Specialized Turbo Kenevo SL 下りを重視したエンデューロタイプのフルサスE-MTB

スペシャライズド・ジャパンは5月14日、フルサスE-MTB「Turbo Kenevo SL」を発表した。

Turbo Kenevo SLはSpecializedのフルサスペンションタイプのマウンテンバイク「Enduro」をベースにしたE-MTB。モーターをSpecialized自社設計の「Specialized SL1.1」を搭載し、完全内蔵型バッテリーを装着することで、車体重量は日本未発売のKenevoと比較して5.4キロ軽量になっている。また、人力MTBタイプのEnduroと比較すると重量は4キロプラスされただけと謳っている。

Kenevo SLのフレームは、フルモノコックのFACT 11m カーボンフレーム。ハンドリング性能や軽量化のためにパーフェクトに最適化され、Turbo Super Light モーターと320Whのバッテリーをフレームに内蔵することで、 慣性モーメントを減らし、ハンドリングの応答性を向上。アシストは最大4時間半で、オプションの160Whのレンジエクステンダーを装着すると、最長約7時間のアシストを行う。

フレームは6種類のセッティングからハンドリング特性を変更可能。ヘッドアングルは62.5、63.5、64.5度。BBハイトは上下に6mm変えられる。

ダウンヒル世界選手権で優勝したDemoやEnduroに搭載された「シックスバー・リンケージ」もKenevo SLに採用されている。シックスバーは、ドロップアウトの前側にホルストリンクを持つフォーバーリンケージを用い、本質的にはFSRデザインとなる。これら4本のバーとホルストリンクを調整して、バンプの吸収を最適化するアクスル軌道や、ペダリング性能を向上させるアンチライズとアンチスクワットを実現できると謳う。また、ブレーキから生じる力に影響を受けないため、ブレーキレバーを思い切り握り込んでいるときでさえ、サスペンションはアクティブに動き続けるとのことだ。

アクスル軌道は、トラベルの最初の3分の1で後方に、中間域で垂直に、ボトムアウト付近で前方に向かって動くようデザインされている。初期トラベルでの後方への軌道は、路面から衝撃を受けたホイールを後方へ逃すことで、引っかかりを減らし、それにより速度を維持できるとのこと。通常はペダリングをしない、サスペンションがさらに圧縮された状態では、軌道を前方へ移動させることで、サスペンションをペダルの踏み込みから生じるチェーンの張りと独立させ、路面からの入力に応じた反応の良い動きを可能にすると謳っている。

そしてサスペンションはアシストパワー、スピード、シックスバー・キネマティクスの性能を最大限に発揮させるために、既存サスペンションのバルブやスプリングレートを変更して、Kenevo SLに合わせたカスタムサスペンション「RxTune」を採用している。

サイズ設定は、走り方に合わせたサイズ展開「S-サイジング」。従来の自転車サイズの選び方である股下の長さではなく、好みの走り方に基づいてフレームサイズを選べるのが特徴。ヘッドチューブ長とスタンドオーバーハイトが似たS2~S4までのサイズから、好みの走り方に最適な1つを選べるとのこと。サイズの数字が小さくなるにつれ、リーチとフロントセンターが短くなることからより機敏に走れるようになり、数字が大きくなると、安定性が高まり、姿勢にゆとりが生まれる。

サイズ選びは、今までMサイズに乗っているの場合、S3がそれに相当するサイズとなる。ただし、よりクイックな走りを重視するのなら、S2にサイズダウンが良く、ハイスピードでの安定性が欲しいなら、S4にサイズアップが良いとのこと。

トップチューブ上部に装着されたMasterMind Turbo Control Unit(TCU)は、ハードウェアとソフトウェアの両方で、モーター、バッテリー、バイク、そしてライダーがどのように作用するかをコントロールする。走行中でもチューニングが行う事ができるだけでなく、バイクやライドに関するあらゆるデータを表示可能。また、OTA(Over The Air)技術で無線通信に対応し、新たな機能が登場するたびにアップデートできる。さらにMission Controlアプリと接続させると、より高度なチューニングやトレイルライド中の診断なども行える。購入時に利用できる機能は以下の通り。

