タルタルーガで特徴的なモデルといえばType Fだろう。折りたたみ式のセミリカンベントタイプで、改良を行いながらも今でも売られている自転車だ。タルタルーガType Sportの試乗のついでに乗ってみた。
リカンベントに対しての知識はほとんど無いが、発進は容易にできた。発進して最初に感じたのは意外とフラフラするということ。発進してスピードを出すとふらふらしにくくなるので、低速時の運転は少しコツがいると思えばいいと思う。
見晴らしの良さと独特の乗車姿勢は、今までの自転車とは違うため面白く、スピードを出さなくても楽しい自転車だ。漕ぎやすさに関しては、通常の自転車と比べて良いようにはあまり感じなかった。個人的には通常の自転車の長いクランクよりも、短いクランクを採用したほうが、より自然に走れるのではないかと思う。
上り坂は力がかかりにくく、現状だと峠を越えるような使い方はあまりしたくない。一方で下り坂は見晴らしが良い乗車姿勢に「後輪を中心に前輪が弧を描いていく」動きが面白い。下り坂をずっと下って走りたいと思うほどで、ある意味公道ダウンヒル用自転車だと思う。
実用性は無くて使いにくい。荷台は前にしか装着できず、背中にリュックサックを背負うこともできない。ウエストバッグも難しい。また乗車姿勢の関係か、乗車時にズボンのポケットが斜め下に来るためポケットに財布や携帯電話を入れると落としてしまいそうな不安がある。
ユーザーのレポートを見ると、評価は様々で良評価から悪い評価まで様々ある。タルタルーガの乗り心地 – 自転車・マウンテンバイク 解決済 | 教えて!gooでは、独特の走りは唯一無二の楽しさがある一方、シートなどに欠点があるとのこと。タルタルーガ FとRでは、実際に購入して色々な改造を行っていたらしいが、乗車姿勢やシートなどの評価は低い。
タルタルーガ Type Foldingは、完成度が高いType SPORTと比べると完成度が低いように見える。購入する場合、ユーザーの評価を見てじっくり試乗して考えるのを薦める。
Tartaruga TYPE FOLDINGの誕生秘話
タルタルーガ・エンターテイメントワークス 代表兼、デザイナー 吉松尚孝のブログ(https://tartaruga.xsrv.jp/blog/)では、Tartarugaの話題を中心に様々なエントリが読める。
今回注目するのはTartaruga TYPE FOLDINGの制作秘話。これによるとTYPE FOLDINGの始まりは、吉松氏が株式会社ナムコに勤めていた時、アミューズメントマシン開発のノウハウを活かした、新しい乗物を作りたい思いで始めたとのこと。スタイリッシュな折畳み自転車の企画が、社内ベンチャーとして始動することになるが、試作車の開発に難航する様子、Pacific Cycles社長の出会い、最終的にナムコからの発売ができず退社し、タルタルーガ・エンターテイメントワークスを設立することとなる。Tartaruga TYPE FOLDINGはTartarugaの源流とも言える自転車だろう。
公式サイト:Tartaruga Type FOLDING TOP J
タルタルーガ・エンターテイメントワークス 代表兼、デザイナー 吉松尚孝のブログ:https://tartaruga.xsrv.jp/blog/