精密小型モータの開発・製造において世界一のシェアを持っていることで知られている日本電産。E-Bikeに関しては、ボッシュやブローゼといった会社が先に参入し、遅れを取っている状況となっている。
日本電産のE-Bike用モーターに関しては、海外メディアで情報が公開されていたことがあったが、現在は、日本電産の自転車用モーターおよびその他の自転車用コンポーネントの世界的な販売代理店のHHHが取り扱いを行うようだ。
日本電産製のE-Bike用モーターは、インホイールモーターの「55R」、車体中心に装着したミッドドライブタイプの「51R」「41R」の3種類が用意されている。その中でもミッドドライブの51Rと41Rは、センサー関連は、トルク、ケイデンス、 角度、スピードの4つのセンサーを装備。また、ブレーキカットオフや、ウォークアシスト機能も用意している。
カーゴバイク用E-Bikeドライブユニットと謳う41Rは、サイズは225×92×148ミリ、重量は5キロと大型だが、定格出力250W(36V)、350W(48V)、最大出力750W、最大トルクは95Nmを発揮する力強いモーター。
一方で、51Rはコンパクトなサイズながら従来型モーターと同等のパワー・トルクを実現。サイズは185×96×135ミリ、重量は3.1キロ、定格出力250W(36V)、350W(48V)、最大出力700W、最大トルクは90Nmを発揮する。
日本電産はE-Bike用モーターに関しては後発だ。E-Bike用モーターは様々な企業が手を出している中、41Rは世界的に珍しいカーゴバイク向けドライブユニットという特徴がある。一般的にカーゴバイク用ドライブユニットと言えば、既存の電動アシストマウンテンバイク(E-MTB)向けモーターをカーゴバイク用にチューニングするのが一般的で、カーゴバイク向けモーターを売り出すのは珍しい。
51Rは、近年のトレンドであるコンパクトなモーターのデザインと従来型E-Bike用モーターと同等の高出力、高トルク化を実現。小型E-Bike用モーターの多くは、最大出力と最大トルクを抑えた物が多い中、51Rは貴重なモーターと言えるだろう。執筆時点でのライバルはBAFANG M820、YAMAHA PW-X3、PW-S2で、51Rはこれらライバルと比較すると重量3.1キロと重いが、最大トルク90Nmとライバルよりも高トルクを謳っている。
日本電産製E-Bike用ドライブユニットは、エンビジョンが開発を行っている3輪スポーツカーゴE-Bike「STREEK ACTIVE CARGO TRIKE」(記事)に、Nidec 41Rを搭載すると言われている。
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