加熱する電動アシストスポーツサイクルで大手企業のパナソニックとヤマハは自社製のアシストユニットを搭載しシェア争いに挑もうとしている。一方、日本のミヤタは、シマノ製の電動アシストユニット「Shimano・STPES」を他社に先駆けて搭載することで、電動アシストスポーツサイクル市場に挑もうとしているようだ。
ミヤタの電動アシストスポーツサイクルに搭載されているのは、シマノ製アシストユニット「STEPS E8080」だ。シマノの海外向けアシストユニット「STEPS E8000」を日本向けにセッティングしたアシストユニットで、他社のアシストユニットと比べてコンパクトなのが特徴だ。また、STEPS E8080はミヤタ以外の会社にもアシストユニットを供給しており、ミズタニ・SeraphやDAVOS E600もミヤタと同じアシストユニットが搭載されている。
STEPS E8080搭載車(ミヤタ・クルーズ、Seraph、Davos E600)に試乗した感想は、パナソニックのスポーツドライブユニットのトルクを薄くして、ペダリングの回転重視にしたセッティングだと思った。のんびりとペダルを漕いで走るのよりも、スポーツサイクルのように高回転で漕いで走るのに向いている。アシストの作動感に関してはタイムラグはほぼ無く、メリハリがあるように感じた。
2018年5月現在、ミヤタの電動アシストスポーツサイクルは、クロスバイクのクルーズとマウンテンバイクのリッジランナーの2種類がある。どちらもシマノ製のアシストユニットを装備している。
クルーズ:¥269,000
シマノSTEPS E8080搭載のクロスバイクの中で、ミヤタ・クルーズは扱いやすさを重視した電動アシストクロスバイクだろう。前傾姿勢が緩く直進安定性重視のクロスバイク用フレームに、リング錠を標準装備している。ブレーキはシマノ・Deore油圧ディスクブレーキ、ホイールはディスクロードバイク用のシマノ・RX010を装備している。ギアはシマノ・アリビオ9速 11-32T。
ミヤタ・クルーズにはサイクリング用のオプションパーツが充実しており、フロント・リアキャリア、ハンドルバーバッグ・リアキャリアバッグといった積載関連のパーツから、電池式テールライト、泥除け、スタンドと実用的なオプションパーツも取り揃えている。
リッジランナー:¥369,000
日本のマウンテンバイクの歴史に名前を刻んだリッジランナーが復活。コンパクトなアシストユニットをさらに傾かせて、通常のマウンテンバイクに近いフレーム設計なのが特徴。電動アシストマウンテンバイクの中では数少ない27.5インチセミファットバイクで、タイヤはKENDA K1184A 27.5×2.8インチが装着されている。バッテリーもミヤタ・リッジランナーに搭載されているのがミヤタ・クルーズの36V/11.6Ahよりも大きい36V/14Ahを装備しており、アップダウンが多い山の中を走行してもバッテリーが切れにくいように配慮されている。
本格的なオフロード走行に対応するために、サスペンションはトレイル用で知られているのSR SUNTOUR RAIDON34 DS BOOST RCR、ブレーキはシマノ・DEORE油圧ディスクブレーキに、シートポストが上下伸縮することにより、安心して下ることができるドロッパーシートポストを装備。ギアはShimano CS-HG500-10 11-42Tと流行のフロントシングル仕様を実現している。