東武鉄道とMaaS(Mobility as a Service)研究開発企業のPathfinderは3月11日、サイクリスト向けのサイクルキャリア付き片道レンタカー「NIKKOカタレン」の予約受付を開始した。東京と日光間を移動しながら、日光のサイクリングスポットを自由に巡ることができるサービスだ。
日光は春になると、いろは坂や日光杉並木など、サイクリストに人気の観光地が多数点在する。「NIKKOカタレン」は、こうしたスポットを効率よく回れるよう、自転車を簡単に積載できるサイクルキャリア付きのレンタカーを用意。東京から日光へ車で移動したり、東武鉄道で自転車とともに来訪し、現地で借りたレンタカーに乗り換えて周遊したりと、多様な旅程を可能にする。
利用ルートは、東京の北千住駅から日光の下今市駅間の片道コース、下今市駅発着の周遊コースの2種類。特筆すべきは片道利用の場合、乗り捨て料金が無料なこと。東京と日光でレンタカーをリレーする仕組みにより、回送コストを抑えているためだ。
レンタル料金は24時間で6,160円からとリーズナブル。ほかのレンタカーサービスと比べても割安感がある。サイクルキャリアで自転車を最大3台まで積載できるため、ロードバイクやマウンテンバイクを気軽に運べる。
サービス開始は3月25日だが、予約受付は本日より開始。利用車種はコンパクトカーをラインナップしている。
Pathfinder社は「『日光市サイクルタウン』構想の一環として、サイクリストに優しい観光地づくりに向けた新たな移動スタイルを提供したい」と狙いを説明。東武鉄道との連携で、電車・レンタカー・自転車を組み合わせた周遊ルートを実現した。
同社が展開する「カタレン」は、レンタカー事業者と提携し、回送車両や上下の片道利用者をマッチングするプラットフォーム。車両を効率活用することで、事業者のコスト低減と収益拡大を後押しする。
サイクリストにとって、行きたい場所から自転車で旅を始められるのは大きな魅力だ。一方、車の回送コストを削減できる新たなレンタカーの形としても注目される。自転車ブームとレンタカー需要をうまく掛け合わせた、画期的なサービスの登場と言えそうだ。