26インチよりも大きく29インチ(700C)よりも小さい650B規格ホイールはマウンテンバイクでは主流になり、グラベルロードの世界でもこの規格が採用されつつある。
KONA ROVE NRBは650B✕47Cのスリックタイヤ「WTB HORIZON」を採用したグラベルロードだ。このタイヤはWTBが提唱するロードプラスタイヤというもので、700✕30C相当の直径で、47ミリ相当(1.75インチに近い幅)のタイヤ幅を持っているスリックタイヤだ。舗装路や砂利道では絶対的スピードは出ないが、舗装路では荒れていても乗り心地が良くてパンクしにくく、ロードバイクでは走れない砂利道も楽しく走ることができるのが特徴となっている。
KONA ROVE NRB DLは650Bホイールを採用したROVE NRBシリーズの上級モデル。アルミフレームを採用したモデルでディスクブレーキも装備している。ちなみに650Bホイールを採用したROVEはROVE NRBだけでなくレイノルズ853クロモリフレームのROVE LTDも650Bホイールを採用している。
http://www.konaworld.com/rove_nrb_dl.cfm
今回は弱虫ペダルスターライトクロスのレースコースが開放されている時間に試乗してきた。舗装路はわずかで急坂もあり、サイクルモードの試乗コースよりも遥かに公道に近い。
試乗して良いと思ったのは車輪の大きさが程よく、スリックなのにタイヤも太い。油圧ブレーキなのでブレーキの効きも良くて安心感が高いこと。
一般的にスリックタイヤは舗装路向けのタイヤだが、WTB Horizonは、タイヤ幅が47ミリと太く、安心して走ることができる。グラベルキング32CのEscape RXでは、安心して通過できると思われるシーンでは、WTB Horizonだと安心して操縦を楽しめた。
シマノの油圧ディスクブレーキとWTB Horizonタイヤのお陰で、シクロクロスコースを楽しむことができた。シクロクロスやマウンテンバイクレースを行う人ならともかく、一般のサイクルツーリストだと躊躇する急な下り坂など、シクロクロス独特のコースを楽しむことができた。
このあとにSUTRA LTDやROVEに乗ろうと思ったが、タイヤが細いROVEで同じように走ったら怖い(自分の自転車ではなく、NRBと同じ感覚で走ったら怖いと感じたため) SUTRA LTDは去年、ミニコースで試乗したとき車輪が大きすぎて、あのコースでは手にあまりそうと思ったため乗らなかった。
ROVE NRB DLのような650Bホイールのグラベルロードは、ある意味すべてがハンパなグラベルロードだろう。しかし中途半端な道しかない公道ではこんなホイールを採用した自転車があっている。公道レベルの舗装路、未舗装路、段差に強いグラベルロードの一台だと思う。
最大の欠点はタイヤの価格。WTB HORIZONの価格は8000円と非常に高価で似たタイヤがない。チューブもホームセンターや自転車量販店で容易に入手することが難しいため、遠出をするときはチューブは二本ぐらい持っていったほうがいいだろう。