東京ビッグサイトで開催されたジャパンモビリティショー2023において、スズキブースが新しい乗り物「e-PO」を披露したことが注目を集めていた。このe-POは、パナソニックサイクルテック株式会社の電動アシスト自転車「オフタイム」をベースに、スズキ独自の電動アシスト制御を施した電動モペッドだ。
e-POは、無免許で運転できる電動アシスト自転車とは違い、免許が必要な第1種原動機付き自転車扱いとなる。そのため、ペダルのみの走行に加えて、電動アシスト走行とフル電動走行モードを備えている。
電動アシスト状態でも、e-POは法律で定められた電動アシスト自転車のアシスト速度である時速24キロの制限を超えてもアシスト機能がオフにならない。この件に関して開発者に伺った所、開発テストなどを行ってくうちに電動アシストの良さを見直したため、従来の電動アシスト自転車のようにアシスト機能を備えたとのこと。アシスト比率は無免許で運転できる電動アシスト自転車のように最大2倍+アシスト比率低減とは違い、3倍のアシスト比率を採用しているようだ。
e-POにはスズキの電動アシスト自転車「ラブ」やパナソニックの電動アシスト自転車と共通のバッテリーが使用されており、16Ahの大容量バッテリーが装着されている。安全性の面では、ベースモデルのオフタイムが備えるVブレーキからディスクブレーキや前照灯の変更を実施。但し、車体に関してはベースのオフタイムとは全く変わっていない。
大手企業の乗り物は通常の法律で定められている基準よりも厳しい独自基準が存在していることがあり、自転車ベースの電動原付はそのような独自規格を満たさないのではと思ったが、ブレーキなどの小変更を行うだけで問題ないというのは、元の車体が頑丈だということだろう。そのため、オフタイム同様、折り畳みが可能なため、車のトランクに積んで移動することができる。
世界的に電動モペッドは電動アシスト自転車(Eバイク)と比較すると非常にマイナーな乗り物で、このような乗り物を作るメーカーは中小企業が多い中、世界的大手企業のスズキがコンセプトモデルながら発表するのが面白い。
日本では様々な中小企業が電動モペッドを販売しているが、大手企業で大規模な販路があり、開発能力があるスズキが電動モペッドに参入したら、ライバルを踏み潰すだろう。
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