折りたたみ自転車で有名なTernからE-カーゴバイク「HSD」が登場した。
従来の自転車よりも沢山の荷物が積めるカーゴバイクは日本ではマイナーな存在だ。その理由は様々だが、一番の理由は車体サイズが大きすぎて扱いにくい事だろう。日本では小径車輪を採用し、一般的な自転車と同サイズに収まるミニベロカーゴバイクのほうが扱いやすいだろう。
今回紹介するTern HSDはミニベロタイプの電動アシストカーゴバイク(E-カーゴバイク)。
アルミ製のフレームを採用したHSDはEN Cargo Bike規格に従いフレーム・フロントフォークを170kgまでテストし、重い荷物や子ども乗せを装着することが可能となった。また、HSDは駐輪や車載時の取り扱いのしやすさも重視している。ハンドルポストは折りたたみ式のためステーションワゴンなど屋根が低いクルマにも載せやすい。また、キャリアに工夫を行うことで、縦置きも可能な設計を採用し、カーゴバイクでありながら従来の自転車と同じような扱いやすさを得ている。車体重量は25.7㎏のため重い。
フロントフォークはサンツアー製。重い荷物を搭載するためにTern用にカスタムした、カーゴバイク用サスペンションフォークとのことだ。
ドライブユニットはBosch Active Line Plus。日本ではTREKやCorratec、Electraなど様々な自転車ブランドに搭載されているユニットだ。アシスト作動時の音が小さく、コミューターバイク向けなので、HSDには合っているだろう。
ブレーキはシマノ製油圧ディスクブレーキ。従来の自転車よりもだれでも高速走行できるE-Bikeは油圧ディスクブレーキを搭載する事例が多い。特にHSDのようなE-カーゴバイクは、車体重量も重いだけでなく沢山の荷物も積むため、強力な油圧ブレーキの搭載は必須だ。
HSD P9は、日本国内で発売されているE-カーゴバイクの中では、貴重なE-Bike(電動アシストスポーツ自転車)用ドライブユニットを搭載しているので、スポーティな走りも期待できるだろう。
価格は¥289,000(税抜)。E-Bikeの世界では、20万円台後半のモデルは少なくないが、原付2種クラスのスクーターが購入できるほどの高価格だ。
HSDはライフスタイルの幅を広げることができるピックアップトラックのようなE-Bikeだ。平日は子供の送迎に買い物、休日はサイクリングを楽しめるE-Bikeとして売り込めば、新しい客層を獲得できるかもしれない。
Tern HSDのスペック
- フレーム:Tern HSD, 6061-AL, patented design, Tern sliding dropouts, EFBE Tri-Test approved: 170 kg
- フロントフォーク:Suntour custom for Tern, 1.5″ tapered Chromoly steerer, 32 mm stanchions, Thru-axle, 70 mm travel, EFBE tested for 170 kg
- 重量:25.7kg
- ブレー:シマノ油圧式 ディスクブレーキ
- ギア(前):52T
- ギア(後):SHIMANO 11-32T 9段変速
- フロントホイール:Tern Atlas H, wide 35mm, Novatec Hub, Thru-axle, 100mm, 32H
- リアホイール:Tern Atlas H, wide 35mm, ShimanoDisc, 135mm, 32H
- タイヤ:Schwalbe Big Apple, 406, 20×2.15 F/V
- ドライブユニット:Bosch Active Line Plus(定格出力250W、最大トルク50Nm)
- アシスト方式:ミッドドライブ
- バッテリー:36V 8.2Ah
- 充電時間:約2.5時間
- アシストモード:4段階(ECO/TOUR/SPORT/TURBO)
- 航続距離:(100km/65km/60km/55km)
- 価格:289,000円(税抜)