ドイツ自動車連盟は、2022年夏に電動アシストカーゴバイクのテストを実施。評価を公開しています。
欧州市場では電動アシストカーゴバイクが、日常的な作業やお出かけの際のクルマの代替手段として人気が高まっており、ドイツでは2020年には8万台が販売されていると言われています。
セカンドカーの代替としての可能性はある電動アシストカーゴバイクですが、積載時の安定性、大きな荷物を運ぶ際の実用性、子供を運ぶ際の安全性などに懸念が残されています。ADACは2022年に、電動アシストカーゴバイクの適性を評価するためテストを実施。2輪の「ロングジョン」タイプ6台と3輪の電動アシストカーゴバイク5台の性能を評価しています。
総合得点で1位を獲得したモデル「e-Muli」は、全長が短く小回りが利くため、普通の自転車と変わらないハンドリングでテスト参加者に好印象を与えました。また、子供の運搬に適した折りたたみ式バスケットや、有害物質を含まない部品の採用も高く評価されました。ただし、センタースタンドの取り回しは改善すべき点として指摘されています。
一方、Bullittモデルは、シートベルトに有害な可塑剤が含まれており、子供が触れる可能性のある緩い端が見つかったため、テスターから唯一の「悪い」評価を受けました。その後、メーカーは汚染されたベルトを無償で交換すると発表しています。
3輪タイプの電動アシストカーゴバイクに関しては、テスト参加者による走行テストにおいて、ハンドリングに関して当初は否定的な評価だったとのことです。今回テストで使われたモデルは、ダブルピボットステアリングなど様々な機構を搭載しているにもかかわらず、ハンドリングは自転車と同等ではなく、最初の旋回操作は困難であり、運転には練習が必要とのこと。
3輪タイプのテストでの勝者はChike e-kidsで、ハンドリングや子供乗せバックルなど、子供乗せの機能が充実していることが評価されました。
一方でテストに負けたのはヴォーグ・キャリー3で、ブレーキテストの結果、ADAC評定で「不十分」に格下げされました。ディスクブレーキを装備しているにもかかわらず、DIN 79010に基づく必要最小限の遅れを満たしていなかったのです。また、照明や重量情報、サドルに発がん性の疑いがあるナフタリンが含まれているなど、汚染物質についてもメーカー側の改善が必要とのことでした。
ADACは子供を乗せる前に、コーナリング時の姿勢や速度、ブレーキのかけ方など、正しい運転方法を練習しておく必要があると述べています。また、カーゴバイクで輸送するためには、原則として生後9ヶ月から一人で安定して座ることができるようにしなければならず、3点式ベルトで固定し、さらにラップベルトで固定することで、子供をしっかりとカーゴバイクに固定する必要があるとのことです。
テスト内容や結果はADAC公式サイトで公開されています。
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