドライブユニットを搭載したシェアサイクルを展開する予定とのことだ。
シナネンサイクル製E-Bikeの発売日時は不明。価格は20万円台前半を目標としている。
関連リンク
シナネンサイクル:https://sinanen-cycle.jp