ヴァンムーフ破産、しかしEバイク市場の勢いは止まらず!今後の展望は?

欧州で注目されているEバイク(電動アシスト自転車)は、今や一大産業として注目されている。様々な新興企業が登場している一方、経営の失敗により破綻する企業も存在する。

有名なのが、オランダのハイテクEバイクメーカーのヴァンムーフ。同社はスマートなデザインとハイテクを売りにしたEバイクで知られており、新型コロナウイルス感染症の影響により売上を伸ばし、2021年9月に1億2800万ドル(日本円で約160億円)の資金調達を実施した。

しかし、2020年4月に発表したEバイク「S3」と「X3」で、配送中に発生した傷や損傷、故障など様々なトラブルが発生し、保証期間中の修理・交換費用のコストや、低価格で最大3年間の無料メンテナンスと、盗難にあったバイクが2週間以内に回収できなかった場合の代替モデルを用意するプラン「Peace of Mind保証」による多額の損失による影響で、2023年7月17日に破産した。

Eバイクに参入したがヴァンムーフのように失敗する企業が存在する一方で、Eバイクで躍進した企業も存在する。Eバイクで躍進した先駆者と言えるのが、イタリアのファンティック・モーター(以下、ファンテック)だ。

小排気量のオートバイメーカーとして登場したファンテックは、閉業や経営不振があったが、現在はかつて、ヤマハ・モーター・ヨーロッパが保有していたイタリアの二輪車エンジン製造会社の「モトーリ・ミナレリ」を買収するなど、大きく躍進。オートバイもオフロードオートバイから、スクランブラータイプの「キャバレロ」に、電動スクーターやEバイクなど、多種多様なモデルを揃えている。

ここまで大きくなったのは、現在の親会社であるイタリアの投資会社「Veネットワーク」の傘下になったのが大きい。オートバイメーカーがEバイクに参入していなかった2010年代前半、VeネットワークはEバイク事業の参入を実施。現在ではファンティックの基幹事業となっている。

2023年現在、ハーレーダビッドソンやMVアグスタ、ドゥカティなど様々なオートバイ企業がEバイクに参入しているが、これは先駆者であるファンティックの影響が少なくないだろう。

ヴァンムーフの破産は様々な所に影響を与えているが、世界的なEバイクブームの流れを抑えるほどでない状況となっている。2023年8月8日現在、ヴァンムーフは複数の企業が買収交渉を行っているのが良い例だろう。

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