ジヤトコ株式会社とホダカ株式会社は9月11日、ジヤトコ製のドライブユニットを搭載した電動アシスト自転車のプロトタイプモデルを公開した。このモデルは、2025年の市場投入を目指しており、量産を前提とした開発が進められている。また、両社はこのプロジェクトに関連する量産ビジネスの実現に向け、覚書(MOU)を締結している。今後、共同で認証取得を目指し、協力して市場展開を進めていく方針だ。
ジヤトコは、世界的に知られる自動車トランスミッションメーカーであり、これまでに1億2,900万台以上のオートマチックトランスミッション(ATおよびCVT)を提供してきた実績を持つ。自動車業界の電動化が進む中、ジヤトコはe-Axleなどの電動パワートレインの供給を進めており、その技術を応用した電動アシスト自転車用の2-in-1ドライブユニット(モーターと変速機が一体化したシステム)を開発。今回のホダカとの提携により、同ユニットはホダカの電動アシスト自転車に搭載されることとなった。
両社は、ジヤトコのドライブユニットを活用し、ホダカが持つ競争力ある自転車開発・生産の強みを融合させて新たな電動アシスト自転車を開発する。この協業により、2024年9月以降、ジヤトコはホダカに対してドライブユニットを供給し、認証取得や評価のためのプロセスが進められる予定だ。さらに、両社は市場拡大に向けたプロモーションや販売活動においても協力し合うことを確認している。
ジヤトコのコーポレート事業推進部門の部門長である小川英二氏は、ホダカとの提携について「ホダカは国内トップクラスの自転車メーカーであり、今回の協業が新しいビジネスチャンスを広げるとともに、ジヤトコのドライブユニットが広く国内市場に認知される大きな一歩となる」とコメントした。
一方、ホダカ株式会社の取締役で企画開発部部長を務める雀部庄司氏は、「ジヤトコのドライブユニットは、モーターと変速機が一体となった2-in-1システムで、コンパクトで自由度の高い設計が可能です。また、自動車業界で培われたジヤトコの高品質な技術にも大いに期待しています」と述べ、プロジェクトへの期待を示した。
ホダカは、1972年に設立された総合自転車メーカーであり、KhodaaBloomやNESTOなどのスポーツバイクブランド、シティバイクブランドのMarukinなど、多様な自転車ブランドを展開している。さらに、同社は自転車文化の発展にも積極的に貢献しており、スポーツ庁の「スポーツエールカンパニー」や「埼玉県環境SDGs取組宣言企業」としても認定されている。