ヴァンムーフの特徴であり、故障が多いことで知られている電動変速機「Eシフター」を交換する事例が、ウェブで紹介されています。
ヴァンムーフはEバイク業界でスマートデザインと先端技術の融合で名を馳せ、新型コロナウイルスの波に乗って売上を拡大。2021年9月には約160億円もの資金を調達し、その時点で世界で最も資金力のあるEバイク企業とされていました。しかし、2020年4月に登場した「S3」と「X3」モデルの品質不備が原因で、保証期間内の修理・交換コストや「Peace of Mind保証」という特別プランによる損失が膨らみ、2023年7月17日には企業は破産に追い込まれました。
ヴァンムーフの中でもトラブルが多いことで知られているE-シフターですが、これを、手動シフトに変更する方法があります。1つ目は、内装2段自動変速の「スターメーアーチャーA2K」に交換する方法です。
2-speed DIY? : r/VanMoofSelfRepair (reddit.com)
Redditによると、交換する際は、まずE-シフターを取り外し、水が侵入しないようにケーブル部分に防水テープで保護し、ハブのOLD(Over Locknut Dimension)が135mmであるA2Kと、S3のドロップアウト間のサイズが140mmであることを考慮し、ドライブ側に5mmのスペーシングワッシャーか、同じく5mm厚のナットを挿入。また、E-シフターを外した際には、エラーコード44が表示されることがあるとのことですが、最新のファームウェアを使用している場合に限り、静止しているときだけで、特に問題はないとのことです。
2つ目が、シマノのスポーツ自転車用内装変速機「アルフィーネ」に交換する方法で、複数のユーザーが行った事例があり、こちらは変速レバーの加工、チェーンテンショナーなどの装着や加工を行う必要があります。
ヴァンムーフのE-シフターに不安がある人にとっては、スターメーアーチャーA2K、シマノ・アルフィーネの交換に関しては、希望があると思うかもしれませんが事は単純ではありません。
まず、変速機の交換に関しては、車輪を製作する必要があるため、車輪を組み立てる技術や費用が高額になり、個人が気軽に行うことは難しいです。
スターメーアーチャーA2Kはシフトレバーが不要なため、比較的小加工で行うことができる可能性がありますが、スターメーアーチャーA2Kは日本国内で正規販売されていないため、保証が無い並行輸入で入手する必要があります。
シマノ・アルフィーネに関しては、変速機は日本国内で入手することができますが、ヴァンムーフの特徴である独自規格の部品が改造の邪魔をしており、シフトレバーの装着やキックロックの干渉が問題になります。ヴァンムーフの特徴である独自規格の部品が最大の障壁となっています。
ヴァンムーフのE-シフターから他社製への変更は、カスタマイズの中でも非常に難しいと言ってもよく、殆どの自転車店に断れる可能性があります。そのため、E-シフターをだましだまし使うのが一番良いですが、部品供給が途絶えた場合は他社製シフターに交換を考えてみるしかないでしょう。
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