アメリカの総合自転車ブランド「TREK」のクロスバイクは、オールマイティに使えるクロスバイクから、舗装路を快適にするスポーツタイプのクロスバイク、サスペンションを装着し砂利道も快適に走れるデュアルスポーツタイプのクロスバイク、そして電動アシストスポーツ自転車「E-Bike」と幅広いスポーツ自転車を用意しています。
2021年モデルのTREKのクロスバイクは、FXシリーズ、FX Sportシリーズ、DualSportシリーズの3モデルを展開しています。
FXシリーズは、サスペンションが無いリジッドフォークに、32ミリから35ミリまでのタイヤを装着し、通勤、通学からサイクリングまで幅広く楽しむためのクロスバイク。
FX Sportシリーズは、カーボンフレームを採用し、FXシリーズよりも走行性能を重視したクロスバイク。シートチューブとトップチューブの接合部には、ロードバイク「Domane」等に搭載されているIsoSpeed テクノロジーが装備されています。
DualSportシリーズは、マウンテンバイクのようにフロントサスペンションを搭載し、段差や砂利道も安心して走行できるクロスバイク。29インチタイヤの場合、1.8インチ幅のタイヤを装着することができ、クロスバイクながら、その気になれば林道サイクリングを楽しむことも可能です。
新たな主流になりつつある「E-Bike」も用意
モーターの力により、人力自転車では大変な上り坂を平地のようにスイスイと走行でき、発進が楽なのがE-Bike。オートバイに近い乗り物では思う人もいますが、E-Bikeは自転車のカタチをしたパワードスーツであり、全く別の乗り物です。
E-Bikeの利点は、モーターの力で誰でも気軽にサイクリングを楽しむ事ができ、行動範囲が広がること。車体価格が20万円台後半からと高価で、車体重量が20キロ近くあるため、輪行(自転車を分解して、専用の袋に入れ、公共交通機関で移動する)が無理ですが、輪行に関しては、ヤマト運輸のらくらく家財宅急便等を使う方法もあります。予算に余裕があるのならE-Bikeから始めるのをお薦めします。
TREKのクロスバイクタイプのE-Bikeは、全モデルにドイツ ボッシュ(BOSCH)製ユニットを搭載。低価格でスムーズな「Active Line Plus」を搭載した、街乗り、サイクリング向けのVerve+ 2と、パワフルな「Performance Line CX」を搭載したAllant+ 8シリーズを用意。どちらも、泥除けや荷台、ライトを装備しているため、通勤や街乗りからサイクリングまで幅広く楽しめます。
FXシリーズ
FX1 Disc
FX1 DiscはTREKのスタンダートなクロスバイクの中で一番安いエントリーモデル。ママチャリよりも少し細い35ミリ幅のタイヤにTEKTRO製機械式ディスクブレーキを搭載。車体のサイズも豊富で幅広い体格の人に合うのが特徴です。
車体はAlpha Goldアルミフレームと、 スチール製フロントフォークの組み合わせ。コンポーネントはシマノ Altusで、クランクは48/38/28T、スプロケットはSunrace MFM300 14-34, 7速。ブレーキは Tektro HD-U310機械式ディスクブレーキ。タイヤはBontrager H2, wire bead, 30 tpi, 700x35c。価格は5万5000円(税抜、以下同)。
FX2 Disc/FX2 Disc Woman
FX2 DiscはFX1 Discよりも高価なモデル。フロントフォークは軽量なアルミ製となり、軽い力でブレーキがかかるTEKTRO製油圧ディスクブレーキ等を搭載しており、コストパフォーマンスが高いのが特徴です。
車体はAlpha Goldアルミフレームと、 アルミ製フロントフォークの組み合わせ。コンポーネントはシマノ Altusで、クランクは48/38/28T、スプロケットはShimano HG31, 11-32T, 8速。ブレーキは Tektro HD-R280油圧式ディスクブレーキ。タイヤはBontrager H2, wire bead, 30 tpi, 700x35c。価格は6万6000円。
FX3 Disc/FX3 Disc Woman
カーボンフォークを採用したFXシリーズの中で一番安いのがFX3 Disc。軽さと振動吸収性能を両立したカーボンフォークを採用しただけでなく、フロントギアはシンプルな2枚を採用。タイヤ幅も少し細めの32ミリ相当と、舗装路走行の快適性を重視しています。
車体はAlpha Goldアルミフレームと、 カーボン製フロントフォークの組み合わせ。コンポーネントはシマノ Aceraで、クランクはShimano MT210, 46/30T、スプロケットはShimano HG200, 11-36T, 9速。ブレーキは Shimano MT210油圧式ディスクブレーキ。タイヤはBontrager H2 Hard-Case Lite, wire bead, 30 tpi, 700x32c。価格は8万2000円。
FX4 Disc
FXシリーズ最上級モデルがFX4 Disc。FX3 Discと同じくカーボン製フロントフォークを採用していますが、コンポーネントにシマノのマウンテンバイク用「DEORE M5100」を搭載。フロントシングル、リア11段で、シンプルな扱いやすさと、急坂にも対応しています。
車体はAlpha Goldアルミフレームと、 カーボン製フロントフォークの組み合わせ。コンポーネントはシマノ Deore M5100で、クランクはProwheel, 42T、スプロケットはShimano Deore M5100, 11-51T, 11速。ブレーキは Shimano MT210油圧式ディスクブレーキ。タイヤはBontrager H2 Hard-Case Lite, wire bead, 30 tpi, 700x32c。価格は10万2000円。
