小さいニーズにも対応した豊富な路線や低価格により、日本の主要交通機関の1つになっている高速バス。場所によっては高速バスで行ったほうが便利な場所も存在するが、自転車乗りにとって高速バスは使いにくい交通機関だ。自転車乗りにとって高速バスが使いにくいのは、殆どの高速バスは輪行(自転車を袋に入れて積む)を行うことができないからだ。
一般的に高速バスや路線バスで輪行を行うことができないのは、荷物スペースが小さいためと言われている。例えば、伊豆大島内を運行している大島バスは、一部車両では自転車の積載を行うことができるが、上の写真のバスには輪行袋に入れた一般的なスポーツサイクルを載せることはできない。写真のバスに折りたたみ自転車のTern Link N8を折り畳んだ状態で、荷物スペースに入れた時はLink N8を寝かす必要があった。
20インチ折りたたみ自転車「Tern Link N8」の折りたたみ時のサイズは奥行き38x幅79x高さ72cm。大きくもなく小さくもない一般的な折りたたみサイズだが、Link N8で輪行に手こずるのでは、バス輪行は難しいと思う。しかし、一部の高速バスや都市間バス等では、条件付きで輪行を行うことができるようだ。そこで、今回は公式に輪行が可能な高速バスをまとめてみた。規約はバス会社により違うため、予約を行う時は必ず公式サイトやバス会社に確認を行ってほしい。
ウィラーエクスプレス
幅広く高速バスを展開しているウィラーエクスプレスは、事前予約制の自転車積み込みプランを発売している。事前予約していない場合など注意事項があるため、輪行を行う際は注意しよう。
- 利用区間:東京-大阪便など複数あり、公式サイト参照
- 自転車積載方法:輪行袋に入れる
- 自転車積載料金/1台:¥1,500
- 自転車積載可能台数/バス1台:2台
- 座席/車内設備:4列/ブランケット・コンセントもしくはUSB・カノピー、仕切り
函館バス「サイクリングバス」:函館-江差間
函館バスは函館・江差間で「サイクリングバス」を運行している。これは、車内後方に自転車を10台積み込みできるスペースを持たせた路線バス。土日祝日のみの運行だ。
サイクリングバスについて(PDF)
- 利用区間:函館-江差間
- 自転車積載方法:自転車をそのまま載せる
- 自転車積載料金/1台:500円
- 自転車積載可能台数/バス1台:10台
- 座席/車内設備:-
JRバス東北:『おいらせ号』 八戸駅⇔十和田湖(十和田市内・奥入瀬渓流)等
JRバス東北は2020 年 4 月 1 日運行便から、一部路線バスで輪行が可能になる。詳しくは以下のページから。
岩手県北バス:東京-久慈(岩手きずな号)、宮古-盛岡(106急行バス)等
東京圏から東北圏の高速バスや東北圏の都市間バスを結ぶ岩手県北バスは、東京-久慈間(岩手きずな号)、宮古-盛岡間(106急行バス)等のバス路線で輪行が可能。高速夜行バスBEAM-1号は輪行不可だが、予約の必要などについては書いていない。但し、繁忙期やトランクの空き状況によってはお断りさせていただく場合があるとのことなので注意。
ご利用案内 | 岩手県北バス(公式サイト)路線バス・高速バス・貸切バスの情報
- 利用区間:東京-久慈(岩手きずな号)、宮古-盛岡(106急行バス)、県北バス(盛岡-岩手・青森等)
- 自転車積載方法:輪行袋に入れる
- 自転車積載料金/1台:特に無し
- 自転車積載可能台数/バス1台:不明
- 座席/車内設備:バスにより異なる
ブルーライナー:関東-関西・関西-金沢
関東-関西便、関西-名古屋便を運行しているブルーライナーはバス1台につき輪行袋入り自転車を2台まで積めることが可能。輪行は事前電話予約制で、料金は1台1,500円が必要となる。また、ナイトライナー(関東-関西、関東-仙台)は、輪行不可のため注意が必要だ。
