オートバイよりも重い荷物を運搬することができるカーゴバイク。日本ではマイナーな存在だが、海外では多種多様なモデルが用意されている。その中でもGLEAM Multi Use Bikesは、後輪にダイナミック・ティルティング・テクノロジー(DTT)を採用していることで注目されているカーゴバイクタイプのEバイクだ。
GLEAMは2010年、ウィーンの自転車メッセンジャーが、より良い活動を行うために理想的な車両を開発する必要に迫られ誕生したブランド。GLEAMの創設者であり、自身も熱心なサイクリストであるマリオ・アイブルは、その技術的な専門知識と起業の経験を生かしてGLEAMを開発しEMILIAプロジェクトなど、さまざまな研究開発プロジェクトで権威ある賞を受賞している。
2019年にKIC InnoEnergy SEが参画し、車両のシリーズ移行を開始。同年、GLEAMはベンチャー・ビルダーWhatAVentureの会社設立プロジェクトに選ばれることに成功。同年、デザイン、詳細設計、「製造のための設計」のために、二輪車業界で長年の経験を持つチームである、定評あるエンジニアリング企業リカルドとパートナーシップを結んだ。
2022年には、生産拠点をオーストリアの首都ウィーンに移し、オーストリア国内でのみ生産されている。
GLEAMは、クルマに依存しない都市運動を実現したいと考えており、モビリティを変革し、2025年までに100.000トンのCO2排出を削減することを目指している。同社は、GLEAM Multi Use Bikeを使用すれば、市街地で1万キロ走行した場合、一般的なディーゼルバンと比較して1500キログラムのCO2排出量を削減することができると謳っている。
GLEAM Multi Use Bikeの一番の特徴が「ダイナミック・ティルティング・テクノロジー(DTT)」。GLEAM Multi Use Bikeは前1輪、後ろ2輪の3輪カーゴバイクだが、後輪2輪には左右独立懸架を採用。7年以上の歳月をかけて開発されたDTTは、あらゆる路上の障害物を容易に克服することを可能だと謳っている。
荷台部分にはFLEX(Fast Lock Extension System)を採用。広々とした荷台に搭載されたFLEXシステムは、GLEAMをマルチユースバイクにするための様々なカスタマイズを可能にする。
モーターはBosch Cargo LineかPolini EP-3+のいずれかのE-Bike用モーターを搭載することができ、オプションでGPSトラッカーも用意。荷台長は100センチか120センチのいずれかを選択可能。車体重量は70キロ。最大積載量はドライバーを含んで200キロ。価格は7490ユーロ(日本円で約107万円)。日本での発売は不明だ。
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