Bianchiの近未来デザインを採用したE-Bike「E-Omnia」の一部モデルには、オプションでABSが用意されている。
ABSはAnti-lock Brake System(アンチロック・ブレーキシステム)の略。この機構は緊急ブレーキ時にタイヤが回転せずロックした場合、ブレーキを制動した状態でも自動的にブレーキの解除と作動を繰り返し、タイヤのグリップ力を回復させ、走行安定性を保ち、ハンドリングによる危険回避能力を確保する装備だ。自動車やオートバイでは、ABSは装備されるのが当たり前になりつつあるが、E-Bikeでも、ABSが登場しつつある。
E-Bike用ABSで有名なのはBosch(日本未発売)だが、E-Bike用ABSを専門に製造する会社が登場してきた。Blubrakeもその1つだ。
Blubrakeは、軽量電動車のブレーキとセンシングアプリケーションに特化した先進的なメカトロニクスシステムを開発・製造するリーディングカンパニー。
2015年に設立された同社は、E-Bikeとs-pedelecs(最高速度時速45キロ用のE-Bikeで免許が必要)初の統合型ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)と、市場に出回っている唯一のE-cargoバイク用ABSを開発した。
F1やモーターレースの経験を持つ30人以上のトップレベルのエンジニアで構成された専門チームが開発を行い、Blubrakeは、未来のより安全で持続可能なモビリティのために、最先端の自動車技術をe-bikeに適用することを目指している。
統計では、E-Bikeによる交通事故の58パーセントはブレーキ時に発生し、転倒事故の39パーセントは前輪のロックアップが原因となっている。
Blubrake ABSは、前輪のロックアップと後輪のリフトオフを回避し、フレームデザインを変えることなくバイクの安定性と操縦性を向上させ、E-Bikeの車体内部に完全に組み込むことができる。あらゆる種類のE-Bikeのニーズに応えるために、Blubrakeは3つの専用設計の製品を開発し、特許を取得した。
Blubrake E-Bike ABSは、シティタイプ、トレッキングタイプ、マウンテンタイプとあらゆる種類E-Bikeに適しており、洗練された人工知能アルゴリズムを採用することで、滑りやすい路面も含めて、あらゆる地形に対応すると謳っている。
E-Bikeよりもさらに高速で走行する、Speed Pedelecsは、より大きな制動力を発生させることができるため、Blubrakeはこれらのバイクの要件を満たすために特別に設計されたS-Pedelec ABSを開発した。E-cargoバイクは重い荷物を積んで高速で走行することを前提に設計されているため、その構成と機能を考えた場合、安全性が重要なテーマとなる。Blubrake E-cargo ABSはあらゆる種類のE-cargoバイクに適しており、前輪のロックアップやバイクの横滑りを回避し、積載物が満杯であろうと空であろうと正しく機能するとのこと。
構造は前輪のスピードセンサーが速度を計測し、その情報を電子ユニットに送信する。電子ユニットは、フレーム加速度センサーとフロントスピードセンサーで収集した測定値からE-bikeのダイナミクスを推定し、ハードブレーキ時に発生する可能性のある危険な状態を検出。このような状況では、アクチュエータが介入してフロントブレーキの油圧を連続的に制御し、よりスムーズなブレーキ操作とE-Bikeの安定性と操縦性の向上を保証する。
Blubrake E-Bike ABSは、Bianchi E-OMNIA以外にも、Cycleuropeグループの一部であるスウェーデンの大手企業「Bulls Bikes」や、Speed Pedelec市場のリーダーの「Stromer」などに使われている。
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