今年は6月26日から7月18日まで開催されるツール・ド・フランス。この世界に名だたるサイクルロードレースにおいては、ゴール地点での前輪のコンマ1秒、あるいはコンマ1センチの差で勝負が決まることがあります。勝利と敗北の時間差を計算するには、技術的なツールが必要であり、ティソは1938年に初めてスポーツ計時に携わって以来、開発、技術革新、改良を重ねてきました。
レースではスプリントフィニッシュが肉眼では分析できない場合、高度な技術を駆使して重要な審判の役割を果たします。最も権威あるこのサイクルロードレースの主催者や出場選手、レースの観戦者やテレビ視聴者に信頼のおける結果を提供するために、ティソは1秒間に1万枚の画像を撮影できる高速度カメラを各ステージのフィニッシュラインに設置。「フォトフィニッシュ」が可能な複数のデバイスを用い、計時だけでなく、スコアリング、ランキング、統計に関するすべての情報を数秒で提供しています。
コンマ1秒を争う計測には卓越した組織力と献身的な努力が求められます。世界最高峰の自転車レースであるツール・ド・フランスでは、最低でも8人のティソのタイムキーパーが、またタイムトライアルの際には約10人の技術者とともに、全21ステージで活躍しています。ティソは平均して4200件以上のフォトフィニッシュ判定を行っており、280時間の準備を含めると、その作業時間は実に約2600時間に及びます。こうした努力の積み重ねなくしては、レース結果も順位も判定することができないのです。こうしたタイムキーピングに携わる専門スタッフは、いわば影の存在ですが、彼らのおかげで、ツール・ド・フランスを開催することができるのです。ティソが長年サイクルロードレースに携わっているのは、ひとえに自転車競技にかける情熱ゆえに他なりません。
1988年から5年間ツール・ド・フランスの公式タイムキーパーを務め、再び2016年からその任に復帰したティソは、ツール・ド・フランスの公式ウォッチも製作しています。25年来の国際自転車競技連合(UCI)の主要パートナーであり、ツール・ド・ロマンディとツール・ド・スイスのスポンサーを務め、2016年からはブエルタ・ア・エスパーニャ、2020年からはジロ・デ・イタリアの公式タイムキーパーも務めています。そんなティソはまぎれもなくサイクルロードレースにおける最強のウォッチメーカーと言えるでしょう。さらにティソはスロベニアのサイクルロードレースチャンピオン、プリモシュ・ログリッチをスポーツアンバサダーに迎えています。
ティソとアモリー・スポーツ・オーガニゼーション(A.S.O.)とのパートナーシップ契約の更新は、スイスのル・ロックルを拠点とするティソの、自転車界と永続的な関係を築いていきたいという強い意志を表しています。ティソのCEOを務めるシルヴァン・ドラは「ツール・ド・フランスやブエルタ・ア・エスパーニャをはじめ、パリ~ルーベ、リエージュ~バストーニュ~リエージュ、ラ・フレッシュ・ワロンヌといった伝説的なクラシックレースの公式タイムキーパーとして、ティソがA.S.O.とのパートナーシップ契約を更新できることをとても嬉しく思っています。私たちはA.S.O.と長年にわたってチームを組み、極めて高精度な計時ソリューションを提供してきました」と語っています。
また、ツール・ド・フランス大会ディレクターのクリスチャン・プリュドムは 「ル・ロックルにおいて長い歴史をもつウォッチメーカー、ティソとパートナーシップ契約を延長できることを大変光栄に思います。 自転車競技は数秒、時には1000分の1秒の差で勝敗が決まることもあります。ティソとA.S.O.は偉大なチャンピオンたちの努力を称えるツール・ド・フランスと自転車競技について、同じビジョンを共有しています」と述べています。