電動アシスト自転車やE-Bikeを購入する際、実施しておきたいのが試乗だ。E-Bikeはブランドやジャンルによって、乗り心地が大きく違う。また、実際にE-Bikeを所有している人が少ないため、気軽に友達から借りて試すのも難しい状況だ。
そのため、E-Bikeを試すには試乗会やイベントに出向いたり、レンタルを行う必要があるが、どのように車体をチェックすれば良いかわからない人も多いだろう。そこで、今回は試乗コースや短時間のレンタルで、自分に合ったE-Bikeを探すヒントを紹介しよう。
バッテリーの充電方法をチェックする
E-Bikeを購入する際、最初にチェックしたい所がバッテリーの充電方法。E-Bikeのバッテリーはブランドによって、さまざまな脱着方法がある。バッテリーの脱着方法を考えないでE-Bikeを購入すると、最悪、自分のライフスタイルに合わず売却することもあるだろう。
バッテリーの充電方法で調べたい部分は、バッテリーが脱着可能か、バッテリーの固定方法、バッテリーを外した際カバーがあるかの3つ。
バッテリーが脱着可能かに関しては、ブランドによってはバッテリーを車体に固定して充電する際は充電器を差し込む方法があるため。バッテリー脱着ができないと車体をガレージや室内に入れたまま充電する必要がある。
バッテリーの固定方法は、バッテリーを外す際に工具か鍵を使うかを覚えておく必要がある。バッテリーを工具で外す場合は、鍵を忘れても簡単に外すことができるが、駐輪場に自転車から離れた場合、簡単にバッテリーを外される可能性がある。一方、鍵の場合は鍵を無くすとバッテリーを外すことはできないが、駐輪時にバッテリーを簡単に取られる可能性は少ない。
押し歩き時の取り回し、持ち上げをチェックする
E-Bikeがオートバイと違うのは、E-Bikeは積極的に車体を押し歩きしたり、持ち上げることだろう。そのため、押し歩きや持ち上げた時の重さをしっておくことをお勧めする。重いE-Bikeだと、自動車の荷室や家の玄関に入れる場合、入れるのが難しい場合があるため注意しよう。
アシストモードは一通り試してみる
E-Bikeには、様々なアシストモードが用意されているが、試乗を行う際は全部のアシストモードを試そう。これはアシストの強弱を調整することで、そのE-Bikeがどれだけ快適に走れるか判断するため。また、Bosch Performance Line CXの「eMTBモード」や、BESV(一部車種)の「スマートモード」のように、アシスト力を可変するタイプもあり、どのような”味付け”なのか確認するのもある。因みに、アシストモードは一番強いモードから一番弱いモード、アシストしない”アシストオフ”のモードまで全部チェックしよう。また、平地だけでなく上り坂でも確認するのをお勧めする
平地ではアシストが弱い高速域での感覚をチェックする
平地を走る時にチェックしたいのが、時速20キロ以上で走行する際の感覚を知っておこう。日本の法律では速度が高くなるほど、アシスト比率が小さくなる。そのため、車種によってスピードが出やすいモデルと出にくいモデルが存在する。また、アシストが切れる時速24キロ以上では、車体設計で加速が違う。
参考として時速20キロ以上で走行する際の感覚が良いE-Bikeは、車体が軽い、比較的抵抗が少ない細いタイヤを装着している、車体に折りたたみ用ヒンジが入っていない、駆動力をきちんと伝えることができる車体設計となっているのが重要だ。
上り坂ではアシストの強弱を使い、どのくらい上れるのか検証する
上り坂を上る時にチェックしたいのが、アシストの強弱を使い、どのくらい上れるのか検証したい。E-Bikeには、何種類かのアシストモードがあり、一番弱いアシストモードは電池の消耗を抑えて走ることができる。しかし、そのような一番弱いアシストモードは上り坂を走るのが厳しいのが殆どだ。そこで、上り坂ではアシストの強弱を使い、どのアシストモードで上れるのか見てみよう。
カーブを曲がる際、安心して曲がることができるか
E-Bikeは車体にバッテリーやモーターを搭載しているため、従来の人力自転車よりも車体が重い。そのため、カーブを曲がる時、安心して曲がることができるかが重要となる。
簡単な見分け方は、カーブを曲がる時に乗り手が曲げようと車体を倒そうとしても、どんどん外に膨らんだり、曲がらないE-Bikeは駄目なE-Bikeだ。逆に、コーナリングできちんと曲がり、できるだけ力を入れずに曲がるのが良いE-Bikeだ。このコーナリング評価は、周りの迷惑をかけて、思いっきりスピードを出さなくても、自然に普通に走行しているスピードで曲がるだけでわかる。
走行中のモーター音をチェックする
E-Bikeは車種にもよるが、アシストが作動している時にノイズが発生する。これはギアが噛み合うなど様々な理由があるが、E-Bikeではアシストが作動している時に発するノイズは、無音が頂点だと言われている。これは、自転車は大きな音を出さないで走るため、自転車の1つであるE-Bikeも静音性が要求される。
静音性を確かめるには、実際に試乗するのが一番。基本的に聞き耳を立てなくてもノイズの大小は簡単にわかる。ノイズが大きい、または高音の場合は長時間走行していると喧しく感じるだろう。
試乗は大手ブランド、高価格帯から先に行うのがお勧め
E-Bikeの試乗を行う際、予算が無くてもできるだけ大手ブランド、高価格帯のE-Bikeから試乗するのをお勧めする。基本的にE-Bikeは自動車やオートバイと同じく、技術力は大手編重傾向にある。E-Bikeは資金力が少ない新興企業が参入している事例が多いが、本場である欧州市場ではE-Bikeは人力自転車や125CCクラスのオートバイよりも可処分所得が高い人が乗る乗り物なので、市場的には美味しいため、多額のお金をかけて世界トップクラスの自転車部品会社(シマノ、SRサンツアー)、世界トップクラスのオートバイ会社(ヤマハ発動機)、世界トップクラスの自動車部品サプライヤー(ボッシュ、マーレ、ブローゼ、ザックス、ヴァレオ)、世界的な電気メーカー(パナソニック、日本電産、ダーフォン、TQ、MAXON)が参入している。そのため、E-Bikeに興味がある人は、見聞を広めるために先に大手ブランド、高価格帯から試乗してみよう。