- 利用区間:関東-関西便、関西-金沢便
- 自転車積載方法:輪行袋に入れる
- 自転車積載料金/1台:¥1,500
- 自転車積載可能台数/バス1台:2台
- 座席/車内設備:4列スタンダート/ブランケット・コンセント(一部便)
アミー号:関東-大阪・関東-名古屋・関東-新潟
関東-大阪便、関東-名古屋便、関東-新潟便を運行しているアミー号は、バス1台につき輪行袋入り自転車を2台まで積めることが可能。ブルーライナーと同じく料金は1台1,500円が必要となる。輪行は完全予約制で、席予約後に電話で事前予約を行う必要がある。ブルーライナーと違うのは、4月28日(金)発~5月6日(土)発の期間は輪行プランの受付を中止するため注意が必要だ。アミー号の場合、輪行時の注意事項は各便の輪行プランバナーをクリックすることで閲覧できる。
- 利用区間:関東-大阪便、関東-名古屋便、関東-新潟便
- 自転車積載方法:輪行袋に入れる
- 自転車積載料金/1台:1,500円
- 積載可能台数/バス1台:2台
- 座席/車内設備:4列スタンダート・4列のびのびシート(一部便)/ブランケット・コンセント(一部便)
JRバス関東:東京・新宿-草津温泉間、東京・新宿-佐野間、新宿-佐久・小諸間、東京・新宿-館山・安房白浜【折りたたみ自転車のみ】
JRバス関東では、東京・新宿-草津温泉間、東京・新宿-佐野間、新宿-佐久・小諸間、東京・新宿-館山・安房白浜間では、折りたたみ自転車のみ輪行が可能となっている。輪行を行う場合有料手荷物料金(500円)を支払う必要がある。
- 利用区間:東京・新宿-草津温泉、東京・新宿-佐野、新宿-佐久・小諸、東京・新宿-館山・安房白浜
- 自転車積載方法:輪行袋に入れる(折りたたみ自転車限定)
- 自転車積載料金/1台:500円
- 積載可能台数/バス1台:2台
- 座席/車内設備:バスによる。
東京空港交通リムジンバス:成田空港線(関東圏-成田空港)・羽田空港線(関東圏-羽田空港)
東京、神奈川、埼玉等の関東エリアと成田空港・羽田空港を結ぶ東京空港交通リムジンバスは、条件を満たせば自転車の積載が可能とのこと。但し、当日の状況により、お預かりできないことがございますので、事前に荷物運搬をお約束することはできないため注意が必要だ。
- 利用区間:成田空港線(関東圏-成田空港)・羽田空港線(関東圏-羽田空港)
- 自転車積載方法:輪行袋に入れる
- 自転車積載料金/1台:無料
- 積載可能台数/バス1台:不明
- 座席/車内設備:4列シート/トイレ
大島バス:東京都 伊豆大島内
伊豆大島の島内を走っている大島バスは、総重量30kg、3辺の和が2m以内なら輪行が可能。ただ、伊豆大島内はシーズンによりバスの本数が変わるため注意が必要。バスによっては輪行ができない場合もある。
有料手回り品について(PDF)
- 利用区間:路線バス | 大島バスを参照
- 自転車積載方法:輪行袋に入れる
- 自転車積載料金/1台:200円
- 積載可能台数/バス1台:不明
日東交通:房総なのはな号(東京-白浜・館山)新宿なのはな号(新宿-館山)【折りたたみ自転車のみ】
日東交通の都市間高速バスは、房総なのはな号(東京-白浜・館山)と新宿なのはな号(新宿-館山)のみ、折りたたみ自転車で輪行が可能。有料手回り品扱いとなるため、1台につき500円かかる。
「房総・新宿なのはな号」有料手回り品の取扱いについて – 日東交通株式会社
- 利用区間:東京-白浜・館山、新宿-館山
- 自転車積載方法:輪行袋に入れる(折りたたみ自転車限定)
- 自転車積載料金/1台:500円
- 積載可能台数/バス1台:不明
