ロードバイクやクロスバイク等のスポーツ自転車は、車輪を外して専用の袋に入れれば、公共交通機関に載せることができる「輪行」が可能だ。しかし、そのように輪行を行ってもサイズが大きいため、場面によっては輪行が難しい事も少なくない。
そのような問題を解消したのが「テンションシルク」だ。テンションシルクは1964年東京オリンピック等で活躍した「シルク号」の、直系ブランドビルダーである「絹自転車製作所」が製作した自転車。
一番の注目がフレームの一部分(ダウンチューブ)に特殊繊維を使用したロープを採用した「テンション構造」を採用している事。従来の自転車とは違う変わったデザインに見えるが、ダウンチューブは乗車時には引っ張りの力しかかかっていないため、このような構造でも大丈夫とのこと。また、「テンション構造」に関しては、目新しい技術ではなく1800年代の自転車にも使われており、絹自転車製作所の代表が、かつて試作車を作っていたと語っていた。
現代の自転車では、テンション構造をサスペンションとして使っている「Slingshot」ブランドの自転車、Dahonの一部車種(K3)に使われている「Deltec」が、テンション構造の考えを採用している自転車とも言える。このテンション構造は、使用するワイヤーが使っていくうちにヘタってしまう問題があるが、テンションシルクに関しては特殊繊維を使用したロープを使うことで、その問題を解決した。
テンションシルクが「テンション構造」を採用した理由
テンションシルクがテンション構造を採用した理由は、輪行性能の追求した結果だ。一般的な電車輪行ならシートピラーを外すだけで簡単に輪行モードに変身する。
車輪を外さないで、ここまでコンパクトに折り畳めるのは驚くしかないが、テンションシルクは前後ホイールやフロントフォークを外すことで、折り畳みサイズを3辺合計159cmと驚異的な輪行性能を実現した。
テンションシルクの価格は?
新時代の輪行ツーリング自転車と言える「テンションシルク」。価格は、超軽量モデルの「テンションシルク JBT」が、500,000円。キャンピング仕様の「テンションシルク UCC(ウルトラコンパクトキャンピング)」が200,000円。20インチの「テンションシルク 20」が150,000円(いずれもフレームのみ、税抜)。どれもハンドメイドのオーダー品のため高価だ。しかし、現在、アルミフレームの量産車仕様も製作中で2020年夏に販売を予定している。現時点では詳しい仕様は公開されていないが、希望価格は120,000円を予定していると語っていた。輪行ツーリングの時代を変える注目の自転車だろう。
リンク:silkcycle.com