FX Sportシリーズ
FX Sport Carbon 4
FX Sportシリーズは、FXのデザインながら、カーボンフレームを採用した軽量クロスバイク。シートチューブとトップチューブの接合部にはIsoSpeedテクノロジーを採用し、振動吸収を重視しています。FX Sport Carbon 4は、グラベルロード用やMTB用コンポーネントを搭載することで、砂利道に遭遇しても走れるクロスバイク。
車体は400 series OCLVカーボンフレームと、 カーボン製フロントフォークの組み合わせ。コンポーネントはシマノ GRXで、クランクはShimano GRX RX600, 40T、スプロケットはShimano SLX M7000, 11-42, 11速。ブレーキは Shimano MT210油圧式ディスクブレーキ。タイヤはBontrager R1 Hard-Case Lite, wire bead, 60tpi, 700x32c。価格は21万5000円。
FX Sport 6
FX Sport Carbon 4がグラベル重視のセッティングを採用していたのに対し、FX Sport 6はロードバイク用コンポーネントを採用し、舗装路走行を重視した軽量クロスバイクです。
車体は400 series OCLVカーボンフレームと、 カーボン製フロントフォークの組み合わせ。コンポーネントはシマノ 105で、クランクはShimano 105 R7000, 50/34T、スプロケットはShimano 105 R7000, 11-32, 11速。ブレーキはTektro HD-R310油圧式ディスクブレーキ。タイヤはBontrager R1 Hard-Case Lite, wire bead, 60tpi, 700x32c。価格は25万5000円。
DualSportシリーズ
DualSport 2
TREKのクロスバイク「Dual Sport」は、サスペンションを装着したデュアルスポーツタイプのクロスバイク。マウンテンバイクよりも舗装路が快適で、スポーツタイプのクロスバイクよりも幅広い楽しみ方ができるクロスバイクです。フレームは泥除けなしの場合、29×1.8インチ幅までのタイヤ幅まで対応し、太目のタイヤに交換して楽しめます。また、泥除けが装着する場合は700×35cまで対応します。
エントリーモデルのDual Sport3は、低価格ながら、サスペンションの動きを固定し、舗装路のロスを少なくする油圧式ロックアウトや油圧式ディスクブレーキを採用。
車体はAlpha Goldアルミフレームと、 SR Suntour NEX、油圧式ロックアウト、63mmトラべル、コイルスプリング フロントフォークの組み合わせ。コンポーネントはシマノ Aceraで、クランクは48/38/28T、スプロケットはShimano HG31, 11-32, 8速。ブレーキは Tektro HD-M275油圧式ディスクブレーキ。タイヤはBontrager GR1 Expert, Hard-Case Lite, wire bead, 60 tpi, 700x40c。価格は6万4000円。
出典:TREK
DualSport 3
Dual Sport2はTREKのクロスバイク「Dual Sport」の上位モデル。下位モデルのDual Sport3と比較して、シマノ製油圧ディスクブレーキや、扱いやすいフロント2段ギアを採用し、砂利道走行でも安心感が上がりました。
車体はAlpha Goldアルミフレームと、 SR Suntour NEX、油圧式ロックアウト、63mmトラべル、コイルスプリング フロントフォークの組み合わせ。コンポーネントはシマノ Alivio M3100で、クランクはShimano MT210, 46/30、スプロケットはShimano HG200, 11-36, 9速。ブレーキは Shimano MT200油圧式ディスクブレーキ。タイヤはIBontrager GR1 Expert, Hard-Case Lite, wire bead, 60 tpi, 700x40c。価格は8万2000円。
DualSport 4
Dual Sportシリーズ最上級モデルがDual Sport4。サスペンションは、ハンドルから手を離さすON/OFFできるリモートロックアウトを採用しており、サスペンションが不要な所では動かさないで、ロスを起こさず走れます。コンポーネントはシマノのMTB用コンポーネント「Deore M5100」を採用。フロントシングルで、リアスプロケットはMTBの大型タイプを搭載することで、シンプルな操作性と、幅広い地形に対応しています。
車体はAlpha Goldアルミフレームと、 SR Suntour NEX、リモートロックアウト、63mmトラべル、フロントフォークの組み合わせ。コンポーネントはシマノ Deore M5100で、クランクはProWheel 42T、スプロケットはShimano M5100, 11-51, 11速。ブレーキは Shimano MT200油圧式ディスクブレーキ。タイヤはBontrager GR1 Expert, Hard-Case Lite, wire bead, 60 tpi, 700x40c。価格は11万6000円。
E-Bike
Verve+2/Verve+ 2 Lowstep(2020年モデル)
Verve+ 2は、街乗りやサイクリング向けのクロスバイクタイプのE-Bike。夜間走行で必需品の前後ライトに、服が汚れにくい泥除けやチェーンカバー、荷物が積めるリアキャリア、街乗りでは必需品のスタンド、振動を吸収するサスペンションシートポストを装備しており、街乗りや通勤などのコミューターから、サイクリングが楽しめるクロスバイクです。