• OTA技術でのアップデートで、Kenevo Super Lightの性能が向上
• MasterMind TCUはバッテリー残量を見やすい%で表示
• ピークパワーとサポートレベルを10%ずつ即時に調整できるMicroTune機能
• 画面に表示するデータを30項目の中から最大4種類まで選択可能
• 時計
• 1ワット時あたりの走行距離をリアルタイムで表示し、効率的なペダリングを
可能にする “Live Consumption”機能。
• 漕いだ力を数値化するRider Power Value機能
• よりきめ細かいトレーニングを可能にする心拍モニターとのペアリング機能。
• 高精度な標高トラッキング

Turbo Kenevo SLのラインナップはS-Works Turbo Kenevo SLとTurbo Kenevo SL Expertの2モデル。価格はS-Works Turbo Kenevo SLが181万5000円(税込、以下同)で、Turbo Kenevo SL Expertが121万円。

Kenevo SLのラインナップ

S-Works Turbo Kenevo SL

  • フレーム:FACT 11m full carbon, 29″, full internal cable routing, 148mm spacing, fully sealed cartridge bearings, 170mm rear travel, geo adjust head tube, geo adjust horst pivot
  • リアショック:FOX FLOAT X2 Factory, LSC, LSR, 2-position lever, 62.5x230mm, Kashima
  • フロントフォーク:FOX FLOAT 38 Factory 29, Grip2 damper, 44mm offset, HSC, LSC, HSR, LSR, 110x15mm, 1.5″ tapered steerer, 170mm travel, Kashima
  • 重量:-
  • ブレーキ: SRAM Code RSC, 4-piston caliper, hydraulic disc, 220mm /SRAM Code RSC, 4-piston caliper, hydraulic disc, 200mm
  • ギア(前):Praxis carbon+SRAM X-Sync Eagle, 94 BCD, 32t, alloy
  • ギア(後):SRAM XG-1299 Eagle, 10-52t
  • フロントホイール:Traverse SL 29
  • リアホイール:Traverse SL 29
  • タイヤ:Butcher, GRID TRAIL casing, GRIPTON® T9 compound, 2Bliss Ready, 29×2.3″ /Butcher, GRID TRAIL casing, GRIPTON® T7 compound, 2Bliss Ready, 29×2.3″
  • ドライブユニット:Specialized SL1.1(最大出力240W、最大トルク35Nm)
  • アシスト方式:ミッドドライブ
  • バッテリー:内蔵式 320Wh
  • 充電時間:約2.5時間
  • アシストモード:3段階※Mission Controlアプリでアシスト力を変更可能
  • 航続距離:-

Turbo Kenevo SL Expert

  • フレーム:FACT 11m full carbon, 29″, full internal cable routing, 148mm spacing, fully sealed cartridge bearings, 170mm rear travel, geo adjust head tube, geo adjust horst pivot
  • リアショック:FOX FLOAT X2 Performance, LSR, 2-position lever, 62.5x230mm
  • フロントフォーク:FOX FLOAT 38 Performance Elite 29, Grip2 damper, 44mm offset, HSC, LSC, HSR, LSR, 110x15mm, 1.5″ tapered steerer, 170mm travel
  • 重量:-
  • ブレーキ:SRAM Code RS, 4-piston caliper, hydraulic disc, 220mm /SRAM Code RS, 4-piston caliper, hydraulic disc, 200mm
  • ギア(前):Praxis M30+SRAM X-Sync Eagle, 94 BCD, 32t, alloy
  • ギア(後):SRAM XG-1295 Eagle, 10-52t
  • フロントホイール:Traverse SL 29
  • リアホイール:Traverse SL 29
  • タイヤ:Butcher, GRID TRAIL casing, GRIPTON® T9 compound, 2Bliss Ready, 29×2.3″ /Butcher, GRID TRAIL casing, GRIPTON® T7 compound, 2Bliss Ready, 29×2.3″
  • ドライブユニット:Specialized SL1.1(最大出力240W、最大トルク35Nm)
  • アシスト方式:ミッドドライブ
  • バッテリー:内蔵式 320Wh
  • 充電時間:約2.5時間
  • アシストモード:3段階※Mission Controlアプリでアシスト力を変更可能
  • 航続距離:-

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