普通自転車枠に収まる前2輪電動アシストカーゴトライクとして注目されている「 STROKE ACTIVE CARGO TRIKE」。2019年5月にオリジナルフレームのプロトタイプ「T4」が公開された。今回、試乗できる機会があったため、感想を紹介しよう。
ヤマハ・PW-Xに近い感覚の某国産ブランドドライブユニット
STROKE ACTIVE CARGO TRIKE T4には、日本では売られていない某国産ブランドドライブユニットを日本仕様にリセッティングした物を搭載している。48V電圧に最大トルク95Nmと日本国内では類を見ない高電圧・高トルクだ。今回試乗した限りでは、アシストの味付けはヤマハ・PW-Xに似ていると感じた。( PW-Xは海外版WebページではEXPW modeで80Nm、 High/STD/Eco/+Ecoで70Nm)パナソニック・スポーツドライブユニットみたいに発進時の飛び出し感もなく、脚力に合わせて綺麗にアシストを追従し、その気になったらハイパワーでアシストするヤマハらしさがあり、大手ブランドに引けを取らない一線級のドライブユニットだ。
実際、荷物積載無しで最大アシストで走行すると、30kgオーバーの3輪カーゴバイクが、車体重量20kgクラスのE-クロスバイクと錯覚する感覚があった。風変わりなデザインに感じるがスポーツE-Bikeの一角に入るだろう。ベルトドライブを採用しているが、ベルトが壊れるような不安感は特に無い。ベルドドライブ特有の踏み込みのソフトな柔らかさとスポーティな爽快感を両立している。
気になるのは、このドライブユニットが日本にやってくるのかどうか。某国産ブランドドライブユニットと表記しているのは、このブランドのドライブユニットが日本で販売するかはまだ不明とのこと。ヤマハ・PW-Xと同レベル、もしくはそれ以上のドライブユニットを様々な会社に供給できたら、日本のE-bike界の力関係が変わる可能性もある。
前2輪で達成した安定感
STROKE CARGO TRIKE T4の売りなのが前2輪機構。今回試乗したT4は、かつての試作モデル(T3.5)と比べて、普通に運転することができる。今回、調整不足のため、車体を限界まで倒して曲がることはできなかったが、これで峠を下ってみたいと感じたほど完成度は高かった。筆者が気に入ったのは、ブレーキをかけた時の安定性の高さと制動距離の短さ。前2輪機構を採用したことにより、一般的な自転車よりも安定性が高いのもあるだろう。
ネックは「売り方」
STROKE ACTIVE CARGO TRIKEでネックになるのは売り方だろう。業者からの反応が良いとのことだが、125ccクラスのオートバイ並に高価な車体価格になるため、一般的な販売方法では、車体価格が高価なので失敗する可能性もある。帝都産業(http://www.teito-co.com)のように、個人・法人を問わずマンスリーレンタルや、レンタサイクルでの貸し出しを行い、気軽に体験してユーザーの心を掴むのも1つだろう。
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