Euroveloは、ヨーロッパでEバイクの人気が高まる中、このトレンドがサイクルツーリズムをどのように形成しているかを検証した記事「電動自転車はサイクリングツーリズムにどのように影響しますか?(原題:How do e-bikes impact cycling tourism?)」を3月8日に公開しました。
EuroVeloは、ヨーロッパ大陸全体を接続して統合する17の長距離サイクルルートのネットワーク。このルートは、サイクルツーリストだけでなく、毎日の旅をする地元の人々が利用できます。EuroVeloは現在、17のルートで構成されており、合計90,000kmを超えるサイクリングの旅程で構成されています。
欧州自転車産業連盟(CONEBI)の報告書によると、欧州のEバイク市場は著しい成長を遂げています。2021年に販売された2,200万台の自転車の中で500万台がEバイクであり、さらなる増加が予想されます。この傾向は特にドイツで顕著で、Zweirad-Industrie-Verbandによると、2021年に販売された自転車の42.5%がEバイクでした。
Eバイクの利用拡大は、都市部の通勤にとどまらず、サイクルツーリズムの新たな可能性を切り開くものとなっています。Eバイクは、長距離のツアーや困難な地形でも、身体への負担を軽減し、楽しみを増やすことで、より多くの旅行者が利用できるようにします。そのため、休暇や日帰り旅行でE-BIKEを利用する人が急増し、より遠くまで行くことが可能になります。
国家統計がこの傾向を裏付けており、ADFC-Radreiseanalyse 2022の報告によると、ドイツの自転車旅行者の42パーセントが2021年の休暇にEバイクを利用しています。同様に、オランダFiets Platformによると、同年のレジャーサイクリング旅行の52%がEバイクで行われています。
Eバイクの人気が高まるにつれ、サイクリングツーリズム業界は、このトレンドがもたらすユニークな要件を満たし、チャンスをつかむために適応する必要があります。E-bikeは、重量、コスト、充電の必要性などの点で従来の自転車とは異なり、Eバイクサイクリストを受け入れるために必要なインフラやサービスに影響を及ぼします。
Euroveloは、Eバイクは従来の自転車よりも重く、高価な傾向にあるため、質の高い駐輪場が必要になります。また、電車やバスでEバイクを輸送する場合、車体重量が重いため、会社によっては車内に持ち込むことができない場合もあるため、宿泊施設や駅、訪問先、飲食店などでの移動手段の改善や安全な駐車場の確保が必要とのこと。
また、バッテリーの充電インフラに関しても重要です。Eバイクの充電には、充電器とコンセント、場合によっては海外旅行用のプラグアダプターが必要となり、充電用の電気を供給する施設は、Eバイクサイクリストを引きつけることができます。
日本ではマイナーですが、海外では公共の充電ステーションが登場していますが、その設置には慎重な計画が必要とのこと。海外ではEバイク用充電ステーションは、30分から90分で充電できる急速充電ステーションと、8時間かかる家庭用プラグのある「クラシック」ステーションの2種類がありますが、急速充電ステーションは高価であり、盗難や破損のリスクも高くなるため、サービス提供者はターゲットとする顧客層に合わせて適切な機器を慎重に選択する必要があるようです。
Euroveloは、Eバイクユーザーを含むサイクリング観光客を誘致するためには、質の高いインフラに投資することが優先されるべきとコメントしています。宿泊施設やレストランなどの観光事業者は、Eバイクの充電設備やサイクリングに適したサービスの提供を行うと、さらなる顧客を獲得し、知名度を上げることができ、サイクルツーリズムを促進することができるとのことです。
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