台北国際サイクルショー2025が開幕した3月26日、自動車用トランスミッション大手のジヤトコ株式会社は、開発中の電動アシスト自転車用ドライブユニットに関し、バッテリーやコントローラー、センサー、操作スイッチなどを含む“駆動トータルシステム”として供給できる体制を整えたと発表した。従来はドライブユニット単体のみの提供を想定していたが、今後はハードウエアからソフトウエア適合開発まで一貫して品質保証できる点が特徴となる。
さらに、従来モデル「GA30」の後継となる次期型「GA45」と、変速機構にCVT(無段変速機)を採用したコンセプトモデル「GA-X Concept」の2種類を公開。小型化と高出力化を目指すGA45は、2027年の市場投入を目標に開発を進めている。一方、ジヤトコが得意とするCVT制御技術を応用したGA-X Conceptでは、より高いトルクへの対応に加えて、自転車のペダル位置へ搭載できるミッドドライブが採用され、これまでとは異なるタイプの車両に適合できる可能性を示した。ま自転車やEバイク(電動アシスト自転車)でのCVTは、変速機単体との組み合わせが一般的だが、モーターとCVTトランスミッションとの組み合わせは非常に珍しい。また、今回発表されたGA45とGA-X Conceptは回生充電にも対応する。


ジヤトコは50年以上にわたり自動車向けトランスミッションや電動パワートレイン技術を培っており、そのノウハウを電動アシスト自転車分野にも展開。2025年度中には、同社初のドライブユニット「GA30」がホダカ株式会社の電動アシスト自転車に搭載される予定だ。今回の発表により、製品ラインナップの拡充とともに事業領域をさらに広げ、幅広いユーザーのニーズに応えたい考えだ。