デイリーアーカイブ Oct 30, 2024
話題の後付電動アシスト自転車「SmaChari」搭載車に試乗! 特徴などを解説
ホンダが2023年3月に発表した既製の自転車を電動化・コネクテッド化するシステム「Smachari」。今回、「SmaChari」を搭載した電動アシスト自転車「KhodaaBloom RAIL ACTIVE-e」に試乗することができた。
「SmaChari」は、高校生の通学課題の解決と、移動の喜びを提供することを目指し、Hondaの新事業創出プログラム「IGNITION」より考案され、構想から4年をかけて開発された。
RAIL ACTIVE-eは、KhodaaBloomのクロスバイク「RAIL ACTIVE」を基にした電動アシスト自転車。車体はRAIL700と同じで、耐久性と極限までの薄さを備えたトリプルパテッド加工の超軽量アルミフレームを採用している。これにより、車体重量は電動アシストシステムを搭載しながらも15キロと、20万円台のEバイクでは軽量となっている。スポーツサイクル専門店「ワイズロード」が販売を予定しており、2023年10月に発売する予定だ。
Smachariのモーターは既存品だが、それぞれ4段階で出力とレスポンスを調整することができるのに加えて、乗り手のペダリング状況や走行状況に応じて自然なアシスト感が得られるようAiモードを搭載するなど、Honda独自の機能を搭載やチューニングを行っている。
今回の試乗コースは、晴海大橋を渡る短いコースを往復するが、緩やかな上り坂が特徴。試乗コースは短かったため、バッテリーの消費などはわからなかった。
アシストの音に関しては、ほぼ無音。恐らく元のモーター自体が街乗り向けのモーターなので、ギアの素材がプラスチック系を採用しているのもあるだろう。電動アシスト自転車のモーターの歯車にプラスチック系素材を使うのは、コストや静音化を実現するためで、街乗り向けのモーターなら特に問題はない。
今回試乗したコースは上り坂がメインとなっている。アシストは4段階で出力とレスポンスを調整することが可能だが、今回は出力、レスポンス両方共に最大で試乗した。
アシストの感覚としては、Smachariモーターのチューニングは、高回転でパワーが出る本格的Eバイク用モーターと、低回転で強力なトルクが出る国産電動アシスト自転車用モーターの中間から、ややEバイク寄りといった感じだ。
ボッシュ アクティブラインプラス、シマノ STEPS E5080、ヤマハ PW-TE・PW-SEなど、本格的なEバイク用モーターと比較すると、坂道で普通に漕いでいる状態でさらに高回転、高トルクで漕ぐと、アシストが少し物足りなく感じる。これはパワーが無いというよりは、意図的に制御したという感覚に近い。逆に、坂道で普通に漕いでいたほうが、いい塩梅にアシスト力が出る特性で、坂道ではそのように走行したほうが楽しいと感じた。元々、Smachariモーターのコンセプトが本格的なサイクリングを楽しむのよりは、自転車通学など街乗り向けで初心者を重視しているのもあるだろう。
逆に国産電動アシスト自転車用モーターと比較すると、SmachariモーターのほうがEバイク特有のスポーティなアシスト感が出ている。国産電動アシスト自転車用モーターは発進時のトルクが強大で楽に走行するのは良いが、Eバイクのように高回転でスポーティに漕ぐのは不向き。国産電動アシスト自転車用モーターを搭載したスポーツ風電動アシスト自転車とSmachariモーターなら、SmachariモーターのほうがEバイク感を感じる。
平地のアシスト感に関しては、長時間走行したわけではないため不明だが、RAIL ACTIVE-eの車体重量が15キロと軽く、モーターのチューニングも良くできているのか、20万円台のEバイクなら、平地のアシスト感は一番伸びると感じた。
Smachariの特徴とも言えるコネクテッド機能は、ホンダ車のカーナビゲーションシステムなどから収集した交通データを参考に、自動車の急ブレーキが多い場所に近づくとアラート音が鳴る機能や、走行データ管理や位置情報の共有などを搭載している。20万円台の電動アシスト自転車やEバイクで、このようなコネクテッド機能が搭載されているのはSmachariモーターぐらいだろう。
RAIL ACTIVE-eは後付モーターを使用した量産Eバイクという珍しい車種だ。後付けモーターは通常のEバイク専用モーターと比較すると限界があるが、RAIL ACTIVE-eは、モーターやバッテリーは、信頼と実績があるものをベースとして使うだけでなく、街乗りやポタリングを中心とした構成やスマートフォンを使用したコネクテッド機能を見ると、上手く勘所を抑えているだろう。
RAIL ACTIVE-eは予定価格220,000円(税込)で、発売日は2023年10月下旬を予定。受注開始は2023年7月21日で、全国のワイズロード24店舗で試乗も開始される。
関連リンク
SmaChari : スマチャリ | Honda公式サイト
電動キックボードは坂道を上れない!? 急坂が上れない理由を考える
