オフロードでも軽快に走行できるE-MTBや一般の人でも快適なサイクリングが楽しめるE-クロスバイクがメインのE-Bike(電動アシストスポーツ自転車)。そんなE-Bike界の中でもマイナーなのがE-ロードバイクだ。法律の関係で低速でアシストが効く特性は、高速走行を楽しむロードバイクには合わない等の問題があり、世界的に見てE-ロードバイクはマイナーな存在だ。そんな中でも日本や海外で販売されているE-ロードバイク/グラベルロードを紹介する。
日本で購入できる電動アシストロードバイク/グラベルロード
2019年7月現在、日本で発売されている、若しくは発売予定のE-ロードバイク一覧。E-Bikeはドライブユニットによって、走行感が違うため購入前は試乗をお薦めする。
XROSS B1h:¥189,000
E-Bikeブーム前に登場したE-ロードバイクがXROSS B1h。軽量な車体と小型バッテリーを装備することで、車体重量13㎏を達成したE-ロードバイク。日本国内で販売されているE-Bikeの中では驚異的とも言える軽さだ。ドライブユニットはSUNSTER S03。2019年現在、日本国内での情報が少ないのが欠点だろう。
- フレーム:Aluminum Alloy #6061
- フロントフォーク:カーボンフォーク(700×28C対応)
- 重量:約13.0kg
- ドライブユニット/搭載方式:SUNSTER S03 235w/ミッドドライブ
- バッテリー: DC25.2V, 63.9Wh, 890g
- 航続距離:-
- 充電時間:-
- メインコンポーネント:シマノ・CLARIS 1×8速
- ブレーキ:Shimano CLARIS
- ホイール/タイヤ:700X23C Kenda Kaliente Pro,
Yamaha YPJ-R:¥230,000
日本のE-Bikeブームの先駆けで登場したのがYPJ-R。ヤマハのE-Bikeブランド「YPJ」シリーズ初めての市販モデルとして知られている。YPJ-RとE-フラットバーロードバイクのYPJ-Cは、軽量な車体とコンパクトなバッテリーを搭載したライトウェイトE-Bikeだ。
YPJ-Rの利点は車体とバッテリーが軽量なため、一般的なスポーツ自転車と同じ感覚でコーナリングができる事。欠点は、アシストは人間の脚力の補助という扱いのため、アシストの味付けを薄口にしている所だ。大容量バッテリーを搭載したヘビーウェイトE-Bikeは、モーターのアシスト力で上り坂をパワフルに登ってくれるが、YPJ-Rはあくまでもアシストに徹して登る特性を採用している。また、E-Bikeは上り坂を長時間走行するとバッテリーの消耗が激しくなる。YPJ-Rは他のE-Bikeでは見られない超小型バッテリーを搭載しているため、長時間上り坂を走行した場合、すぐに電池切れになるだろう。
スタートダッシュと上り坂よりも、平地とコーナリングの軽快さを求める人に向いている。登場時は、大手自転車ブランド唯一のE-bikeだったため、試乗車やレンタサイクルが全国各地にあり、E-ロードバイクの中では気軽に乗れる。
- フレーム:アルミ
- フロントフォーク:アルミ
- 重量:約15.4kg(Mサイズ)
- ドライブユニット/搭載方式:ヤマハ・PW 240w/ミッドドライブ
- バッテリー: 25.2V/2.4Ah
- 航続距離:
「HIGH」モード:14km
「STD」モード:22km
「ECO」モード:48km - 充電時間:1時間
- メインコンポーネント:シマノ105 2×11速
- ブレーキ:Shimano 105 キャリパーブレーキ
- ホイール/タイヤ:700X23C
Yamaha YPJ-ER:¥320,000
欧州的E-Bikeの方程式を積み込んだE-グラベルロードがYPJ-ER。大容量バッテリーを搭載し、パワフルなアシストにすることで楽に走行できることができ、YPJ-Rとはコンセプトから違う。
ドライブユニットはヤマハ・PW-SE。YPJ-Rに装備されているPWよりも上位ユニットのモデルで、脚を高回転で回しても追従する仕様となっている。バッテリーも大容量タイプを採用することで、航続距離は最短で93km(ハイモード)、最長で242km(プラスエコモード)と、長い上り坂や長距離サイクリングにも対応。ブレーキは、油圧ディスクブレーキを採用し、短い距離で止まる事が可能だ。タイヤはロードバイクよりも太いタイヤが装備されており、グラベルライドや街中の段差も安心して走行できる。海外ではYPJ-ERをベースにしたE-グラベルロード「 WABASH」がある。
YPJ-ERは、癖がなく扱いやすいE-グラベルロードが欲しい人に向いている。車体価格は高価だが、E-ロードバイク/E-グラベルロードを購入するときは候補の1つに入れる1台だろう。
- フレーム:アルミ
- フロントフォーク:アルミ
- 重量:約19.6kg(Mサイズ)
- ドライブユニット/搭載方式:ヤマハ・PW-SE 240w/ミッドドライブ
- バッテリー: 36.0V/13.3Ah
- 航続距離:
ハイモード:93km
スタンダードモード:111km
エコモード:152km
プラスエコモード:242km - 充電時間:約3.5時間
- メインコンポーネント:シマノTIAGRA 2×10速
- ブレーキ:Shimano TIAGRA 油圧ディスクブレーキ
- ホイール/タイヤ:700×35C
BESV JR1:¥276,000
デザイン性の良さで注目されているE-Bikeブランド「BESV」のE-ロードバイクがJR1。バッテリー内蔵式を採用することで、スマートで一体感があるデザインを採用。
E-ロードバイクの中では、それなりの容量があるバッテリーを搭載することで、最大航続距離は100kmオーバーを実現した。ドライブユニットはBESVオリジナルのインホイールモーターユニット。アシスト力はE-Bike業界の中ではマイルドな部類に入る。しかし、車体重量は16㎏と一般的なE-Bikeよりも軽い利点がある。
- フレーム:アルミ
- フロントフォーク:アルミ
- 重量:約16kg(Mサイズ)
- ドライブユニット/搭載方式:BESVオリジナルユニット w/リアインホイールモーター
- バッテリー: 36.0V/7Ah
- 航続距離:
MODE1:138km
MODE3:64km - 充電時間:約3.5時間
- メインコンポーネント:シマノ105 2×11速
- ブレーキ:Shimano 105 油圧ディスクブレーキ
- ホイール/タイヤ:700×25C
evol D700:¥276,000(2019年7月20日発売予定)
2019年7月20日発売予定のE-bikeブランド「evol」。その中で唯一のE-ロードバイクがD700だ。ドライブユニットは日本では珍しいBAFANG製のE-グラベルロード用ユニット「M800」を搭載。スタイリッシュなダウンチューブ一体型バッテリーを採用した。
- フレーム:アルミ
- フロントフォーク:アルミ
- 重量:約17.5kg
- ドライブユニット/搭載方式:BAFANG M800 200w/ミッドドライブ
- バッテリー:43V/5.0Ah
- 航続距離 1/3/5:37/29/28km
- 充電時間:約3.5時間
- メインコンポーネント:シマノ・105 2×11速
- ブレーキ:TEKTRO機械式ディスクブレーキ
- ホイール/タイヤ:700×25C