- 座席/車内設備:バスによる。
信南交通:主に東京・名古屋・大阪-長野飯田エリア
東京・名古屋・大阪-長野飯田エリアを中心に高速バスを運行している信南交通は、折畳可能な自転車で、輪行袋に入っている場合は輪行可能のようだ。但し、繁忙期等で荷物が多い時には積めない場合があるため注意が必要だ。
- 利用区間:主に東京・名古屋・大阪-長野飯田エリア(信南交通 | 高速バスを参照)
- 自転車積載方法:輪行袋に入れる(折りたたみ自転車限定)
- 自転車積載料金/1台:無料
- 積載可能台数/バス1台:不明
- 座席/車内設備:バスにより異なる
豊鉄バス:豊橋京都線(豊橋-京都)
豊橋-京都間を運行する豊鉄バスの豊橋京都線は、事前予約を行えば自転車積載が可能。自転車の積載はそのままの状態で毛布をかぶせ、トランク内に収納するとのことだ。高速バス/都市間バスの輪行の中でも、自転車をそのままの状態で積むことができるのは珍しい。
京都・京都深草行きバス | 豊鉄バス株式会社:乗合バス/高速バス/契約バス~運賃・時刻検索~
- 利用区間:豊橋-京都
- 自転車積載方法:そのままの状態
- 自転車積載料金/1台:無料
- 積載可能台数/バス1台:5台
- 座席/車内設備:4列シート/トイレ・割引券(京都タワー・レンタサイクル)
本四海峡バス:主に京都・大阪・神戸-淡路・徳島
京都・大阪・神戸-淡路・徳島を中心に運行している本四海峡バスは、折り畳み自転車を輪行袋に入れた場合は輪行が可能とのこと。
但し大磯号(新神戸駅-高速舞子-東浦バスターミナル)は、 本四海峡バスが運行する時間帯は、トランクルームが狭いバスが運行されている時間帯があるため、輪行をお断りする場合があるとのこと。大磯号で輪行を行う場合は、事前に担当営業所(本四海峡バス 大磯営業所)に、希望日時及び乗車予定バス停を確認して欲しいとのことだ。
- 利用区間:京都・大阪・神戸-淡路・徳島
- 自転車積載方法:輪行袋に入れる
- 自転車積載料金/1台:無料
- 積載可能台数/バス1台:5台
- 座席/車内設備:バスにより異なる
JR四国高速バス:観音寺エクスプレス号(神戸・大阪-観音寺・坂出)
JR四国高速バスが神戸・大阪-観音寺・坂出間を運行する、観音寺エクスプレス号は、無料で輪行袋に入れた自転車の積載が可能だ。バス1台に対しての自転車積載可能台数は4列シート車両の場合は2台、3列シート車両の場合は1台となる。予約受付はジェイアール四国バス予約センターか、ジェイアール四国バス バスプラザのみのため注意。
JR四国バス|観音寺エクスプレス号、なんごくエクスプレス号で「自転車積込み&事前予約サービス」開始
- 利用区間:神戸・大阪-観音寺・坂出
- 積載方法:輪行袋に入れる(折りたたみ自転車限定)
- 自転車積載料金/1台:不要
- 自転車積載可能台数/バス1台:4列シート車両の場合2台/3列シート車両の場合1台
- 座席/車内設備:4列シート、もしくは3列シート/トイレ
神姫グリーンバス:越知川名水街道自転車下り
JR四国高速バス:なんごくエクスプレス号(高知-松山)
JR四国高速バスが高知-松山間を運行する、なんごくエクスプレス号は、1台につき300円で輪行袋に入れた自転車の積載が可能。観音寺エクスプレスと同じく、バス1台に対しての自転車積載可能台数は4列シート車両の場合は2台、3列シート車両の場合は1台だ。予約受付はジェイアール四国バス予約センターか、ジェイアール四国バス バスプラザのみのため注意が必要。
JR四国バス|観音寺エクスプレス号、なんごくエクスプレス号で「自転車積込み&事前予約サービス」開始
- 利用区間:高知-松山
- 積載方法:輪行袋に入れる
- 自転車積載料金/1台:¥300