特定小型原付の登場により、様々な所で注目されている電動キックボード。ここ最近SNS上で注目されているのは上り坂を上ることができない車種がある事だろう。電動キックボードは坂道に弱いという噂が出ているが、なぜ、このようなことが起こったのだろうか。
二本松市の電動キックボード貸出事業。全くの企画倒れ。トルク不足でスタート地点の霞ヶ城の三ノ丸から本丸天守台までの坂を登れません。また本町商店街へ至る竹田坂や久保丁坂と言った切り通し坂も途中で停まってしまいました。市はロードテストも行わず全く無駄な事をしましたね。 pic.twitter.com/uztFlQ5m2d
— 佐藤 守 (@mamoru800813) July 2, 2023
一定の法律を守れば免許無しで運転できる特定小型原動機付き自転車の出力は法律で規定されており、最大定格出力が600Wと定められている。ただし、定格出力というのは安定して出力し続けることができるという値で、実際には瞬間的には定格出力以上の出力を出しても問題ない。例えば、原付ミニカーの「コムス」は、定格出力600Wだが最大出力は4000Wとなっており、実際には定格出力以上の出力を出すことができる。
https://youtu.be/XKIlF8VKuhM
しかし、電動キックボードのモーターは、最大出力も期待できないだろう。それはインホイールモーターの特性が絡んでいる。
モーターは基本的に大きければ大きいほど、モーターの出力やトルクが大きくすることができる。これは、モーター内部に歯車を複数搭載することで高パワーや高トルクを実現することができるため。しかし、インホイールモーターの場合は、モーターサイズの制約が大きいため高パワーや高トルクを出すことができない。
インホイールモーターを搭載した市販電動モビリティは、舗装路や街乗り向け電動アシスト自転車や、低価格の街乗り向け電動スクーターといった高出力や高トルクを必要としない用途の車種に搭載されている。
電動アシスト自転車やEバイクは、小型のインホイールモーターを搭載している。これは「Eバイク事始め」でも書いたが、電動アシスト自転車やEバイクのモーターというのはあくまでも補助で、人間の脚力とモーターパワーを合わせて走行するため、出力やトルクが少ない小型モーターでも問題ない。さらに多くの電動アシスト自転車やEバイクは変速機を搭載しているため、坂道など大出力や大トルクを発揮する場面では、軽いギアに入れることで失速することもなく走行することができる。
一方で、電動キックボードの場合は、電動アシスト自転車やEバイクよりも更に小型のインホイールモーターを搭載し、基本的に人力による補助なしの自走で移動する。また、殆どの電動キックボードは、ギアが搭載されていないため、坂道でも平地と同じギア比で走行することとなる。
電動キックボードは新しいモビリティとして注目されているが、現時点では車体の使用方法や特性などに限界があるため、坂道が多い場所で快適に使うことは厳しいだろう。
文:松本健多朗
ライトバックパッカー向けアウトドアブランド「ZEROGRAM」 バックパックとサコッシュを発売
ZEROGRAM(ゼログラム)株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長 スコットキム)は、新ギア「YAKIシリーズ」は、登山から日常生活まで様々なシーンで利用可能なバックパックとサコッシュを発表した。
新ギア「YAKIシリーズ」は、強度・耐摩耗性・撥水性を兼ね備えたSpectra Codura Nylon素材を使用したバックシリーズ。シリーズには、「YAKI Backpack 20L」という軽登山からタウンユースまで幅広く使えるロールトップ型バックパックと、「YAKI Sacoche」という口形状が広い巾着型サコッシュが含まれている。
「YAKI Backpack 20L」は、止水ジッパーと取り外し可能なレインカバー付きで悪天候でも安心して使用でき、ハーネス形状のショルダーベルトで荷物が多い時や走る時も安定して利用できる。また、止水ダブルジッパーにより、ロールトップは開閉しやすく、最大限まで荷物をパッキングできる。さらに、サイドにある大きな止水ジッパーは、ワンショルダーの状態でも開け閉めしやすく、外側には5カ所のストレッチ性のメッシュポケットがあり、様々な物を柔軟に取り付け可能だ。
一方、「YAKI Sacoche」は、ボルダリングのチョークバックをイメージした巾着型で、手が入れやすい形状になっている。さらに、本体、前後の大きなポケットとの3室構造で、整理して物を収めることが可能だ。
「YAKI Backpack 20L」は、販売予定価格が2万3,100円(税込)で、重量は683g(レインカバー49gを除く)、容量は20~25L、サイズは52x26x20cmで、色はGRAYとTANが予定されている。「YAKI Sacoche」の販売予定価格は7,370円(税込)、重量は114g、容量は1.5L、サイズは21x16x4.5cmで、こちらもGRAYとTANの2色が用意されている。
関連リンク
ZEROGRAM公式サイト