「パナソニック・チタンフラットロードEB」Eバイク時代には早すぎたチタン製電動アシストスポーツ自転車

パナソニックの電動アシスト自転車の中でも異色だったのが「チタンフラットロードEB」でしょう。

松下電器が2008年に発表した電動アシストスポーツ自転車「パナソニック・チタンフラットロードEB」は、振動吸収性に優れたチタン素材の特性を活かしたスポーツタイプのモデルです。

車体は、フレームの形状が楕円から正方形に変化する「クワドレート」という技術を採用し、剛性と軽量化を両立させており、この技術で、応力分布を3次元的に解析し、肉厚を調整することで、軽量化を実現しつつも高い強度を保持し、チタン素材の柔らかさを活かした振動吸収性の良さを持つと謳っていました。

車体はオーダーに対応しており、フレームのサイズは身長に合わせて3タイプ、カラーは56色から選択可能で、光沢仕上げやマット仕上げ、さらに特別なポリッシュチタン素材の仕上げも用意されていました。バッテリーも軽量タイプと長距離タイプの2種類から選べ、カラーもチタンとブラックの2色を用意しています。タイヤ、サドル、ロゴカラーも選択可能で、フレームにはネームを入れることもできたため、オリジナルモデルを作ることができたようです。

「チタンフラットロードEB」まだ、電動アシスト自転車が世界的に注目されておらず、登場時はキワモノ扱いされており、価格も58万円(税込み)からと決して多くは売れなかったモデルです。2008年当時はボッシュEバイクシステムも誕生しておらず、ヤマハ発動機はEバイク用モーターに参入していなく、電動アシスト自転車シリーズのPASだけでした。モーターやバッテリーも既存の電動アシスト自転車の物を使用しており、デザイン性をスポイルしていたのもキワモノ車両に見えたのもあるでしょう。2023年の現代なら力強いスポーツタイプのモーターやバッテリーが存在し、欧州市場ならこのような高価格帯のEバイクを購入する市場があります。チタンフラットロードEBは15年早すぎた電動アシスト自転車と言えるでしょう。

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