- 自転車積載可能台数/バス1台:4列シート車両の場合2台/3列シート車両の場合1台
- 座席/車内設備:4列シート、もしくは3列シート/トイレ
四国高速バス:昼行便のみ【折りたたみ自転車のみ】
四国から東京、大阪を中心に運行している四国高速バスは、昼行便なら折りたたみ自転車のみ輪行が可能。
http://www.yonkou-bus.co.jp/fqa/
- 利用区間:昼行便
- 積載方法:輪行袋に入れる(折りたたみ自転車限定)
- 自転車積載料金/1台:無料
- 自転車積載可能台数/バス1台:不明
- 座席/車内設備:バスによる
伊予鉄道・伊予鉄南予サイクルバス:松山-三崎特急線、面河線
伊予鉄道では、一部区間で伊予鉄道・伊予鉄南予サイクルバスを運行している。バス前方に装備されている可倒式自転車ラックに自転車を装着する方法だ。サイクルラック装着車は日によって違うためPDFを参照してほしい。
伊予鉄道・伊予鉄南予サイクルバス(PDF)
- 利用区間:松山-三崎特急線(松山-八幡浜-三崎)/面河線(久万営業所-面河-石鎚土小屋)
- 積載方法:自転車ラックに装着する
- 自転車積載料金/1台:100円
- 自転車積載可能台数/バス1台:2台
おのみちバス:しまなみサイクルエクスプレス(尾道-今治)
尾道-今治間を運行するしまなみサイクルエクスプレスは、自転車積載の予約乗車1ヶ月前から前日までに行えば輪行が可能。車内に載せる場合は輪行袋に入れるか、自転車の前輪を外す必要がある。自転車積載に必要な料金は不要。
利用区間:尾道-今治積載方法:輪行袋に入れる/自転車の前輪を外す自転車積載料金/1台:不要自転車積載可能台数/バス1台:6台
九州産交バス:福岡線「ひのくに号」・北九州線「ぎんなん号」・長崎線「りんどう号」等【折りたたみ自転車のみ】
九州産交バスは折りたたみ自転車であれば、福岡線「ひのくに号」・北九州線「ぎんなん号」・長崎線「りんどう号」等の数多くの自転車の輪行が可能。但し、トランクが無いバスやトランクスペースが異なるバスがあるため、持ち込みをお断りする場合もあるため注意。
- 利用区間:福岡線「ひのくに号」・北九州線「ぎんなん号」・長崎線「りんどう号」・鹿児島線「きりしま号」・福岡-黒川温泉・福岡-宮崎線「フェニックス号」・新八千代-宮崎駅「B&Sみやざき」・大分線「やまびこ号」・延岡線「たかちほ号」・九州横断バス・あまくさ号・たかもり号・空港リムジンバス・雲仙、長崎オーシャン観光バス
- 積載方法:輪行袋に入れる(折りたたみ自転車限定)
- 自転車積載料金/1台:不要
- 自転車積載可能台数/バス1台:不明
西鉄バス:【折りたたみ自転車のみ】
西鉄バスは、総重量30キログラム、3辺の長さが2メートル以内であれば、折りたたみ自転車の輪行が可能。
高速バスへの車内・床下トランク持ち込み等について|バス情報|西鉄(にしてつ)くらしネット|バス・電車時刻表やおすすめ情報
- 利用区間:高速バス|西鉄(にしてつ)くらしネットを参照
- 積載方法:輪行袋に入れる(折りたたみ自転車限定)
- 自転車積載料金/1台:不要
- 自転車積載可能台数/バス1台:不明
沖縄バス 空港リムジンバス:那覇空港-沖縄本島中北部リゾートホテル
那覇空港と沖縄本島中北部のリゾートホテル間のリムジンバスを運行している沖縄バス。混雑など当日の状況によりお預かりできない場合はあるらしいが、輪行袋に入れた自転車を積むことができるようだ。
リムジンバスご利用案内 | 沖縄県内の観光・貸切・バスツアー 【沖縄バス株式会社】
- 利用区間:那覇空港-沖縄本島中北部リゾートホテル
- 積載方法:輪行袋に入れる
- 自転車積載料金/1台:不要
- 自転車積載可能台数/バス1台:不明