搭載されているドライブユニットは「Bosch Active Line Plus」。定格出力250W、最大トルク50Nmと舗装路走行やサイクリング向けのユニットです。バッテリーはBosch PowerPack300でバッテリー容量は300Wh。
一般的なダイアモンドフレームの「Verve+ 2」と、軽快車のようにまたぎやすいスタッカート型の「Verve+ 2 Lowstep」の2種類のフレームを用意しています。価格は26万9000円。
- フレーム:Alpha Gold Aluminum, smooth welds, rack & fender mounts, internal routing, kickstand mount, 135x5mm QR
- フロントフォーク:-
- 重量:23.3kg
- ブレーキ:Shimano MT200 hydraulic disc
- ギア(前):Prowheel alloy, 38T steel ring, 170mm length
- ギア(後):Shimano Alivio T4000, 11-36, 9 speed
- フロントホイール:Formula DC20 alloy+Bontrager Connection alloy, 32h
- リアホイール:Formula DC22 alloy+Bontrager Connection alloy, 32h
- タイヤ:Bontrager H5 Hard-Case Ultimate, wire bead, 60 toi, 700x45c
- ドライブユニット:Bosch Acitive Line Plus(定格出力250W、最大トルク50Nm)
- アシスト方式:ミッドドライブ
- バッテリー:Bosch PowerPack, 300Wh
- 充電時間:約2.5時間
- アシストモード:4段階(ECO/TOUR/SPORT/POWER)
- 航続距離:100km/65km/60km/50km※Bosch E-Bike Systemから引用
Allant+ 8/Allant+ 8 Stagger
Allant+ 8シリーズはTREKのクロスバイクタイプのE-Bikeの中では、ロングライドも楽しめるモデル。バッテリーは車体内部に搭載しつつ、簡単に脱着できるサイドタイプの取り外し式バッテリー「 Removable Integrated Battery (RIB)」を採用。タイヤは、27.5×2.4インチと太いタイヤを採用し、荒れた道でも安心感を重視しています。
搭載されているドライブユニットは「Bosch Performance Line CX」で定格出力250W、最大トルク75Nm。Verve+ 2に搭載されているBosch Active Line Plusよりもドルクフルでシャープなアシストを行い、Verve+ 2よりも、もっと楽にアシストしてもらうでしょう。
バッテリーはBosch PowerTube 500でバッテリー容量は500Wh。300Whバッテリーの1.6倍との大容量場バッテリーを搭載しており、長距離サイクリングやヒルクライムにも安心です。前後ライトや泥除け、リアサイドバックを装着するラックも装備しており、通勤や通学にも対応するツーリング用E-Bikeです。
車体は一般的なダイアモンドフレームのAllant+ 8と、またぎやすい車体のAllant+ 8 Staggerを用意。価格は43万円。
- フレーム:Alpha Platinum Aluminum, Removable Integrated Battery (RIB), tapered head tube, Control Freak internal routing, Motor Armor, Boost148, 12mm thru axle
- フロントフォーク:Allant+ rigid alloy fork, 1-1/8” steel steerer, 100x15mm thru-axle, post-mount disc brake
- 重量:25.4kg
- ブレーキ:Shimano MT200 hydraulic disc+Shimano RT56, 180mm, 6-bolt
- ギア(前):ProWheel alloy
- ギア(後):Shimano Deore M4100, 11-42, 10 speed
- フロントホイール:Bontrager sealed bearing, 32-hole 15mm alloy thru-axle+Alex MD35, Tubeless Ready, 32-hole, 35mm width, presta valve
- リアホイール:Bontrager sealed cartridge bearing rear hub, 32-hole, 6-bolt disc, 5mm QR+Alex MD35, Tubeless Ready, 32-hole, 35mm width, presta valve
- タイヤ:Bontrager E6 Hard-Case Lite, reflective, wire bead, 60tpi, 27.5×2.4”
- ドライブユニット:Bosch Performance Line CX(定格出力250W、最大トルク75Nm)
- アシスト方式:ミッドドライブ
- バッテリー:Bosch PowerTube500 500Wh
- 充電時間:約4.5時間
- アシストモード:4段階(ECO/TOUR/SPORT/POWER)
- 航続距離:167km/108km/95km/83km
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