様々な企業・個人が手を組んだプロジェクトとして知られていたマインドバイク。オオトモが販売権を手に入れて少数生産で販売するようだ。前から気になっていたマインドバイクだが、サイクルモードで試乗することができた。価格は、18インチ 完成車キットで15万円とのことだ。
・フレーム/フロントフォーク
非常に清潔感があるデザインは、自転車というよりもデザイン家具やデジタル機器を連想させる。ジョイント機能を持つアルミ押出材フレームという、他の自転車では見られない技術を採用している。また接合方法も車体全体をボルトで分解し組立が可能とのこと、フロントフォークはフレームと共通化されている。
・ブレーキ
ブレーキは前後ともデュアルピボットキャリパーブレーキを採用している。
・変速機/ギア比
シングルギアのみだ。
・車輪径/タイヤ幅
車輪系は18インチとのことだ。
サイクルモードで、マインドバイクを試乗することができた。
他の乗り物では見られない異様に清潔感がある形は、やはり自転車とは思えない。ギアはシングルギアのみで、普通のシングルギアの小径スポーツ自転車といった感じだ。安定性は16インチの折りたたみ自転車「ブロンプトン」よりも低く、18インチの折りたたみ自転車「BD-1・スタンダードフレーム車(セーフティーサスペンション付き)」といい勝負といったところだ。実はスペック表を見るまで18インチだと思わなかった。
サイクルモードでの試乗では、偶にごく小さな金属音が擦れる音がした気がした。溶接ではなくジョイント機構のフレームのためかもしれないが、個人的には気にならないレベルだ。それよりも根本的な問題としては、車輪は片持ちで支持するシステムのため、変速システムを安価に組み込むことができないことだ。片持ちシステムに変速システムを組み込むのは、技術的にはGIANT・Halfwayが2002年に達成しているので可能だが、ユーザーレベルの部品交換レベルで片持ちシステムに変速機を組み込むのは聞いたことがない。一応、ボトムブラケットに変速機を搭載するスピードドライブシステムが搭載可能らしいが、8万円以上する価格は非現実的だ。
マインドバイクはデザインが気に入ったら「買い」だが、性能で買う自転車ではないだろう。マインドバイクの価格は15万円だが、15万円あればBD-1やBrompton等のデザインがよくて、性能がある折りたたみ自転車を買うことができる。作り手の気合は入っているが、このままだとやたら高い街乗り小径車になり、マニアの中のマニアの乗り物で終わるだろう。BD-1やBromptonみたいな性能面での「飛び道具」が欲しいところだろう。