ついに現実となった自転車レース史上初の技術不正 自転車レースで隠しモーターを搭載

UCIシクロクロス世界選手権2016で出場した女性選手の自転車から、隠しモーターが発見された。自転車競技の世界では、ドーピング問題が昔からあったが、今回の事例は史上初のメカニカルドーピングとして注目を集めている。
参考:自転車レースで「隠しモーター」、史上初の技術不正が発覚 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

既存の競技用自転車でどうやって電動アシスト自転車化が行えるのか。まずは既存の自転車を電動アシスト化が行えるのかをまとめてみた。

ハブモータータイプ

車輪のハブをモータータイプに変更して、電動アシスト化を行う方式。安価なブランドの電動アシスト自転車が採用するハブモーター方式は、電動アシスト自転車化キットでよく見るタイプだ。

殆どのハブモータータイプの電動アシスト自転車は、前輪か後輪かをハブモーター化するのがほとんどだが、BH E-motionのEVO AWDシリーズでは両輪をハブモーター化して2輪駆動仕様となっており、両輪駆動・前輪駆動・後輪駆動での走行が可能となっていて、その気になれば両輪駆動化もできるだろう。

参考:本物の電動両輪駆動の電動アシスト自転車 BH E-motion EVO AWDシリーズ | シクロアシスト

殆どの電動アシスト自転車キットはモーターが大きいため、すぐに電動アシスト自転車化だとわかるのがほとんどだが、最近ではバッテリーをボトル型にしてモーターを小型化したものも有り、簡単にわからないようになっている物もある。

ローラー接触型タイプ

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http://www.nti-online.net/?q=content/offenes-prinzipから引用

原付きで言うならVeloSolexや、ヨーロッパにあった初期の電動アシスト自転車「CITYBLITZ」(写真)のように、モーターで動くローラーをタイヤに接触させて電動アシスト化を行うタイプ。現在ではこの方式を採用している電動アシスト自転車は見ないが、電動アシスト自転車キットでadd-eというのがこのローラー接触方式を採用している。ただ、この方式はユニットが見えていて分かりやすいため、バレやすいだろう。

クランク駆動方式

車体内にモーターを組み込み、クランクを回すことで電動アシスト自転車化を行う方式。Vivaxというブランドの物が有名で、外から見ると電動アシスト化されているのかがまったくわからないのが特徴となっている。
参考:vivax Assist, Gruber Assist E-Bikes (Fahrradantriebe, Elektrorad )

UCIシクロクロス世界選手権2016で隠しモーターが発見された自転車に搭載されていたのは、恐らくこのタイプだと思われる。
参考:Geheime motor in je wielrenfiets? Simpel! – RTL NIEUWS – YouTube

前から噂であった技術不正

この「技術不正」は前から噂されていて、自転車が転倒して地面に倒れても車輪が回っていたり、あまりに力が強い選手等は技術不正が行われていたのでは?と噂されていたようで、自転車内部を内視鏡で見たり、X線検査を行う事例があったとのこと。ただ、この時は技術不正は見つからなかったので、技術不正が行われた自転車は見つからなかったようだ。しかし、今回の技術不正発覚は噂が現実になったため、あらゆる噂が出るのではないかと思う。

参考:イタリアで進化を続ける電動アシスト自転車 ロードやMTBにも「見えない力」を搭載 – cyclist

電動アシスト自転車化した自転車を日本で走行させるのは合法か

このような電動アシスト自転車キットを通常の自転車に装着して、電動アシスト自転車化を行う場合、電動アシスト自転車の要件を満たしていれば合法だ。

日本では電動アシスト自転車は、ペダルを踏んだ状態でしかアシストを作動させないといけない。また、アシスト可能な速度やアシスト比等の要件を満たさないといけなく、これらの要件を満たさない場合は原動機付自転車扱いとなる。

電動アシスト自転車化の最大の障害はモーターではなく、日本の法規に合わせたコントロールシステムだろう。海外の電動アシスト自転車の要件は日本より緩く、日本の法規に合わないのでこれらの電動アシスト自転車化キットを装着して、日本の公道を走行した場合は電動アシスト自転車ではなく原動機付自転車扱いとなるだろう。

参考:電動アシスト自転車の型式認定を受けないのは違法ではないが、型式認定を受けたのを選んだほうが良い理由 | シクロアシスト

国内用と海外用の電動自転車用アシストユニットの違い(ヤマハ・PMシリーズ/PWシリーズ) | シクロアシスト

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