自動車やオートバイは90年代のモデルでも実用に耐える物があり、一部のスポーツカーは神格化されている。また、10年前の車が普通に新車で生産されていることも珍しくない。
一方で、電動アシスト自転車やE-Bikeは、10年前の電動アシスト自転車やE-Bikeが販売されていることは殆どない。特にE-Bikeに関しては、欧州市場で熾烈な競争が発生しているため、E-Bikeの1年は、自動車やオートバイの3年に相当していると言っていいほど競争が激しい。
数ある乗り物の中でも急激に進化した乗り物の1つである電動アシスト自転車・E-Bikeだが、10年でどれだけ進化したのか。
E-Bikeは10年でどれだけ進化したのか?
今回は、海外ではE-Bikeの先駆者として有名なHaiBikeを紹介する。HaiBikeは1995年にドイツ・シュヴァインフルトで誕生した自転車ブランド。2011年モデルで初代Bosch E-Bike Systemを搭載したE-Bikeを発売し、現在はE-Bike専業ブランドとして知られている。
2011年に登場したフルサスペンションE-MTB「HaiBike XDURO」は日本未発売の初代Bosch E-Bike System(URL)を搭載している。
このモーターの最大トルクは50Nm。現代では街乗り用レベルで、一般的なE-MTB用で使うにはトルクが弱いといわれるだろう。モーターも吊り下げ型をイメージしたデザインなのか、一般的な装着方法だとロードクリアランスが足りず、オフロード走行では路面に接触してしまう。そのため、HaiBike XDUROは、ユニットの取付角度を変えている。
バッテリーは外付け式で、容量は288Wh。今の基準からすると容量は少ない。バッテリーデザインも外付け式で、スマートなデザインではない。
そんなE-Bikeだが、10年ほど経過するとこのように進化する。車体のデザインはスマートかつマッシブなデザインが特徴だが、電気系統も進化している。搭載されているモーター「Bosch Performance Line CX」は、最大トルクは85Nmと10年前と比較して最大トルクが1.7倍に増加。バッテリーも容量は750Whと、同じく10年前と比較して2.6倍に増量している。他にも、スマートフォンと接続することで、アシストを調整することができる「SmartSystem」も搭載している。
E-Bikeの進化は、スポーツカーやオートバイの時の流れが遅くて微笑ましいほど急激に進化している。スポーツカーやオートバイは10年前のモデルは第一線で活躍しているが、E-Bikeの世界で10年前のモデルというのは、第二線どころか第三線レベルと言わざるを得ないほど進化の流れが激しい。
この急激な進化が収まる可能性は少ないと考えたほうが良い。本場である欧州市場ではシマノ、SRサンツアーといった世界トップクラスの自転車部品会社、ヤマハ発動機といった世界トップクラスのオートバイ会社、ボッシュ、マーレ、ブローゼ、ザックス、ヴァレオといった世界トップクラスの自動車部品サプライヤー、パナソニック、日本電産、ダーフォン、TQ、MAXONといった世界的な電気メーカーが参入しており、世界トップクラスの企業の大バーゲンセールといった状況なので、これからも進化は続くだろう。