電動自転車バッテリーで緊急時も家電が使える――アレティ、「チャリパワー」発売へ

家電メーカーのAreti(アレティ、本社・東京都中央区)が手掛けるキャンプギアブランド「キャンキャンパー」は、電動アシスト自転車用のバッテリーを電源として活用できる新型インバーター「チャリパワー(ivt2499)」を開発した。最大500W(瞬間最大1,000W)のAC100V出力を備え、USBポート(USB-AおよびUSB-C)も搭載。災害時の応急電源はもちろん、キャンプや車中泊など、外出先での電源確保にも有用な新製品として注目を集めている。

アレティによれば、「チャリパワー」はパナソニック、ヤマハ、ブリヂストンという国内大手メーカー製の電動自転車用バッテリー(いずれもリチウムイオン電池対応)を自動認識し、スイッチなどの手動切り替えを必要としない設計を実現。特許出願中で、利便性が高く、新たな防災ツールとしての可能性が評価されている。従来、災害時の持ち出し電源といえば大型・重量級のポータブル電源が主流だったが、「チャリパワー」は小型・軽量で非常持出袋に収まるサイズ感。万一の避難時に自転車で移動しながら電力供給源を確保することができる。

すでに応援購入サービス「マクアケ」でのプロジェクトは目標額を大幅に上回って成功。ユーザーからは「ありそうでなかった」「革新的なアイデア」といった声が寄せられ、期待の大きさがうかがえる。これを受けて、12月13日から公式サイトでの予約受付も開始した。

「チャリパワー」は多様な利用シーンに応える。USB-Cポートによる急速充電機能でスマートフォンのバッテリー不足も即座に解消。夜間の電源なしサイトで電気毛布や調理器具を使ったり、車中泊で朝にコーヒーを淹れたりすることも可能だ。静音性に優れ、燃料が不要なため、騒音や排気ガスの心配もない。

また、国内大手3社のバッテリーにはBMS(バッテリーマネージメントシステム)が搭載されており、発熱リスクを抑制。「チャリパワー」本体にも最大・最低電圧保護機能を備え、安全性を重視した設計となっている。

電動アシスト自転車をまだ所有していない人でも、自治体によっては購入補助金や助成金制度が利用可能な場合がある。これを機に、電動自転車と「チャリパワー」を組み合わせれば、災害時の備えからレジャー時の快適性向上まで、一石二鳥のメリットを享受できる。

アレティは、「チャリパワー」を通じて、電動自転車ユーザーやアウトドア愛好家に新たな価値を提供。従来なかった災害・防災分野での活用を含め、暮らしに密着した電源ソリューションの可能性を切り拓く考えだ。

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