シマノ 新型E-Bikeユニット「EP6」、EP8の改良版「EP801」登場 パワーアップしたモーターに自動変速、ABSに対応したE-Bikeドライブユニット

シマノは7月12日、E-Bikeユニット「EP6」、「EP8」の新モデル「EP801」を発表した。

出典:https://bike.shimano.com/en-EU/components/e-bike 以下同

シマノは、海外市場向けでEP8、E7000、E6100、E5000など、様々なE-Bike用ドライブユニットやコンポーネントを製造している。

今回、登場したEP6は、最上級グレード「EP8」の内容を受け継いだ普及帯グレード。従来の普及帯グレードのモーターといえば、最上級グレードと比較して、ソフトウェア、システムやパワー、トルクを落とすのが一般的だったが、新しく登場したEP6は、最大トルク85NmとEP8と変わらず、アシストチューニングなどをスマートフォン上で行うソフトウェアや、オプションで用意されている自動変速システム、ABSなどを上位グレードである「EP8」と同じにしており、上位グレードのEP8を喰うほどの内容となっている。

また、従来のEP8も、新たにEP801として登場。アシストチューニングなどをスマートフォン上で行うソフトウェアの進化や、オプションで用意されている自動変速システム、ABSなどを搭載できるだけでなく、最大出力の増加や放熱性を向上させたビッグマイナーチェンジモデルだ。

シマノのE-Bikeユニットの中でもかつての最上位モデル「E8000(日本国内仕様はE8080)」は、2016年に登場し、2020年にEP8にモデルチェンジした。E-Bikeはドイツで年間販売台数200万台を突破し、ポルシェがE-Bike関連企業を次々買収するなど、マイクロモビリティで一番白熱している市場で、海外では高い評価を得ているEP8が僅か2年でビッグマイナーチェンジを行うほど、いかに市場が加熱しているのかがわかるだろう。

上位グレード性能・機能を受け継いだ「シマノ EP6」

EP6は、上位グレードのドライブユニット「EP8」を受け継いだE-Bikeドライブユニット。DU-EP801と同様、軽量・静粛・コンパクトなモーターによる自然で洗練されたアシスト性能と低いペダリング抵抗を実現しており、上位グレードのEP8と同じく、E-TUBE PROJECTによる新たなカスタマイズオプションとFinetune Modeや、CAN/ACCポートや第2世代バッテリーマネジメントシステムに対応するなど、EP8のマイナーチェンジモデル「EP801」と同等の機能を搭載した。

スペックは、重量3キロ・定格出力250W、最大トルク85Nm。EP8よりは重量は重いが、最大トルクはEP8と同等を実現した。

シマノ EP8のマイナーチェンジモデル「EP801」

EP8は、アメリカ、欧州を中心に海外で展開されているE-Bike用ドライブユニット。シマノ製E-Bike用ドライブユニットの中でもEP8は、トップグレードに相当するE-MTB向けモデルだ。

今回登場したSHIMANO STEPS EP801は、新たにCAN/ACCポートや第2世代バッテリーマネジメントシステムに対応するなど、EP800の改良を施したビッグマイナーチェンジモデル。

スペックは、重量2.6キロ・最大トルク85Nmと、従来型のEP800と同じだが、EP801には、放熱性の高い素材の採用や成形面積の拡大、モーターハウジングの再設計により、放熱対策を実施。登り坂での温度上昇に対応し、最大トルクを長時間維持することができると謳う。

出力は定格出力250W、最大出力600W。従来型EP8(EP800)は最大出力500Wだったため、100Wのパワーアップを実現。

EP801、EP6は、自動変速やアシストチューニングの多様化などハイテク装備を搭載可能に

また、EP801、EP6にはCANポートとACCポートを新たに搭載。CANポートは、電子機器とEPドライブユニット間の高速通信を可能にし、CAN接続された機器は、SHIMANO STEPSと通信し、速度、SOCなどのデータにアクセスできるほか、DUに限定してアシストモードの変更、電源やライトのON/OFFをすることが可能だ。

E-TUBE PROJECT Appは、システム設定を個々のニーズに合わせてワイヤレスで調整し、ファームウェアを簡単にアップデートすることができる。また、2022年秋にリリース予定のE-TUBE PROJECT Version 5.1.2では「FINE TUNE MODE(ファインチューンモード)」が登場する予定。

FINE TUNE MODEでは、最大15パターンのアシストパターンを用意し、より精度の高い制御が可能となる。グループライダーのペースに合わせた快適なケイデンスでアシストしたり、特定のルートやコースに合わせたアシストパターンを設定することができる。

そして、EP801、EP6に搭載可能な電動コンポーネントでは、FREE SHIFTを搭載した12スピードドライブトレイン用のHYPERGLIDE+による迅速で軽量な変速と、FREE SHIFTとAUTO SHIFTを搭載した11スピードドライブトレイン用のLINKGLIDEテクノロジーによる滑らかで耐久性のあるシフティングの2種類を用意した。

FREE SHIFTは、変速を行う際に漕ぐという従来の外装変速機の欠点を解消。シフティングを行う際、チェーンリングだけが僅かに動くことでペダルを踏まずにシフティングでき、どんな状況でもシフティングが可能なシステムを実現。

また、マニュアルオーバーライド搭載AUTO SHIFTはケイデンス、トルク、スピードを記録する先進のセンサー技術により、確実に正しいギアで走行することが可能な自動変速機を売りにしている。

他にも、E-Bike用ABSを製造する会社「Blubrake」とコラボレーションを行ったABSシステムも用意した。

シマノ EP6、EP801搭載車の日本での発売は不明。

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