サイクルモード東京2022「XDS Japan」ブースでは、E-Bike「Advance 800」が展示されていた。
XDSは1995年に登場した中国の自転車会社。E-Bikeに関してはかつてマウンテンバイクタイプの「Surge」を展開していた。今回、登場したAdvance 800はSurgeの後継モデルと言っていいだろう。
バッテリーはフレーム内蔵型で、すっきりとした見た目を実現した。容量は288Whとなる。
ハンドルに装着されているスイッチは、スピードメーターなどが無いシンプルなタイプとなっている。モーターは中国・BAFANG RM G020.250.。定格出力250W、最大トルク45Nm。リアインホイールモーターとなっている。
今回、サイクルモード東京2022でAdvance800に試乗することができた。Advance800はマウンテンバイクのデザインを採用しているため、E-MTBと表記する所もあるが、実際は街乗りやサイクリング用E-Bikeとして見る必要がある。実際にXDSの営業担当者はXDS Advance800は街乗り・サイクリング用だと語っていた。
XDS Advance800の価格は18万1500円(税込、以下同)だが、このE-Bikeで本格的なオフロード走行は難しい。2022年4月12日時点で、本格的なオフロード走行が可能なE-MTBは、最低クラスがNESTO X-VALLEY E6180(記事)で、価格は32万8000円だ。
XDS Advance800を本格的なE-MTBとして見ると、モーターのパワーやトルクが不足している。後輪インホイールモーターなので、ホイールにダメージが発生するとリム交換に多額の費用がかかる。ホイール交換によるチューンナップがほぼ不可能。バッテリー容量が288Whなので、急坂走行などのオフロード走行を行うと、バッテリーが一気に消耗する。フロントサスペンションは乗り心地重視の街乗り用なので、オフロード走行で役に立たない。ワイヤー引きの機械式ディスクブレーキは制動力不足でオフロード走行には約不足という問題がある。因みに、NESTO X-VALLEY E6180は、E-MTBの最低限のクラスは保っている。
一方で、街乗りやサイクリング用E-Bikeとして見ると、モーターのパワーやトルクは必要十分。ホイール交換は行わないので特に問題ない。266Whのバッテリー容量は少なめだが、価格帯を考えると仕方ない所。フロントサスペンションやワイヤー引きの機械式ディスクブレーキは、街乗りやサイクリング、ちょっとした林道ならこれで十分だろう。
街乗りやサイクリング向けE-BikeでMTBスタイルの利点は、太いタイヤで乗り心地が良く、パンクに強い利点がある。10万円台のE-BikeではBenelli MANTUS 27 TRKがサスペンションを装着しているが、MANTUS 27 TRKはママチャリと同じタイヤ幅のため、乗り心地やパンクしにくさはXDS Advance800が有利だろう。
XDS Advance800のスペック
- フレーム:6061アルミフレーム
- フロントフォーク:80mm トラベル サスペンションフォーク
- 重量:21.7キロ
- ブレーキ:機械式ディスクブレーキ
- ギア(前):38T
- ギア(後):11-34t 8速
- フロントホイール:-
- リアホイール:-
- タイヤ: KENDA K1162 27.5″×1.95″(ETRTO:584) E/V tube
- ドライブユニット:BAFANG RM G020.250.(定格出力250W、最大トルク45Nm)
- アシスト方式:リアインホイールモーター
- バッテリー:36V 7.4Ah 266Wh
- 充電時間:約5時間
- アシストモード:5段階
- 航続距離:最大60キロ
文:松本健多朗
関連リンク
- XDS Japan http://www.xdsjapan.com/