ロードバイクブームのお陰で少ないながら、5万円以下で安価に買うことができるロードバイクがある。MomentumのI want R-1、Art Cycle Studio SシリーズやAシリーズが有名だ。この手の使える激安ロードバイクが買える価格で、大手スポーツ自転車ブランドは、エントリーモデルのクロスバイクを販売している。
そこで気になるのが性能差。エントリーモデルのクロスバイクと激安ロードバイクには、どのくらいの差があるのか?激安ロードバイクのPROGRESSIVE RRX-110からEscape R3にチェンジした某Y氏は、最初はEscape R3はサブマシンとして使う予定だったのが、Escape R3のほうがRRX-110よりも性能が高く、最終的にはRRX-110は分解されている状況となっている。
ブレーキ性能の違い
Escape R3に代表されるクロスバイクは、マウンテンバイクに採用されていたVブレーキを採用している。Vブレーキは制動力が高いのが特徴で、自分たちみたいに大型観光バスが走らないような急な下り坂を下るのには、Vブレーキのような制動力が高いブレーキのほうが、余裕を持って下ることができる。
RRX-110に代表されるロードバイクにはキャリパーブレーキが採用されている。キャリパーブレーキは一般的にはVブレーキよりも制動力が低い。また、安価なロードバイクに採用されているキャリパーブレーキは制動力が低く、ブレーキ本体の価格もVブレーキと比べて高価だ。
フレーム性能の違い
GIANT Escape R3はエントリーモデルのクロスバイクの中でも、フレームは比較的凝っている。旧型のEscape Rのフレーム重量は1.5kg台、現行のEscape R3の場合、1260gと軽量となっている。また、フレーム造形も単純なパイプをつなげたものではなく、立体的なパイプとなっている。外からは見えないが、応力がかからない部分はパイプの厚みを薄くしていると思われる。
参考:Escape Airのフレームよりも軽い、GIANT ESCAPE R3のフレーム重量 – シクロライダー
実際に乗り比べた某Y氏は、「よくわからないが、走りはEscape R3のほうが良い。」と言っている。某Y氏は自転車には必要以上はこだわらないタイプだが、このような人でも走りの違いがわかるということだ。そんな激安ロードバイクは、フレームにコストはかかっていないと思われ、エントリーモデルのクロスバイクよりも重いモデルも存在する。
激安ロードバイクがエントリーモデルのクロスバイクも劣る理由
激安ロードバイクの中でも買うのに値するモデルはART CYCLE A/Sシリーズ、Momentum I Want R-1、サイクルベースあさひ・レユニオンコーレルぐらいしかないが、この手の激安ロードバイクはEscape R3などのクロスバイクと比べると、1ランク落ちるように見える。特にフレームは、Escape R3のように凝っているようには見えない。また部品も後ろのギア、つまりスプロケットが7段の物が多い。
理由は色々あると思うが、大きな理由はロードバイク用の部品が高いということ。クロスバイクに採用されている部品は、マウンテンバイクや小径車、折りたたみ自転車など多くの自転車に採用されている部品規格が多い。しかし、ロードバイクの部品は、ロードバイクとシクロクロスが中心となっている。
ロードバイク用の部品は、採用されている自転車が少ない。競争や低価格化も難しいということになるため、クロスバイクと比べると必然的に部品は高価になる。同じ5万円の自転車でも、5万円のクロスバイクと5万円のロードバイクでは、部品にかかる金額に違いがある。普通に作るのであれば、クロスバイクのほうがフレームにコストをかけることができることが可能という意味でもあるだろう。
激安ロードバイクと大手自転車ブランドのクロスバイクを買うならどちらが良いか
大手自転車ブランドのクロスバイクは、ワイヤーやヘッドパーツ、塗装等の細かい部分や、購入のしやすさ、サイズが豊富、軽いギアが付いているなど、激安ロードバイクよりも利点が多い。また、クロスバイクは初心者にも扱いやすい車体のため、普通に乗るのなら大手有名ブランドのクロスバイクがいいだろう。
性能面を見るのなら、使える激安ロードバイクは自分好みに弄ったり、一種の勉強やマニアのセカンドバイクとして乗る、安くてもロードバイクに乗りたいなど、明確な理由が必要だろう。普通の人が走りが軽い自転車が欲しいのなら大手ブランドのクロスバイクがベストだろう。