KONAのツーリングバイク「SUTRA」には、古典的なSUTRAと、SUTRAよりも太いタイヤを履いたSUTRA LTDの2種類が存在する。SUTRA LTDは、マウンテンバイク並に太いタイヤを履いたモンスタークロスと言われるモデルだ。
SUTRA LTDのクロモリフレームで注目する所は、ディレイラー取付部が分離式ということ。通常のクロモリフレームではディレイラー取付部は曲げても戻せるため一体型なのが一般的だが、何回も曲げた場合は修復は困難になる。オフロード走行をするため曲げる機会が多いマウンテンバイクでは、高価格帯のモデルでは採用されている事が多い。スチールフレーム系統で、ディレイラーハンガーが別体式なのは比較的少数派だ。
ブレーキはSRAM RIVAL1 HRD油圧ディスク。前に機械式ディスクブレーキと比較したエントリを書いたが、機械式よりも制動力が高く油圧なので軽い力で引くことができる。
https://www.cyclorider.com/archives/17000
ギア比は前はシングルでRaceFace Aeffect 36T。リヤはSRAMの10-42Tとなっていて、自動車のマニュアル車のようにシンプルに変則することができる。
タイヤはWTB Riddler 700×45c。従来のシクロクロスよりもタイヤが太く、29インチマウンテンバイク並の太いタイヤを装備している。700×35Cクラスの通常のシクロクロス・グラベルロードよりも太いタイヤは鷹揚としたハンドリングの感覚だったが草地の
29インチマウンテンバイクと同程度の車輪を搭載したSUTRA LTDは、パット見だと29インチマウンテンバイクのドロップハンドル版に見えるが、29インチマウンテンバイクとの違いは多くある。SUTRA LTDは乗車姿勢はロードバイクに近く、シートアングルが立っているため回すペダリングがしやすい。ホイールベースはマウンテンバイクよりも短くヘッドアングルも立っているため、マウンテンバイクのような安定感よりもロードバイク風の軽快感のほうが高い。最近のマウンテンバイクはサスペンションフォークや幅広のフラットハンドル、山道を走るのに特化したモデルが殆どのため、山道と舗装路をソコソコ走れるSUTRA LTDのようなモンスタークロスは欲しいユーザーはそれなりにいると思う。山の中をスピードを出して走るのならマウンテンバイクがベストだと思うが、自走重視で荒れた道を走るのならSUTRA LTDのほうが良いのではないかと思う。