一部のスポーツ自転車では、ホイール径を変更することで、走りの特性を変えられる物がある。ホイールをインチアップ・インチダウン化させて、走行特性を変えられる物と言えばグラベルロードが有名だが、それ以外の車種でも行える自転車もある。
26インチ→700Cインチアップ化(マウンテンバイク)
26インチマウンテンバイクが主流だった時代、マウンテンバイクで街乗りやサイクリングをする時は、幅の細いスリックタイヤにするのが一般的だった。
しかし、幅の細いスリックタイヤにすると、同時に車輪の径が小さくなる問題があった。そのため、マウンテンバイクに700Cの車輪を装着して700C化を行う人がいた。700C化MTBの利点は、スリックタイヤよりも細くて軽量なロードバイク/クロスバイク用タイヤが装着できることと、26インチに変更しオフロード走行が両立できること。700Cのインチアップ化に関しては、クリアランスが大きいMTBフレームに、幅の細いオンロード用タイヤを装備するため、干渉の問題は無かったようだ。
出典:http://www.louisgarneausports.com/07bike/dw-1.htm
この方法は、一般的にはユーザーがカスタマイズするのが一般的だった。しかし、写真のルイガノ・DWのように、700Cのホイールを標準装備し、あとから26インチMTBホイールを購入して、オンロードとオフロードの両方を楽しめる自転車も存在した。
26インチMTBに27.5インチ(650B)ホイールでインチアップ化
MTBのホイールが取り回しは良いが走破性が低い26インチと、取り回しは悪いが走破性が高い29インチの2極化だった時に、その中間と言える27.5インチが登場した。登場時は部品選択が少なかったため、26インチMTBに27.5インチのホイールを入れてインチアップ化する事例があった。
マウンテンバイクを26型から650B(27.5)にインチアップ!(ぶろぐであさひ):https://blog.cb-asahi.co.jp/maintenance/97/
2016年当時、主流だった26インチマウンテンバイクを、容易に27.5インチ(650B)マウンテンバイク化できる利点があった。しかし、インチアップ化によりフレームとの接触の危険性があるなどの問題があり、27.5インチマウンテンバイクが主流になると、見なくなったカスタマイズだ。
グラベルロードで27.5インチ(650B)⇔700Cホイールを両立する
グラベルロードでは、27.5インチ(650B)と700Cホイールを両立できる車体が増えている。27.5インチ(650B)ホイールが搭載できる利点は、700Cよりも太いタイヤが装着でき、ホイールの直径が大きくなりすぎないため、ハンドリングが良好という利点がある。注意点としてはGT GRADEのように700Cホイールしか対応できないグラベルロードや、Cannondale SLATEのように650Bホイールしか対応できないグラベルロードがあるので、購入前には確認したほうが良いだろう。