NITE、電動アシスト自転車などの非純正バッテリーの危険性に注意喚起 建物が全焼する火災事故も発生

リチウムイオン電池を搭載した製品は、私たちの生活に欠かせない存在となっています。しかし、近年では安価で入手しやすい「非純正バッテリー」による火災事故が多発しています。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、非純正バッテリーに潜むリスクについての注意喚起を行いました。

NITEによると、2014年から2023年までの10年間で、非純正バッテリーによる事故が235件報告されており、そのうち227件が火災事故に発展しています。中には建物が全焼する事例も見られました。リチウムイオン電池は可燃性の電解液を含んでおり、一度発火すると大規模な火災に繋がる恐れがあるため、特に注意が必要です。

非純正バッテリーのリスクには、設計上の問題や品質管理の不備が挙げられます。具体的には、安全保護装置が適切に作動しない場合があり、通常の使用中でも事故が発生する可能性があります。また、事故が発生した際に、事業者からの補償を受けられない、あるいは連絡が取れないといった事態も多く報告されています。これらのバッテリーは、純正品と比較して低価格である一方、非常に高いリスクを伴うことを認識する必要があります。

実際の事故例を見てみると、2019年4月には兵庫県でネット通販で購入した電動アシスト自転車用バッテリーが充電中に出火し、床を焼損する事故が発生しました。また、2020年4月には岐阜県で購入後初めて充電した充電式電動工具用バッテリーが異音を発して出火し、周囲を焼損、軽傷を負う事故が起きました。さらに、2023年9月には兵庫県で保管中の充電式掃除機用バッテリーが突然出火し、製品が破損する事故が発生しています。

これらの事故を防ぐためには、非純正バッテリーの設計や品質管理に問題があることを理解し、適切な安全保護装置が搭載されているか確認することが重要です。また、使用するバッテリーがリコール対象ではないか、事前に確認することも推奨されます。リコール対象製品を使用している場合は、直ちに使用を中止し、販売店や製造・輸入事業者に相談することが求められます。

NITEは、製品事故に特化したウェブ検索ツール「NITE SAFE-Lite」を提供しており、製品名で事故情報やリコール情報を検索することができます。消費者はこれらの情報を活用し、安全に製品を使用するための知識を深めることが大切です。

充電器の誤接続による事故にも注意が必要です。適切な充電条件を確認し、仕様の異なる充電器を誤って接続しないようにすることが重要です。特に、付属の充電器よりも高い電圧の充電器を使用すると、リチウムイオン電池セルが過充電状態となり、発火や破裂の原因となります。充電の際には、出力電圧などの適切な充電条件を確認し、仕様の異なる充電器を使用しないよう心がけましょう。

非純正バッテリーは低価格である一方、非常に高いリスクを伴うことを理解し、安全対策が十分な純正バッテリーを使用することが強く推奨されます。また、リコール情報や製品に関する注意喚起を確認することで、事故のリスクを低減させることができます。消費者が適切な知識を持ち、安全に製品を使用することが重要です。

「低価格・高リスク」の非純正バッテリーに注意~建物が全焼に至った火災も~ | 製品安全 | 製品評価技術基盤機構 (nite.go.jp)

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